香川大学、松谷化学工業が共同で 成長期ラットにおける希少糖「D-プシコース」の抗肥満作用のメカニズム解明についての研究結果の第1報を発表
松谷化学工業株式会社は、このたび香川大学(香川県木田郡三木町)農学部 松尾達博教授と当社研究所の希少糖(レアシュガー)研究チームの共同研究で、希少糖の一種であり、ノンカロリーと推定される「D-プシコース」が、成長期ラットへのペアフィーディング*を行なった飼育環境においても抗肥満効果が確認されました。
松谷化学工業株式会社
ニュースリリース
2013年5月13日
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香川大学、松谷化学工業が共同で
成長期ラットにおける希少糖「D-プシコース」の抗肥満作用のメカニズム解明についての研究結果の第1報を発表
--- D-プシコースによってエネルギー消費量が向上 ---
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でん粉加工と機能性食品素材の総合メーカー 松谷化学工業株式会社(本社:兵庫県伊丹市 代表取締役社長:松谷晴世 以下、松谷)は、このたび香川大学(香川県木田郡三木町)農学部 松尾達博教授と当社研究所の希少糖(レアシュガー)研究チームの共同研究で、希少糖の一種であり、ノンカロリーと推定される「D-プシコース」が、成長期ラットへのペアフィーディング*を行なった飼育環境においても抗肥満効果が確認されました。
なお、本研究発表は、2013年5月26日、「第67回日本栄養・食糧学会大会」(会場:名古屋大学 会期:5月24日から26日 HP: http://square.umin.ac.jp/eishok67/index.html)のにおいて行われます。
【研究内容:発表演題】(会場:名古屋大学(東山キャンパス)F会場 3F-13a 日時:5月26日(日) 11:14~11:26)
成長期ラットにおけるD-プシコースの抗肥満作用 ~機序解明へのアプローチ(第1報)~
【研究の背景と目的】
「D-プシコース」はD-フルクトースのC-3エピマーであり、自然界に存在量が少ない単糖(希少糖)です。研究チームでは、これまでD-プシコースが血糖上昇抑制作用及び体脂肪低減作用を有することを報告してきました。体脂肪低減作用に関しては、ラットの体重および体脂肪の低減と共に摂餌量にも差が認められる場合もあり、そのことが体脂肪低減効果の一因としても考えられました。そこで本研究では、作用機序(メカニズム)解明へのアプローチとして成長期ラットに各群の摂餌量が等量になるように飼料を与え、D-プシコースによる抗肥満効果が認められるか検討を行ないました。
【研究方法】
4週齢のWistar系雄性ラット31匹を3群に分け、実験群としてD-プシコース食を自由摂取させた群(HSUP)及びコントロール群としてセルロース食(HSUC-AD)を自由摂取させた群としました。残り1群はD-プシコース群の摂餌量と同量のセルロース食(HSUC-PF)を与え、各群8週間飼育を行いました。飼育5~7週目に間接的熱量測定法を用いてHSUP群及びHSUC-PF群のエネルギー消費量を測定しました。飼料は高ショ糖食をベースとし、水は自由摂取としました。飼育終了後、血液および内臓組織を分析しました。
【結果】
HSUP群及びHSUC-PF群の間には、体重増加量及び食餌効率に差は認められなかったが、腹腔内脂肪組織重量及び屠体脂肪量は、HSUC-PF群に比べてHSUP群で有意に低値を示しました。1,5-AG**濃度は、HSUC-PF群に比べてHSUP群で有意に高値を示した。また、エネルギー消費量は、HSUC-PF群に比べてHSUP群で向上が認められました。
ちなみに、HSUC-AD群に比べてHSUP群で体重増加量、摂餌量、食事効率、腹腔内脂肪組織重量及び屠体脂肪量は有意に低値を示しました。
【結論】
以上の結果から、ペアフィーディングを行なった飼育環境においてもD-プシコースによる抗肥満効果が確認され、摂餌量以外の要因としてエネルギー消費量の向上も考えられることが示唆されました。
*ペアフィーディングについて
動物の摂餌量若しくは摂取カロリーを等しくして、摂餌量(カロリー)の違いによる動物の体重および体脂肪増加への影響を排除することを目的とした試験方法。自由摂食による飼育方法では、過食または摂食抑制などにより各群で摂餌量に差が認められることがあるため、摂餌量の少ない動物(群)に合わせた餌の量を給仕することを言います。
**1,5-AGについて
1, 5-AG(アンヒドロクルシトール)とは、直近数日間の血糖値を反映する指標であり、血糖値が高くなるほど低値を示します。
希少糖について:
