名城大学、香川大学、松谷化学工業が共同で 希少糖「D-プシコース」と「希少糖含有シロップ」の糖尿病および肥満症の予防効果に関する研究結果を発表

松谷化学工業株式会社は、名城大学薬学部、香川大学医学部と当社研究所の希少糖研究チームの共同研究で「D-プシコース」と「希少糖含有異性化糖」が、ラットを用いた研究で糖尿病と肥満症の予防に有用である結果を、5月19日「第55回日本糖尿病学会年次学術集会」のポスターセッションにおいて解説します。

松谷化学工業株式会社ニュースリリース
2012年4月19日
========================================
名城大学、香川大学、松谷化学工業が共同で希少糖「D-プシコース」と「希少糖含有シロップ」の糖尿病および肥満症の予防効果に関する研究結果を発表

5月19日「第55回日本糖尿病学会年次学術集会」のポスターセッション

- 肥満を伴う2型糖尿病ラットでの研究成果を解説 -
========================================
でん粉加工と機能性食品素材の総合メーカー 松谷化学工業株式会社(本社:兵庫県伊丹市 代表取締役社長:松谷晴世 以下、松谷)は、このたび名城大学薬学部(愛知県名古屋市) 三輪一智教授、豊田行康准教授、香川大学医学部(香川県木田郡三木町)徳田雅明教授と当社研究所の希少糖(レアシュガー)研究チームの共同研究で、希少糖の一種であり、ノンカロリーで甘味度が砂糖の7割程度の「D-プシコース」と、D-プシコースなどの希少糖を含む「希少糖含有異性化糖」(希少糖含有シロップ)が、肥満を伴う2型糖尿病ラットを用いた研究において糖尿病及び肥満症の予防に有用であることを確認しました。

なお、本研究発表は、5月19日(土)「第55回日本糖尿病学会年次学術集会」(会場:パシフィコ横浜 展示ホールBC ポスター会場)のポスターセッションにおいて、豊田行康准教授により行われます。


【研究発表概要】
学会名:「第55回日本糖尿病学会年次学術集会」(http://www.jds.or.jp/
発表形式:ポスターセッション
セッション名:「筋・脂肪・肝のインスリン作用」
発表日時:5月19日(土) 13:00 ~ 13:35 
会場:(パシフィコ横浜 展示ホールBC)
演題番号:III-P-313

【演題名】
「希少糖D-プシコース及び希少糖含有異性化糖の長期投与ラットにおける糖・脂質代謝の変化」

【研究目的】
希少糖は自然界に稀にしか存在しない単糖と定義されています。希少糖の一種「D-プシコース」は、抗糖尿病及び抗肥満作用を示すことが、また、D-プシコースを含む希少糖含有異性化糖(以下、希少糖含有シロップ)は内臓脂肪蓄積抑制作用を示すことが確認されています。さらにD-プシコースは、腸管におけるα-グルコシダーゼ及びグルコース輸送の阻害、肝臓におけるグルコキナーゼの核外移行の促進による食後血糖低下作用を示すことも確認されています。

肥満を伴う2型糖尿病モデル動物の*OLETFラットへのD-プシコースの長期投与により食後血糖低下及び体重増加抑制が起こります。ヒト試験においても軽度耐糖能異常者へのD-プシコース投与により耐糖能の改善が認められます。また、肥満者への希少糖含有シロップの投与により体重減少が認められています。そこで、D-プシコース及び希少糖含有シロップが糖尿病及び肥満症の予防に有用であるかどうかを調べる目的で、健常ラットのWistar系雄性ラットへD-プシコースあるいは希少糖含有シロップ溶液を飲水下で長期間投与し、投与後の内臓脂肪量、インスリン感受性、尾静脈血中のインスリン、グルカゴン、アディポネクチン濃度を測定しました。

*OLETFラット: Otsuka Long-Evans Tokushima Fatty ラット。OLETFラットは肥満を伴う糖尿病(2型糖尿病)と糖尿病性合併、特に腎症を発症するモデル動物です。

