プレスリリース配信サービス

詳細検索
株式会社ZUU 冨田 和成氏のトップ画像

株式会社ZUUのロゴ画像

営業と広報の違いは、対個人か対マスか

「金融×IT」でエグゼクティブ層の資産管理と資産アドバイザーのビジネスを支援する株式会社ZUU。野村証券を退職した後、同社を立ち上げた冨田和成氏に、求める広報担当者像や理想の組織について伺いました。

金融系eコマースが伸びない原因は
金融リテラシーの壁


Q「金融×IT」でエグゼクティブ層の資産管理と資産アドバイザーのビジネスを支援。具体的にはどのようなサービスになるのでしょうか。


top_interview_zuu_data_image4
今はネット証券やネット銀行が充実するなど、金融のサービスをダイレクトに買える時代です。それでも対面の市場へのニーズはまだまだ高い。僕も以前は野村証券で対面のプレーヤーでした。その時に感じていたのが、ネット証券やネット銀行の方が手数料が安いのに、多くの方が対面を利用するのは何故だろうということでした。

理由としては、eコマースは自分自身で情報収集して情報を比較し、情報の購買判断をして、かつ発注までを一貫してやらないといけない。なのでシンプルでわかりやすいもの、たとえば本を扱うAmazonや、電化製品を扱う価格.comなどはeコマースで成長できました。

一方で、金融のeコマースはどうかというと、金融リテラシーが壁になって、自分自身で情報収集から購買まで行うのが難しいのです。手数料が高くても、多くの人が対面を選ぶ理由はそこにありました。すると何が起こるかというと、対面する資産アドバイザーへの顧客側の依存関係です。どこで相談したら良いかもわからないから、たまたま来た良さそうな営業マンに任せている。そうすると圧倒的な売り手優位の状態になるわけです。

どの産業もそうですが、売り手優位な状態ではサービスの質はよくならないし、競争が起きなければ真の顧客志向は生まれないと考えています。ならば対面をインターネット化し、オープンかつフェアに資産アドバイザー同士が競争してサービスの質を高め、顧客側が信頼できる資産アドバイザーを選ぶという買い手優位な環境が作れないかと。リテール顧客(中小企業・個人の顧客)と資産アドバイザーをマッチングするようなサイトになろうとしているのが、現在の弊社の位置付けです。

 

QBtoBtoCのプラットフォームだと思いますが、BもCも囲うための施策は。


B向けには会員制サイトを運営し、ファイナンシャルプランナー、銀行員、証券、保険、不動産、信託、税理士など資産アドバイザーと呼ばれる方たちを集客しています。

C向けにはコンテンツ型の金融系オウンドメディアを10媒体運営しています。2013年4月に設立してから1年ほどで、PV数は数百万、UUは100万を達成しました。『DIAMOND Zai』や、『All About マネー』の二番手グループにつけているようなイメージです。

 

Qオウンドメディアが1年でそこまで大きくなった要因は。


top_interview_zuu_data_image1

競合が1日2、3コンテンツアップしている中、弊社では10媒体で毎日15から20コンテンツアップしています。社内に企画部と編集機能を持っているのですが、この中にライティングしている人間は一人もおらず、基本的にはクラウド上で集めています。自社サイトでの募集だったり、様々なクラウドソーシングで募集をかけているんです。採用させていただくのは、10人に1人くらいの割合。たとえば『週刊エコノミスト』で連載を持っている米国在住のジャーナリストの方など、金融に関するバックグラウンドを持っていて、なおかつライティングスキルのある方に限られます。

僕らが他のサービスを運営しながら、質の高いオウンドメディアを運営できるのはその仕組みを築けたからですね。金融不動産分野について専門性の高いコンテンツを量産できる日本一の会社ではないかと自負しています。

 

 

ロジカルシンキングよりストーリーテリング
相手によって刺さるストーリーは違う


Q現在、広報はどのように行っているのでしょう。


広報活動のひとつとして、毎月どこかで講演や研修をやらせてもらっています。年間で延べ3千から4千人の方にリーチできていて、そこから顧客やアドバイザーになってもらえることも多いです。

他に広報活動としては、税理士さん向けに本を出版しています。税理士向けの出版を行う会社さんからの依頼で、日本では資産税で一番有名な税理士法人FP総合研究所の山本和義先生と執筆した共著です。正直、そこまで原稿料は高くなかったですが、ブランディングの一貫ですね。税理士向けに本を出せるくらい専門性が高いなら、資産アドバイザー向けに提供しているコンテンツの価値も高いと思ってもらえるようになりました。

 

Q広報活動で重視していることは。


ストーリーを強く意識しています。企業の株主資本の増加をもたらす資金調達であるエクイティファイナンスを行う際に、潜在的投資家に対してエクイティファイナンス後の戦略、資金使途といった理由付けを行うことをエクイティストーリーと言いますよね。このストーリー次第で投資してもらえるかどうかが決まる。金融だけでなく、ひとつの会社を語る時に、ストーリーはものすごく重要です。ロジカルシンキングよりストーリーテリングメソッドの方が人には伝わるんじゃないかと一部では言われているくらいです。

優秀な人材を採用したいと思った時、大企業に比べて僕らは不利です。長年ブランディングされてきた三菱や野村には敵わない。創業間もない弊社に共感して仲間になってもらうためには、強いストーリーが必要です。

 

Qどうすれば魅力的なストーリーを語れるのでしょうか。


top_interview_zuu_data_image5
ひとつは過去、現在、未来でのストーリーが首尾一貫していることです。僕は今TwitterでBotのように「世界一になる」「南極の氷が溶けるほど世界を燃え上がらせたい」とつぶやいています。ソフトバンクの孫さんが創業当初から「数の単位を一兆(丁)二兆(丁)と数えるぞ。」と言っていたのが良い例ですが、たとえ最初は大ボラと言われても、一貫性をもって言い続け、100%努力して100%コミットして成果を出していけば信頼につながると思っています。

