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北海道ブランドの価値を

高めるものづくり

こだわりの先にあるものは

「達人」を極める

チームづくり

株式会社北の達人コーポレーション

インタビュー

「びっくりするほど良い商品ができたときにしか発売しないこと」を基本ルールに、健康食品や化粧品の開発を手がける株式会社北の達人コーポレーション。2013年札幌本則市場、2014年東証二部、2015年には東証一部上場と成長を続け、2017年の株式市場では値上がり率トップを記録しました。北の大地の小さなベンチャー企業が、いかにして東証一部上場企業となり得たのか。商品開発、カスタマーサポート、販売戦略など、様々な側面からお話を伺いました。

わけあり特産品の販売から、自社商品の開発へ

立ち上げ当初から事業に関わっていらっしゃった堀川さんにお聞きします。どのような経緯で自社ブランドの確立・販売に至ったのでしょうか?

堀川さん:
私が入社した2006年7月時点では、代表の木下を含めて5人の社員で、北海道の特産品を販売する「北海道・シーオー・ジェイピー」というネットショップを運営していました。私自身は受注処理やカスタマーサービスを担当した後、バイヤーへ異動となったのですが、最初は右も左もわからない状態で…。少しずつ業者さんとのコミュニケーションがうまくいくようになった頃、「わけあり商品」だけを売るタイムセールの企画を行ったんです。すると商品がよく売れて。2007年9月に新たに「北海道わけあり市場」というネットショップを開設することになりました。ちなみに、この時期に「北の快適工房」の前身となる「カイテキフレンドクラブ」も開設しています。

「北海道わけあり市場」はメディアにも大きく取り上げられ、順調に売上が伸びていたのですが、同時に類似したサイトもどんどん出てきていました。このとき一番収益をあげていたのが、「カイテキフレンドクラブ」で販売していた「カイテキオリゴ」という商品で。上場して組織を大きくしていくのであれば、この商品を中心として自社商品の開発・販売に注力したほうが事業として安定していくのではないかと判断し、2011年の2月に「北海道・シーオー・ジェイピー」と共に事業運営を譲渡しました。

当時を振り返って、どんな苦労がありましたか?

堀川さん:
「北海道わけあり市場」開設当初は人数が少なかったので、「北海道・シーオー・ジェイピー」の仕事が21時に終わって、その後から「北海道わけあり市場」の準備…と、とにかく目まぐるしい毎日でした。自社で商品開発を行うようになってからも、開発、カスタマーサービスの仕切り、人事など全般に関わっており、「カイテキオリゴ」、「紅珠漢(こうじゅかん)」、「肌潤風呂(はだじゅんぶろ)」、「二十年ほいっぷ」までは一人でやっていましたね。
当時はまだ今のようにシステム化されていなかったので、いい原料を見つけて、いい体感が得られれば商品化しようという目線でものづくりをしていました。商品化までに2年かかったこともありますし、没になった商品も数えきれないほどです。

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100のアイデアから1%の「本当にいい商品」を作り出す

商品部 学術課の九条さんにお聞きしたいのですが、現在はどのような商品開発プロセスが確立されているのでしょうか?

九条さん:
まず社内で上がった新商品のアイデアを精査して、テストマーケティングを行います。テストマーケティングの結果、売れないと判断されたものを除いて、商品開発をスタートします。100商品のうち、20~40商品というところです。たとえば、「目の下のくまを改善する商品が売れる」というテストマーケティングの結果が出たとします。ではどんなものを作ろうか、美容液がいいのか、クリームがいいのか、成分や容器はどうするか。開発の過程で、これらを具体的に詰めて商品の形にしていきます。その後、品質テストやモニター検証を経て、すべてをクリアしたものだけが発売されます。テストマーケティングにかけたアイデアのうち、実際に商品となって発売されるのは1〜10%程度でしょうか。

企画から発売までの工程表を見せていただきましたが、相当数のチェック項目がありますね。堀川さんのお話によると、当初はそれほど細かいシステムはできあがっていなかったそうですが…?