【研究方法】
Wistar系雄性ラットに3.75%D-プシコース溶液、あるいは希少糖含有異性化糖を6週齢から15週齢までの10週間自由飲水下で投与し、対照群には水を投与しました。そして、D-プシコースあるいは希少糖含有シロップ投与8週後に糖負荷試験(2g/kg グルコース) およびインスリン感受性試験を行いました。また、D-プシコースあるいは希少糖含有シロップ投与10週後に、尾静脈血中アディポネクチン測定を行うとともに、内臓脂肪量(精巣上皮、腎周囲、腸管膜脂肪量)の測定を行いました。さらに、糖負荷後30分における尾静脈血中のインスリン及びグルカゴン濃度の測定を行いました。

【成績】
D-プシコース及び希少糖含有シロップ投与8週後においてD-プシコース投与群及び希少糖含有シロップ投与群のいずれにおいても糖負荷時の尾静脈血糖値及びインスリン濃度の推移は、いずれの時間においても対照群と比べて有意に低く、耐糖能の増強が認められました。インスリン感受性試験においても両群ともインスリン感受性の増強が認められました。また、投与10週後において両群とも尾静脈血中のアディポネクチンは、対照群と比べて有意に高かく、内臓脂肪の精巣上皮、腎周囲、腸管膜脂肪量は、対照群と比べて有意に低値を示し、糖負荷後30分の尾静脈インスリン及びグルカゴン濃度も対照群と比べて有意に低値を示しました。これらの結果より、健常ラットへのD-プシコース及び希少糖含有シロップ投与により糖・脂質代謝に対して有益な変化が起こることが判明しました。

【結論】
D-プシコースやRSSの摂取は、糖尿病及び肥満症の予防に有用である可能性が示唆されました。




希少糖について:
松谷は、2004年以来、香川大学と共同で新たな自然の糖である「希少糖」(レアシュガー)の研究を行ってきました。希少糖は、自然界に微量しか無い、希少な単糖ですが種類は多く、50種以上存在します。近年、香川大学ほか研究機関による希少糖の大量生産技術の確立により研究が進み、様々な生理活性が発見されました。特に、希少糖の一種である、ノンカロリーで甘味度が砂糖の7割程度の「D-プシコース」には、食後血糖上昇抑制作用、内臓脂肪蓄積抑制作用が認められています。また、「D-アロース」には抗酸化作用、血圧上昇抑制作用などの生理活性があり、医薬品や機能性食品あるいは化粧品などへの応用開発が進められています。

松谷では、様々な希少糖に関する研究を進めており、希少糖の抗肥満、抗糖尿病、抗動脈硬化、抗酸化、アンチエイジングなどをはじめとする様々な作用を解明し、人類への大きな寄与が期待される希少糖の普及へ向けてこれからも、一層の努力を続けます。



松谷化学工業株式会社(www.matsutani.co.jp)について:
松谷化学工業株式会社(本社:兵庫県伊丹市北伊丹5-3 代表取締役社長:松谷晴世)は、でん粉加工と機能性食品素材の総合メーカーとして、加工でん粉や難消化性デキストリンをはじめとする食物繊維等の製造・販売、希少糖および関連製品の研究開発・製造、販売を行っています。当社は、でん粉加工のパイオニアとして、新しい機能を有するでん粉やその分解物など食品製造に不可欠な機能性の高い素材を多岐にわたり研究開発を行っており、お客様のニーズにお応えする「手軽で」「美味しい」「体に良い」加工食品を創造するための機能と、「安全」「安心」「安定」した品質を持つ食品素材「食用でん粉」「加工でん粉」「澱粉分解物」を提供いたします。

企業情報

企業名 松谷化学工業株式会社
代表者名 松谷晴世
業種 食品関連

コラム

    松谷化学工業株式会社の
    関連プレスリリース

    松谷化学工業株式会社の
    関連プレスリリースをもっと見る

    • クリックして、タイトル・URLをコピーします
    • facebook
    • line
    • このエントリーをはてなブックマークに追加

    プレスリリース詳細検索

    キーワード

    配信日(期間)

    年  月  日 〜 年  月 

    カテゴリ

    業界(ジャンル)

    地域