外食産業の減塩メニュー導入が患者を救う?!腎臓病・透析患者の『減塩』に関するアンケート調査結果発表
透析歴29年の患者が運営する、腎臓病・透析患者向けポータルサイト「じんラボ」を運営する株式会社ペイシェントフッド(東京都世田谷区、代表取締役:宿野部武志)は、腎臓病・透析患者を対象に食事療法『減塩』についてアンケート調査を行いました。
【調査概要】
腎臓病・透析患者の治療の一つに食事療法があります。
食事療法の目的は病状の進行を遅らせたり、体調を良好に保つなどの効果がありますが、病気の段階を問わず重要なのは「減塩」 です。「減塩」 は一般的にも広くその重要性が広がってきていますが、腎臓への負担軽減や
高血圧を防ぐなどの重要な役割を果たします。加えて透析患者は日常的な水分管理が必要なため、医師や栄養士から減塩指導されることも多いのですが、医療者の目の届かない日常の食事は、患者の自己管理に委ねられます。
そこで、腎臓病・透析患者に共通している「減塩」をテーマに、患者自身が行う食事療法への取り組み方を調査し、現状の問題点等を検討するため、アンケートを実施しました。
◇ 調査方法:WEBアンケート
◇ 調査エリア:全国
◇ 調査対象:腎臓病・透析患者・腎移植者 男女 年齢不問
◇ 調査期間:2016年5月2日~5月9日
◇ 有効回答数:78名(内透析患者68名:87.2%)
(1)あなたは減塩対策をしていますか(n=78)
はい 83.3%
いいえ 16.7%
平成26年調査の「日本人の食塩摂取量の平均値」は10.0g(厚生労働省 国民健康・栄養調査結果)。1日あたりの食塩摂取量目標値は男性8g、女性7gとされていますが( 日本人の食事摂取基準 2015年版)、腎臓病・透析患者はさらにそれを下回る6g未満が望ましいとされています。健康な方の半分近い塩分量にする必要があるため、ほとんどの方が減塩対策を行っていることがアンケート結果からもわかります。
(2)減塩対策で困っていることはありますか (n=78)
はい 74.4%
いいえ 25.6%
(3)減塩対策で困っている理由はなんですか (n=58:複数回答)
減塩商品が割高 50.0%
購入先が限られている 27.6%
食品に塩分量表示がない(ナトリウム) 44.8%
外食先に減塩メニューがない 60.3%
その他 12.1%
病状の進行や体調不良を防ぐためにも腎臓病・透析患者にとって減塩対策は必須ですが、患者の74.4%、7割以上が減塩対策に対する悩みを抱えていました。
その理由としては「外食先の減塩メニューがない」 が60.3%と最多。患者が行っている減塩対策の記述回答では「ラーメン店ではスープを飲まない」という意見が多く見られます。スープや具材、店舗によっても差はあるものの、ラーメンの塩分量は醤油や味噌ラーメンでだいたい10g前後(スープ含)。インスタントラーメンでも5~6gあり、スープも飲み干すとたった1食で1日分以上の塩分量を摂取することになります。それでも患者にとっては減塩対策を講じてでも食べたい食品の筆頭に上がるようです。
また、日常的な減塩で薄味に慣れてしまい「味が濃いので極力外食はしない」など、生活スタイルに影響するほどの減塩対策を行っている患者も多く、外食にまつわる苦悩が窺える結果となりました。
昭和40年以降、日本の塩分摂取量は徐々に減少傾向にありますが、WHO(世界保健機構)の最新ガイドラインでは1日5g以下を推奨しており、日本の「男性8g、女性7g」という目標値も世界的に見れば高水準で、まだまだ減塩の努力が必要です。こうした中、腎臓病・透析患者だけでなく、一般的にも減塩に対する意識が高まる一方、外食産業では減塩料理を提供している飲食店はまだまだ少ない状況です。しかし患者とはいえ、外食は一切しない巣ごもり生活では気分は滅入り、外食をすべて排除した日常生活は人間関係を築く上でも困難と言えます。世界各国で減塩政策が進んでいる中、日本でも多くの減塩製品が開発され、家庭での減塩が比較的容易になった昨今、外食産業においても減塩メニューの開発や販売を国を挙げて推進し、減塩が当たり前となる社会を目指すことで、世界水準の塩分摂取量に向かうのではないでしょうか。
■じんラボでは只今アンケート調査実施中!■
[テーマ] 透析患者が抱える悩み
[実施期間] 2016年6月1日~8日
[URL] http://goo.gl/forms/HD85Hja492SprUGx2
※ 透析患者さんであればどなたでも回答可能です。 ぜひご協力をお願いします!
【関連するサイト】
▼株式会社ペイシェントフッドHP
▼腎臓病・透析患者が集まるポータルサイト『じんラボ』HP
http://www.jinlab.jp/document/guides.html
▼『じんラボ』公式facebookページ
https://www.facebook.com/Jinlab.jp
【株式会社ペイシェントフッドについて】
本社:〒157-0062 東京都世田谷区南烏山4-13-9 ヤマケイビル4F
代表者:代表取締役 宿野部武志
設立:2010年9月1日
Tel:03-6279-5669
Mail:info@patienthood.net
事業内容:医療施設・企業向けコンサルティング、患者・家族向けポータルサイトの運営、講演・執筆活動、各種イベント開催
添付画像・資料
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企業情報
企業名 | 株式会社ペイシェントフッド |
---|---|
代表者名 | 宿野部 武志 |
業種 | 医療・健康 |
コラム
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