中国の著名学者、日本僑報社の最新刊『中国コンテンツ産業対外貿易の研究』 を推薦

中国の著名学者、日本僑報社の最新刊『中国コンテンツ産業対外貿易の研究』 を推薦

【日本僑報社発】日本僑報社はこのほど、中国のソフトパワー戦略の歩みを知る初の邦訳本『中国コンテンツ産業対外貿易の研究』（劉建華著）を刊行した。５月末より全国各地の書店やオンライン書店などで好評発売中！

21 世紀、中国経済は飛躍的な発展を遂げ、経済規模が世界第二位に躍進し、中国のハードパワーは世界の注目する所となった。

しかしこのことと明確に対比されることは、5000 年の文明の歴史を有し、絢爛たる文化を有する中国であるが、世界の文化の舞台にあってその影響力は明らかに不足し、我が国のソフトパワーと国際的な地位との乖離が大きいことである。この状況を速やかに改変し、中国文化の実力を強め、世界における中国文明の影響力を拡大するためにはどのようにすべきなのか、それが中国政府、企業、文化業界の有識者にとって共通の関心事となっている。

近年、中国政府と企業が手掛けている文化の“海外進出”戦略はまさにこの局面を努めて改めようとする重要な措置である。おかげで目に見える効果がすでにあがっている。コンテンツ貿易の総量が迅速に拡大し、コンテンツ貿易の赤字は縮小を続け、中国のコンテンツ産品の国際的な競争力と影響力はたえず強さを増している。

ひるがえって、すさまじい勢いで発展するコンテンツ貿易の実情にかんがみると、コンテンツ貿易に関する研究はいちじるしく立ち遅れている。 （中略）

複数の国が相互に結びつきを強め、影響しあう“国際化”という状況下にあって、現代のコンテンツ貿易に内在するメカニズム、モチベーション、本質的な特徴、実践法則等を巨視的に探究することは、国際貿易理論界およびコンテンツ産業研究界の差し迫った任務である。

劉建華博士の著作、『対外文化貿易研究（コンテンツ産業対外貿易の研究）』『傳媒国際貿易与文化差異規避（メディア貿易と文化的差異の回避）』は国際コンテンツ貿易理論の研究を深層レベルで追求した力作である。

両著作はコンテンツ製品の国際貿易を研究対象にしており、前者はマクロ的および中間的な視点からの研究に重きを置き、後者はミクロ的および中間的な視点による研究に重きを置いている。独創的かつ新鮮な視点をそなえたこの二冊の著作は、研究者の参考になり、得るものが多い。 （中略）

本書すなわち『対外文化貿易研究（コンテンツ産業対外貿易の研究）』と『傳媒国際貿易与文化差異規避（メディア貿易と文化的差異の回避）』そして『民族文化傳媒化（民族文化のメディア化）』、この三冊は彼の博士課程における著作であり、私をこよなく喜ばせ満足させてくれた。 （以下略）

2018 年春

中国人民大学メディア経済研究所所長・教授

周蔚華

参考、『中国コンテンツ産業対外貿易の研究』 目次（抜粋）

http://duan.jp/item/258.html

序 章

第一章 コンテンツ産業貿易の歴史 その三つの諸相――実態、必然、当然

第一節 コンテンツ貿易の実態

第二節 コンテンツ貿易の必然

第三節 コンテンツ貿易の当然

第二章 コンテンツ貿易のモチベーション――価値の共感と非分業化

第一節 産業分業貿易理論の限界

第二節 国際コンテンツ製品の弾力性需要

第三節 価値の共感とコンテンツ貿易のモチベーション

第三章 コンテンツ貿易における市場的制約と非市場的制約

第一節 コンテンツ製品の特徴

第二節 コンテンツ貿易の市場的制約

第三節 コンテンツ貿易の非市場的制約

第四章 産品輸出における文化的差異の回避

第一節 文化的差異の次元

第二節 文化的差異の減少と生産モデル

第三節 文化的価値の認可とコンテンツ消費

第五章 文化の止揚と製品輸入

第一節 時空観と文化の止揚

第二節 民族観と文化の止揚

第三節 形質観と文化の止揚