もうひとつ意識しているのが、伝えたい相手が誰かによって、語るストーリーの軸を変えることです。たとえば採用の時、金融業界に入りたい方に対しては「自分は金融業界でこのようにやってきて、その時の疑問をこう解決したいと思っている、あなたはどうですか?」と。起業家志望の方に対しては、弊社で働くことでどう起業家に近付いていくかを語る。相手によって何が刺さるかは違うので、ストーリーの見せ方は変えて伝えるようにしています。一本のベースとなるストーリーの上に複数のストーリーを走らせるといったイメージです。そうすることで、候補者の方々とより強い共感を生み出せることができます。

 

 

人間的信頼関係とビジネス的信頼関係
一方が欠けたらゼロになる


Q広報担当者に求めることは。


広報担当者に求める能力としては、抽象的ですが、人と信頼関係を築いていけるかですね。対メディアとの信頼関係って、細かに連絡を取り合ったり、一回会った時の密度を濃くしたり。文字でのコミュニケーションでは限界があるので、直でコミュニケーションを築いていける人を求めています。

信頼関係には、人間的信頼関係とビジネス的信頼関係の2つのスキルが必要です。前者は、この人はいい人だな、嘘はつかないだろうな、個人的にも仲良くなれそうだと、人間的に信頼できる人。後者はビジネスマンとして信頼できる、つまり専門知識が深い、ネットワークが広いなど、ビジネスマンとして優秀だという人。両者をバランス良く兼ね備えている人はなかなかいませんが、弊社では2つのスキルを持つ方を求めています。

 

Qどちらか一方のスキルでは難しいと。


top_interview_zuu_data_image2
この2つの信頼関係は足し算でなく、掛け算だと思っていて、片方が10でも、もう片方が0だと0になる。この人すごく優秀だけど、人として嫌なやつだと思われたら信頼されませんよね。ビジネス的信頼関係は、その方がいた業界でどのように信頼関係を築いてきたか、経歴を見ればだいたいわかります。人間的信頼関係は、面接時にパッと冗談を振ってみた時のリアクションや、際どい質問をされた時の表情を見ています。

広報経験があった方がいいとは思いますが、ベースのスキルセットがあればいい。弊社では広報を戦略的に行っていく新しい仕組みを作りたいと思っているので、求める人材のレベルは高いです。

 

Q求める方はどういった分野にいそうなのでしょうか。


BtoBで営業をやっていた方が面白いんじゃないかなと思っています。対個人での営業経験があると、お客様に対してサービスをどう見せたら一番良いかを、相手が持っているプロダクトやサービスから逆算して落とし込むことができます。PRは要はマスに対する営業なので、BtoB営業出身の方がストーリーを率先して伝えることで、メディアを始め様々なステークホルダーと深い関係を築けるようになるのではないかなと。

 

 

Work hard Play harder
社員全員が「世界一」のゴールを見ている


Q御社の特徴にある「鬼速PDCA」はすごそうですね。


普通の企業が一週間や一カ月で回しているPDCAを、3日で回すのが鬼速PDCAです。創業時から徹底して社員全員でやり続けています。

3日後に自分自身を見直す。プロジェクトはどこまで進んでいるか、どこが課題で、課題解決のためにはどうしたらいいかを3日ごとに考え直しています。またその際に、「なるほどシート」を使っています。一人一人が担当分野での気付きを言語化することで、担当領域や仕事へのスタンス、業務効率化におけるナレッジを蓄積しているシートです。

個人、チーム、組織のPDCAを鬼速で回しているので弊社の成長スピードは速いです。

 

Q最後に、冨田社長が思う理想の組織について教えてください。


top_interview_zuu_data_image3
Work hard Play harder。ハードに仕事をしているけれど、すごく楽しい組織が理想です。語弊があるかもしれませんが、強豪校の部活動のようなイメージです。練習はすごく真剣にやるし、試合で結果を出すために頑張るけれど、練習前と練習後は仲間とワイワイ楽しく。本気で試合をした後の夜の宴は、すごく盛り上がって楽しい。真剣にやるからこそ、結果を出した後の楽しさがある。そういう組織です。

弊社はお互いがフランクに話せる社風だと思っています。僕は一度も「部下」という言葉を使ったことがありませんし、若いメンバーも「上司」という言葉を使いません。僕は「メンバー」か「仲間」と呼ぶようにしています。フラットに、ほぼ全員と常にコミュニケーションをとっているし、これからも取り続けたい。今は社員全員が「100兆円」「世界一」という同じゴールを見ていますが、会社の規模が大きくなっても、全員がゴールを意識している組織であり続けたいですね。

 

(取材日:2014年11月26日/撮影:首藤 達広)

冨田 和成 氏

企業名
株式会社ZUU
部署・役職
代表取締役社長兼CEO
設立
2013-04-02
所在地
東京都渋谷区道玄坂2−23-14 道玄坂225ビル6F
URL
http://zuu.co.jp/
プロフィール
神奈川県出身。一橋大学在学中にIT分野で起業。2006年大学卒業後、野村證券株式会社に入社。本社の富裕層向けプライベートバンキング業務、ASEAN地域の経営戦略担当等に従事。2013年3月に野村證券を退職。同年4月に株式会社ZUUを設立し代表取締役に就任。

【最新】トップが求めるPR

プレスリリース詳細検索

キーワード

配信日(期間)

年  月  日 〜 年  月 

カテゴリ

業界(ジャンル)

地域

ページトップに戻る