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【調査分析】ストレスの改善は企業業績の向上につながるのか? ~「上場企業のストレスと企業業績」に関する調査結果を公開~

企業向けに『はたらくをよくする®』支援事業を展開するピースマインド株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:荻原英人、以下「ピースマインド」)は、九州大学 馬奈木俊介教授と協働し、ピースマインドが企業向けに提供するストレスチェック 「職場とココロのいきいき調査®」(以下「ストレスチェック」)のデータをもとに、はたらく人のストレスと企業業績との関連性を分析しました。

企業向けに『はたらくをよくする®』支援事業を展開するピースマインド株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:荻原英人、以下「ピースマインド」)は、九州大学 馬奈木俊介教授と協働し、ピースマインドが企業向けに提供するストレスチェック 「職場とココロのいきいき調査®」(以下「ストレスチェック」)のデータをもとに、はたらく人のストレスと企業業績との関連性を分析しました。

健康経営と企業業績の関係性

ここ10年ほどの間に、「健康経営(*1) 」という言葉は、経営が取り組む重要なテーマとして広く知られるところとなりました。「健康経営」がクローズアップされる背景には、少子高齢化に伴う社会保障費の増大というマクロ環境の変化、企業のリスクマネジメント意識の高まりなどがありますが、もう一つの大きな視点が、社員の健康増進が企業業績の向上に繋がる、という考え方です。つまり、社員の健康増進は人的資本に関する投資であり、この投資を積極的・戦略的に行うことで企業価値や業績の向上に繋げようとするものです。

 

健康経営の取り組みが企業業績の向上につながるのか、という点については、既に様々な先行研究が示されています。例を挙げると、米国・日本においても、優良健康経営企業として認められた上場企業に投資をしたと仮定した場合、中期的には上場企業平均をアウトパフォームすることが示されています。(*2)

 

健康経営の推進において、メンタルヘルス対策は極めて重要なテーマの一つです。そこで、今回はピースマインドのストレスチェックデータを活用して、上場企業のストレスと企業業績の関係を試算しました。

ストレス状態の改善は、数億円規模の利益につながる可能性も

2017年度~2019年度のストレスチェックデータ(上場企業25社、社員数合計約10万人)をもとに、ROA(総資産利益率)及びTobin's q(将来の収益力期待を示す一つの指標)との関連性を分析しました。(*3)

 

分析の結果、ストレス度と両指標の間には正の関係が見られ、ストレス度1ポイントの上昇は、ROAを0.4%、企業価値を0.1%押し上げると推定されることが分かりました。(*4)

一方で、ピースマインドのストレスチェックデータを元に、ストレス度の上位・下位10%の企業データを抽出してその平均の差を見ると、約7.5ポイントの開きがあります。(図1)

【図1】企業別のストレス度分布  

 

これらをもとに、2020年度の上場企業の総資産平均に当てはめて金額換算し、ストレス度が下位10%にある企業のストレス度が仮に上位10%まで改善した場合を試算したところ、約3億円の純利益、73.7億円の企業価値の増加が算出されました。

 

なお、昨年度にピースマインドのEAPの導入とストレス度の改善について分析した結果(*5)では、EAP導入2年後のストレス度に約1.1ポイントの改善が予測されることが分かっています(図2)。こちらを上記の試算にあてはめると、EAPの導入によって約4300万円の純利益、約10.8億円の企業価値向上につながるということになります。

【図2】 ストレス度でみる EAP の導入効果  

メンタルヘルスと企業業績の向上の因果関係とは

社員のストレスの改善と企業業績の向上の間には、複雑な要因が相互に影響しあっていることは明らかで、その全貌を明らかにするのは簡単ではありませんが、上記の分析から、メンタルヘルスの向上が企業業績と正の関係にあることが示唆されました。他の健康経営に関する取り組みと同様、その重要性が裏付けられたとも言えます。

 

健康経営施策が企業業績に如何にして影響を及ぼすのか、については、前述の経済産業省 「健康経営の推進について」において、以下のように整理されています。

 

①個人の心身の健康状態の改善による生産性の向上

②組織の活性化によるエンゲージメントの向上や離職率の低下

③企業のイメージアップ・ブランド価値の向上やリクルート効果、顧客満足度の向上等による企業価値の向上

 

今回の試算から、メンタルヘルスの問題は企業のリスクマネジメントという観点に留まらず、業績向上にプラスの影響を与える可能性が高いことが示唆されました。今後もピースマインドでは、メンタルヘルスがどのように個人・組織のパフォーマンスに影響を及ぼしていくのか、またメンタルヘルスに影響を与える要因についても、継続して研究を進めていく予定です。

 

*1 健康経営は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

*2 データヘルス・健康経営を推進するためのコラボヘルスガイドライン,厚生労働省 ,2017

https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000412467.pdf

健康経営の推進について,経済産業省,2020

https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/180710kenkoukeiei-gaiyou.pdf

*3 株式市場で評価された企業の価値を資本の再取得価格で割った値のこと。

(企業の株価総額+債務総額)/資本の再取得価格 で計算される。

*4 ストレスとの関係を分析するため、企業業績に関連する複数の財務的要因(企業規模、資本集約度、過去の業績、負債比率、研究開発強度、産業、年度)の影響を取り除く推定を行いました。

*5 【調査結果】従業員支援プログラムの継続導入がストレス軽減に寄与 ~コロナ禍で益々重要な社員のメンタルヘルス対策~

https://www.peacemind.co.jp/newsrelease/archives/282

 

【参考情報】

●ピースマインドの EAP 従業員支援プログラム

https://www.peacemind.co.jp/service/eap

●ピースマインドのストレスチェック 「職場とココロのいきいき調査®」

https://www.peacemind.co.jp/service/stresscheck

●【調査結果】はたらく人が抱えるストレスに伴う経済的損失は、男性で生涯平均約 6000 万円に

https://www.peacemind.co.jp/newsrelease/archives/261

 

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【ピースマインド株式会社について】

1998年創業、日本・アジア地域におけるEAPサービスのパイオニア企業。アジア地域で、国際水準の品質認証「産業医科大学メンタルヘルスサービス機関機能認定」を取得している唯一の民間企業(医療機関を除く)です。

「はたらくをよくするエコシステムを創り、いきいきとした人と職場を増やす」を企業ビジョンとし、健全で、心豊かな、明るい未来社会に貢献し続けることを目指しています。

公認心理師・臨床心理士・精神保健福祉士・産業カウンセラー・保健師・看護師等の有資格社員および国内外の幅広いネットワーク体制で約1,000社のサポートをし、グローバル大手企業を中心に外資系企業の支援実績国内トップシェアを誇っています。

 

名称 : ピースマインド株式会社

本社所在地 : 〒104-0061 東京都中央区銀座3-10-6 マルイト銀座第3ビル8F

代表者 : 代表取締役 荻原英人

創業 : 1998年9月(設立2004年3月)

資本金 : 9,025万円

事業内容 : EAP(従業員支援プログラム)サービス、ストレスチェックの実施、組織分析、職場改善支援、研修・コーチング、健康経営支援

HP : https://www.peacemind.co.jp/

 

【取材等のお問い合わせ先】

ピースマインド株式会社 事業推進室

電話:03-3541-8660

メール:press@peacemind.co.jp

担当:末木(すえき)

お問合せ:https://www.peacemind.co.jp/contact/form



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企業情報

企業名 ピースマインド株式会社
代表者名 荻原 英人
業種 ビジネス・人事サービス

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