九条さん:
仕組みや検査基準というのは常に変化していくものなので、やりながら常にアップデートしている感じですね。現在の開発システムや品質管理・モニター検証などの検査項目は細かい検査項目も入れると、企画から発売までで350項目以上あります。

重要かつものすごく大変なプロセスですが、今後更に挑戦していきたいことは?

九条さん:
今はまだ開発の段階の情報を、発売時に100%お客様に伝えられていないと感じていて…。商品の販売ページやお客様へのご案内といった側面を強化して、もっとたくさんの人に手に取って頂きたい、という思いがあります。また、効果が実感できるまで継続して頂くためにはどうしたらいいのか、販売ページの表記変更や購入者へのアフターフォローだけでなく、ユーザーの声を参考にした商品設計の変更にも力を入れていきたいなと思います。

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お客様の声に耳を傾ける窓口の役割

アフターフォローやユーザーの声といった言葉が出てきたところで、では実際にお客様へのサポート窓口ではどのような業務を行っているのか、商品部 カウンセリング課の道下さんにお話をお聞きします。

道下さん:
カウンセリング課では、主に電話やメールで寄せられるお客様からのお問い合わせにお答えしています。商品を購入する前のご相談はもちろん、購入してお使い頂いている間のサポート、「別の商品も使ってみたい」というお客様へのご提案も行っています。

お客様とのやり取りは1度に限らず、数回に渡ることもあるのだとか?

道下さん:
はい。解決するまで何度でもやり取りを行っています。電話やメールだと、どうしてもうまく伝わらないこともあって…。「ああ!今すぐ飛行機で飛んで会いに行きたい!会って直接ご説明したい!」と、よく言っています(笑)。口頭での説明やメールの文章でわかりにくい場合は、動画を作ってお見せすることもあります。

お客様サポートという点で、どのような強みがあると思われますか?

道下さん:
裁量を持っている、という点でしょうか。コールセンターをアウトソーシングしている会社の場合、画一的なルールの中で対応しなければいけないことが多いので、「やっていいかどうか」を委託元の会社に確認する必要が出てきますが、当社はお客様の事情を踏まえてフレキシブルなご提案ができます。加えて、お客様のご意見を企画や広告担当のところに直接届けられるので、実際にお客様の声を反映させるまでのスピードが全然違いますね。

印象に残っているお客様の声を教えて頂けますか?

道下さん:
「ヒアロディープパッチ」という商品について、これは目の周りの小じわを改善するための美容シートなのですが、お客様から「ほうれい線に貼ったら効いたわよ!」など他の部位に使用している声を多数いただきました。。すぐに社内で共有し、実際にテストしてみたところ、目のしわだけでなく、ほうれい線にもご使用頂けることがわかったんです。そこで、商品広告をほうれい線にご使用頂く方向性に変更したところ、大変な反響がありました。現在は、「目周り」「ほうれい線」どちらも広告展開を行い、それぞれにお悩みの方にご利用いただいています。お客様の声に耳を傾けることの大切さを実感した出来事ですね。

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ネット販売に特化した商品開発と戦略

それぞれの現場の方々にお伺いすると、やはりこの商品開発プロセス、としてユーザー対応も含めた横の連携が素晴らしいですね。年間100件もの商品開発とのことですが、どのような点に主軸を置いて、商品開発をされていらっしゃるのでしょうか。

木下さん:
もともとある商品をネットショップで売るのではなく、はじめからネットショップでの販売を前提としているので、商品開発時の着眼点も自ずとネット販売に特化したものとなります。「ネットで売るとしたら、どんなものが売れるか」という市場調査をして、それを商品開発に活かす。ネットショップの画面上で見た時に映えるパッケージデザインにするというのも重要な要素ですね。

たとえば化粧品の場合、店頭で販売されている商品は、まずブランドイメージがあって、そのイメージにふさわしい色やデザインで統一されていますよね。シリーズで揃えた時に統一感がある。でもネット販売の場合は、それだと売れません。単品勝負ですから、機能性が高いものであればその効能を押し出したデザインなど、商品が一番輝くものにする必要があります。
デザインやブランディングのあり方という点で、店頭販売の商品とネット販売の商品では根本的な違いを感じます。とは言いつつ、店頭販売の化粧品ブランドイメージに引っ張られてしまうこともあり…その兼ね合いがなかなか難しいですね。

販売戦略については、どのようにお考えですか?