松谷は、2004年以来、香川大学と共同で新たな自然の糖である「希少糖」(レアシュガー)の研究を行ってきました。希少糖は、自然界に微量しか無い、希少な単糖ですが種類は多く、50種以上存在します。近年、香川大学ほか研究機関による希少糖の大量生産技術の確立により研究が進み、様々な生理活性が発見されました。希少糖の一種である、ノンカロリーで甘味度が砂糖の7割程度の「D-プシコース」には、食後血糖上昇抑制作用、内臓脂肪蓄積抑制作用、そしてモデル生物でのアンチエイジング効果が認められています。また、「D-アロース」には抗酸化作用、血圧低下作用などの生理活性があり、医薬品や機能性食品あるいは化粧品などへの応用開発が進められています。
2010 年、松谷と株式会社希少糖生産技術研究所(本社:香川県木田郡三木町 代表取締役社長:何森 健 HP:http://www.izumoring.com/) は、D-プシコース、D-アロースなどの希少糖を含む希少糖含有シロップ「レアシュガースウィート」の開発に世界で初めて成功しました。これまでの香川大学との研究調査により、「レアシュガースウィート」が脂肪蓄積抑制効果や糖代謝改善作用などへの効果を持つことが報告されており、肥満予防などメタボリックシンドロームに対する効果や糖尿病予防に対する効果が期待されています。なお、2011 年11 月には国際希少糖学会第5 回国際シンポジウムにおいて「レアシュガースウィート」のヒトでの12 週間連続摂取による体脂肪低減効果とその安全性が報告されています。
なお「レアシュガースウィート」は、株式会社レアスウィート(本社:香川県木田郡三木町 代表取締役社長:近藤 浩二 HP: http://www.raresweet.co.jp/)が2012年6月から法人向けに全国販売を開始し、また12月からは一般家庭向け500グラム入りボトルの香川県内先行販売を行っています。
松谷では、様々な希少糖に関する研究を進めており、希少糖の抗肥満、抗糖尿病、抗動脈硬化、抗酸化、アンチエイジングなどをはじめとする様々な作用を解明し、人類への大きな寄与が期待される希少糖の普及へ向けてこれからも、一層の努力を続けます。
松谷化学工業株式会社(http://www.matsutani.co.jp)について:
松谷化学工業株式会社(本社:兵庫県伊丹市北伊丹5-3 代表取締役社長:松谷晴世)は、でん粉加工と機能性食品素材の総合メーカーとして、加工でん粉や難消化性デキストリンをはじめとする食物繊維等の製造・販売、希少糖および関連製品の研究開発・製造、販売を行っています。当社は、でん粉加工のパイオニアとして、新しい機能を有するでん粉やその分解物など食品製造に不可欠な機能性の高い素材を多岐にわたり研究開発を行っており、お客様のニーズにお応えする「手軽で」「美味しい」「体に良い」加工食品を創造するための機能と、「安全」「安心」「安定」した品質を持つ食品素材「食用でん粉」「加工でん粉」「澱粉分解物」を提供いたします。
ニュースリリース
2013年5月13日
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香川大学、松谷化学工業が共同で
成長期ラットにおける希少糖「D-プシコース」の抗肥満作用のメカニズム解明についての研究結果の第1報を発表
--- D-プシコースによってエネルギー消費量が向上 ---
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でん粉加工と機能性食品素材の総合メーカー 松谷化学工業株式会社(本社:兵庫県伊丹市 代表取締役社長:松谷晴世 以下、松谷)は、このたび香川大学(香川県木田郡三木町)農学部 松尾達博教授と当社研究所の希少糖(レアシュガー)研究チームの共同研究で、希少糖の一種であり、ノンカロリーと推定される「D-プシコース」が、成長期ラットへのペアフィーディング*を行なった飼育環境においても抗肥満効果が確認されました。
なお、本研究発表は、2013年5月26日、「第67回日本栄養・食糧学会大会」(会場:名古屋大学 会期:5月24日から26日 HP: http://square.umin.ac.jp/eishok67/index.html)のにおいて行われます。
【研究内容:発表演題】(会場:名古屋大学(東山キャンパス)F会場 3F-13a 日時:5月26日(日) 11:14~11:26)
成長期ラットにおけるD-プシコースの抗肥満作用 ~機序解明へのアプローチ(第1報)~
【研究の背景と目的】
「D-プシコース」はD-フルクトースのC-3エピマーであり、自然界に存在量が少ない単糖(希少糖)です。研究チームでは、これまでD-プシコースが血糖上昇抑制作用及び体脂肪低減作用を有することを報告してきました。体脂肪低減作用に関しては、ラットの体重および体脂肪の低減と共に摂餌量にも差が認められる場合もあり、そのことが体脂肪低減効果の一因としても考えられました。そこで本研究では、作用機序(メカニズム)解明へのアプローチとして成長期ラットに各群の摂餌量が等量になるように飼料を与え、D-プシコースによる抗肥満効果が認められるか検討を行ないました。
【研究方法】
