株式会社サードウェーブ上席執行役員 マーケティング統括本部 統括本部長
松原昭博様
インタビュー
大手グローバルIT企業でのマーケティング、その後、製菓会社の海外展開を経て、サードウェーブに参画した上席執行役員 マーケティング統括本部 統括本部長の松原昭博氏。ものづくり改革とeスポーツの推進というミッションを遂行する上で松原氏が大切にしているのは「人と人との繋がりをつくること」。松原氏が考えるものづくりへの姿勢、そして組織作りについてお伺いしました。
IT業界が長かったとお聞きしましたが、入社のきっかけは?
新卒で入社した大手グローバルIT企業に長く勤めていましたが、現場で何か新しいことにチャレンジしたいと考え、その企業の早期退職プログラムを利用しました。その後、前職での長い海外経験を活かせると考え、タイに進出する製菓会社に転職。ミッション完了後、2018年7月にサードウェーブに入社しました。また、IT業界に戻って来たわけです。
私は今、ものづくりやマーケティングの考え方を社内に浸透させるべく、立ち回っています。お客さまを理解する、コンペティターを理解する、当社の強みを理解する。それらがすべて組み合わさってプロダクトコンセプトが生まれ、商品が生まれる。こういう考え方を社員に伝えていくところから始めています。皆に腹落ちさせるにはとても時間がかかるし努力も必要ですが、私はこれまで、ものづくりや、どうやってものを売るかを考えることにずっと関わってきたので、そういった部分で当社に貢献したいと思っています。
入社時に会社から課せられたミッションは?
当社のマーケティング全般を任せるということでしたが、製品に関するマーケティングとeスポーツという全く新しい領域に対するマーケティングに注力して欲しいというのが主なミッションでした。
今、本当に取り組まなければいけないことは、ものづくりに注力する組織づくり。メーカーとしてのマインドセットです。eスポーツは確実に盛り上がりつつありますが、徐々に実をなしていくその”果実”を、先陣を切った我々が最も多く手にしなければなりません。eスポーツ市場全体が盛り上がって、例えば市場が10%アップしたという時に、競合の会社も10%、当社も10%では失敗なのです。全体が10%なら当社は50%伸びなければ成功ではありません。そう考えると、やはりものづくりの部分はとても重要で、eスポーツの発展のためには、ものづくりにもっと注力しなければいけないと考えるようになってきました。
マーケティングから組織のマインドセットへ。大きく舵が変わっていったのですね。
以前は、最初の100日間で、ある程度の見極めをして自分の方向性を決める「ファーストハンドレッドデイズ」という考え方に基づき、仕事に取り組んでいました。最初の100日間というのは、ある意味観察モードなのですが、今の私の場合は、観察どころではなく、週ごとに自分の考えが変化しています。eスポーツという、今、急速に盛り上がっている市場に先陣を切って取り組んでいるということもあり、月日があっという間に過ぎていきます。
冒頭にお話したお煎餅の業界も、国内の少子高齢化や食習慣の変化という課題に直面し、海外進出を考えざるを得なかったのですが、前職の会社は、「見えないものはイメージできない、だから手を染めない」という、まさにコンサバなスタンスにより伸び悩んでいました。当社も同様に、見えないものはイメージできないので、なかなか踏み出せないという課題があります。自己改革をするのはとても大変です。ここは日々悩んでいます。
松原さんご自身がeスポーツに対して感じている魅力は何でしょうか。
日本で「ゲーム依存症」として問題視されているのは、ゲームが「コンピューター」と「人」とのコミュニケーションだからという点と、ソーシャルゲームなどの課金システムが、人によっては中毒性があるからだと思います。そういった世界とeスポーツとは全く異なります。
eスポーツのいいところは、どこまでいっても「人」と「人」だという点です。コンピューターとかゲームというのは単なるツールであって、最終的には人と人とのコミュニケーションだというところがeスポーツ最大の魅力です。そんなeスポーツを文化として広めていくことで、当社は、新しい人と人とのあり方、新しいコミュニケーション手法を、世に提供できると思っています。
(取材日:2018年10月19日)
株式会社サードウェーブ
東京都千代田区外神田2-14-10
第2電波ビル8F
尾崎 健介
・コンピューター及び周辺機器・ソフトウェアの販売
・コンピューターシステムの企画立案及びコンサルティング
・コンピューター導入に関わる業務及び利用のコンサルティング