日本僑報社の段躍中氏、日中相互理解の促進で講演―「アジアの新しい風」総会で

認定NPO法人「アジアの新しい風」の総会が9月3日、東京都内で開催され、日本僑報社の段躍中編集長が「永遠の友人」をテーマに講演しました。その時の模様を、ジャーナリストの篠原功氏が報告してくださいました。以下はその報告です。

日本僑報社の段躍中氏、日中相互理解の促進で講演―「アジアの新しい風」総会で

http://duan.jp/news/jp/20170903.htm

認定NPO法人「アジアの新しい風」の総会が9月3日、東京都内で開催され、日本僑報社の段躍中編集長が「永遠の友人」をテーマに講演しました。その時の模様を、ジャーナリストの篠原功氏が報告してくださいました。以下はその報告です。

<日本僑報社編集長の段躍中氏、日中相互理解の促進で講演>

認定NPO法人「アジアの新しい風」の総会が9月3日、東京・四谷の主婦会館で開催された。この総会の後、日本僑報社編集長の段躍中氏がパワーポイントを駆使して「永遠の友人 日本と中国がお互いに理解できるように」というテーマで講演を行った。

◆中国人の7割以上が日本に対して「好印象」

段氏は、近い将来、訪日中国(中華圏)人が1200万人になるだろうと推察。在日中国人も約100万人に達しているとし、銀聯や支付宝などが大きな原動力となり、中国富裕層による爆買いが注目されていると語った。

また、相手国に対する印象については、当初、日本に対しては軍国主義、侵略戦争というイメージが強く、中国人は良い印象を持っていなかったが、「日本人は礼儀正しい」「温かい」と評価するようになり、認識が次第に改まってきたとし、「日中国交正常化45周年を迎えた今年は中国人の7割以上が日本に対して良い印象を持っている」と語った。

段氏は、26年前に来日したとき、日本に対して「外国人にとって親しみやすい」という印象を受けたと振り返り、「民間の一人としてどう行動すべきかをいつも考えてきた。多くの中国人が日本のファンになってほしい。爆買いだけでなく、日本の皆さんと親しく交流をしてほしい」と語った。

「来日する時、海外へのおカネの持ち出し枠が厳しく、日本で予想される生活を考え、大きな鍋を持参して来た。でも、貴重品の入ったカバンを電話ボックスの中に忘れ、大変慌てたが、なくなっていなかった。そのことに大変驚いた」と語り、初来日した時のエピソードをユーモアを込めて語った。

◆日本語の文章を学び、全国紙・地方紙にも投稿

当時、段氏は日本語の勉強法として日本語で日記を付け、それを日本人に正しく直してもらうように依頼した。そのことによって次第に文章が上達してくると、今度は日本の全国紙にさまざまな内容の投稿をした。『外国人留学生の記事、明るい面も報道して』という率直な意見も書いた。さらに地方紙にも投稿し、その数は200本にも上り、大変励みになった」と振り返った。

98年に日本語で在日中国人の活躍する姿を『在日中国人大全』という書籍にまとめて出版した。日本のメディアも注目して大きく取り上げた。「日本に来て日本でしかできないことをやろうと、さまざまな本を出版してきた。友好の歴史を記録して、日中相互理解にプラスになる書籍を刊行してきたつもりだ」と語った。

ちなみにアメリカの西海岸を代表する名門公立大学UCバークレーの図書館に『在日中国人大全』が所蔵されているという。段氏は「本には足はないが、どこへでも行ける」と語った。そして「500冊の本を出版することが目標。それが達成できたら、あの柴又の寅さんのように日本全国を旅して歩きたい」と語り、会場を笑わせた。

◆悲しい歴史ではなく、友好の歴史を知ろう

また、段氏が主催する日本語作文コンクールは、「中国人の日本語学習を応援するために実施している。すでに13回目を迎え、これまで3万3000人が作文を寄せている。この取り組みに対して多くの中国人観光客が買い物に訪れるドン・キホーテが支援してくれている」と語った。また、作文優秀者上位6人にはスピーチの機会も設けている。

「作文を寄せてくれる若者は、いずれも日本文化のファンで、友情・勇気・平和の大切さを訴えている。文化の力を通じてさまざまな課題を解決していきたいと思っている。大半が日本に来たことのない若者で、今年の応募者は4100人にも上った。最優秀者を日本へ招待している」と語った。

2007年から日本語サークル「漢語角」という交流活動を毎週日曜日に池袋公園で行ってきた。「顔が見える新しいスタイルの交流」と位置付けており、この「漢語角」も今年8月で500回を迎えた。これまで10ヵ国・地域の人々が集まり、合計2万人にもなっている。さらに全国にも拡大し、47都道府県100ヵ所で実施することが目標だという。「皆さんもぜひ参加してください」と呼び掛けた。

中国の書籍を日本で出版しようと日中翻訳学院を創設した。人材育成のためにハイレベルな翻訳者を育てようという活動だ。これまで30人の日本の翻訳者が日本僑報社から書籍を出版している。中国への日本人留学者は64年から22万人に上った。そこでOB会も作った。「中国での思い出を共有してもらいたい」という思いからだ。

このような多彩な交流活動が認められ、外務大臣表彰を受賞している。この26年間を短い言葉で表現すれば「苦労」「感謝」「幸福」だという。

「最近、WeChat(微信)が大きな影響力を発揮している。特にSNSなどのニューメディアを活用して日中の市民の取り組みを世界に発信しよう」と呼びかけ、現在、「中国の『日本語』の日」と「日本の『中国語』の日」の創設で活動していると報告するとともに、「読書で日中相互理解を深めよう。そして悲しい歴史ではなく、友好の歴史を知ろう。これが今の私の願い」と締め括った。(文・篠原功)



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企業情報

企業名 日本僑報社
代表者名 段躍中
業種 新聞・出版・放送

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