4週齢のWistar系雄性ラット31匹を3群に分け、実験群としてD-プシコース食を自由摂取させた群(HSUP)及びコントロール群としてセルロース食(HSUC-AD)を自由摂取させた群としました。残り1群はD-プシコース群の摂餌量と同量のセルロース食(HSUC-PF)を与え、各群8週間飼育を行いました。飼育5~7週目に間接的熱量測定法を用いてHSUP群及びHSUC-PF群のエネルギー消費量を測定しました。飼料は高ショ糖食をベースとし、水は自由摂取としました。飼育終了後、血液および内臓組織を分析しました。
【結果】
HSUP群及びHSUC-PF群の間には、体重増加量及び食餌効率に差は認められなかったが、腹腔内脂肪組織重量及び屠体脂肪量は、HSUC-PF群に比べてHSUP群で有意に低値を示しました。1,5-AG**濃度は、HSUC-PF群に比べてHSUP群で有意に高値を示した。また、エネルギー消費量は、HSUC-PF群に比べてHSUP群で向上が認められました。
ちなみに、HSUC-AD群に比べてHSUP群で体重増加量、摂餌量、食事効率、腹腔内脂肪組織重量及び屠体脂肪量は有意に低値を示しました。
【結論】
以上の結果から、ペアフィーディングを行なった飼育環境においてもD-プシコースによる抗肥満効果が確認され、摂餌量以外の要因としてエネルギー消費量の向上も考えられることが示唆されました。
*ペアフィーディングについて
動物の摂餌量若しくは摂取カロリーを等しくして、摂餌量(カロリー)の違いによる動物の体重および体脂肪増加への影響を排除することを目的とした試験方法。自由摂食による飼育方法では、過食または摂食抑制などにより各群で摂餌量に差が認められることがあるため、摂餌量の少ない動物(群)に合わせた餌の量を給仕することを言います。
**1,5-AGについて
1, 5-AG(アンヒドロクルシトール)とは、直近数日間の血糖値を反映する指標であり、血糖値が高くなるほど低値を示します。
希少糖について:
松谷は、2004年以来、香川大学と共同で新たな自然の糖である「希少糖」(レアシュガー)の研究を行ってきました。希少糖は、自然界に微量しか無い、希少な単糖ですが種類は多く、50種以上存在します。近年、香川大学ほか研究機関による希少糖の大量生産技術の確立により研究が進み、様々な生理活性が発見されました。希少糖の一種である、ノンカロリーで甘味度が砂糖の7割程度の「D-プシコース」には、食後血糖上昇抑制作用、内臓脂肪蓄積抑制作用、そしてモデル生物でのアンチエイジング効果が認められています。また、「D-アロース」には抗酸化作用、血圧低下作用などの生理活性があり、医薬品や機能性食品あるいは化粧品などへの応用開発が進められています。
2010 年、松谷と株式会社希少糖生産技術研究所(本社:香川県木田郡三木町 代表取締役社長:何森 健 HP:http://www.izumoring.com/) は、D-プシコース、D-アロースなどの希少糖を含む希少糖含有シロップ「レアシュガースウィート」の開発に世界で初めて成功しました。これまでの香川大学との研究調査により、「レアシュガースウィート」が脂肪蓄積抑制効果や糖代謝改善作用などへの効果を持つことが報告されており、肥満予防などメタボリックシンドロームに対する効果や糖尿病予防に対する効果が期待されています。なお、2011 年11 月には国際希少糖学会第5 回国際シンポジウムにおいて「レアシュガースウィート」のヒトでの12 週間連続摂取による体脂肪低減効果とその安全性が報告されています。
なお「レアシュガースウィート」は、株式会社レアスウィート(本社:香川県木田郡三木町 代表取締役社長:近藤 浩二 HP: http://www.raresweet.co.jp/)が2012年6月から法人向けに全国販売を開始し、また12月からは一般家庭向け500グラム入りボトルの香川県内先行販売を行っています。
松谷では、様々な希少糖に関する研究を進めており、希少糖の抗肥満、抗糖尿病、抗動脈硬化、抗酸化、アンチエイジングなどをはじめとする様々な作用を解明し、人類への大きな寄与が期待される希少糖の普及へ向けてこれからも、一層の努力を続けます。
松谷化学工業株式会社(http://www.matsutani.co.jp)について:
松谷化学工業株式会社(本社:兵庫県伊丹市北伊丹5-3 代表取締役社長:松谷晴世)は、でん粉加工と機能性食品素材の総合メーカーとして、加工でん粉や難消化性デキストリンをはじめとする食物繊維等の製造・販売、希少糖および関連製品の研究開発・製造、販売を行っています。当社は、でん粉加工のパイオニアとして、新しい機能を有するでん粉やその分解物など食品製造に不可欠な機能性の高い素材を多岐にわたり研究開発を行っており、お客様のニーズにお応えする「手軽で」「美味しい」「体に良い」加工食品を創造するための機能と、「安全」「安心」「安定」した品質を持つ食品素材「食用でん粉」「加工でん粉」「澱粉分解物」を提供いたします。
企業情報
| 企業名 | 松谷化学工業株式会社 |
|---|---|
| 代表者名 | 松谷晴世 |
| 業種 | 食品関連 |
コラム
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