木下さん:
基本的には、「一生使い続けてくれるお客様をどれだけ増やせるか」を重視しています。商品課で流行り物ではなく一生使ってもらえる商品を開発し、「買って終わり」ではなく、カウンセリング課で一人ひとりの悩みに向き合ってサポートする。決して派手な戦略ではありませんが、このように地道に一人ひとりファンを増やしていく戦略を、僕は「演歌の戦略」と呼んでいます(笑)。
演歌歌手はテレビで派手なプロモーションをしない代わりに、全国をまわって握手するんです。3000人と握手したら一生食べていけると言われているくらい。テレビで100回見ているけれど会ったことがない人と、笑顔で握手をしてくれて近い距離で歌ってくれた人、どっちを応援しようという気になるかというと後者ですよね。

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価値ある商品づくりのための「人づくり」

戦略や会社の目指す方向性は、どのように社内で共有されていらっしゃるのでしょうか?

木下さん:
ブランドが目指すこと、お客様への思い、仕事への姿勢などをまとめた「クレド」を社員全員に配布して、毎朝30分間、チームに分かれてクレドの読み上げを行い、自分の価値観や実際の経験について話す機会を設けています。創業期から10年ほど継続していますが、これには確かな効果を感じていますね。業務の中でどうすべきか迷った時にも「会社の理念に基づくなら、最適解はこれ」といった具合に、社員それぞれが会社として辿るべき道筋をスムーズに出せるようになります。
クレドの他にも、社員には入社時に手帳と「セルマネシート(オリジナルの業務管理シート)」を配布しています。仕事で成果が出せるかどうかって、実は自己管理能力によるところが大きいんですよね。スケジュールを守れるとか、ToDoを管理できるとか。

社長室がなく、他の社員と一緒のフロアで仕事をしているそうですが、それも理念や価値観の共有に必要だと考えられた結果でしょうか?

木下さん:
いえ、別に深い意味があって作っていないのではなくて…単純に経験上、社長室の必要性や意味を感じないから。もしかしたら、世間的には社長ですけど社内のポジションは課長や係長なのかも(笑)。僕の場合は直属の部下が30人ほどいます。

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社長が直属30人、すごいですね(笑)。

木下さん:
僕は大企業で出世して社長になったわけではないし、誰かが作った会社を継いでいるわけでもなく、最初は自分一人で始めて、一人また一人と社員を増やしながら仕事をしてきたので。「ここまできたらいいだろう」と思えたら現場を離れるかもしれませんが、まだしばらくは馬車馬のように働きます(笑)。

今後のビジョンと、北海道の会社ならではの強みをお聞かせ下さい。

木下さん:
海外へと市場を広げたいと考えています。すでに一部の商品は、海外でも人気が高まっていて、「二十年ほいっぷ」は日本よりも台湾からの注文が多いくらい。
基本的には実店舗での販売は行わないのですが、観光で札幌を訪れた台湾の方からドラッグストアに多くの問い合わせがあったため、市内の一部店舗で販売することになりました。

「日本ブランド」の魅力が薄れつつある今、世界で勝負できるのは「北海道ブランド」だと考えています。それに都会は楽しそうな誘惑も多いから…東京で起業していたら、僕はダメになっていたと思いますね(笑)。勉強会や経営者の集まりなど、東京ではたくさん開催されていてお誘いも多いのですが、「時間と交通費を費やしてまで参加すべきものなのかどうか」をじっくり検討するようになりました。距離があるからこそ取捨選択が上手になり、効率的に仕事ができていますね。北海道が好きだからこの土地で起業しましたが、改めて自分にとっても会社にとっても素晴らしいチャンスを生み出していける場所だと感じています。

(取材日:2018年11月16日)

企業情報

北の達人コーポレーションのロゴ

企業名

株式会社北の達人コーポレーション

所在地

北海道札幌市北7条西1-1-2 SE札幌ビル7階

代表者名

木下 勝寿

URL

https://www.kitanotatsujin.com/

業種

食品関連

事業内容

健康食品や化粧品の開発

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