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人気フリーライターがたどりついた次の働き方

個人Twitterのフォロワー数16,000越え。「greenz.jp」や「THE BRIDGE」、「マチノコト」など複数のメディアで編集、企画、取材、執筆し、2015年11月に株式会社インクワイアを立ち上げたモリジュンヤさんにお話を伺いました。

作文と国語が大嫌いでした


Qモリさんにお会いしたらお聞きしたいと思っていたのですが、なぜお名前をカタカナで表記されているのですか?


特に深い意味はありません(笑)。「ジュンヤ」の「ジュン」は「惇」と書くのですが、メールでも間違えられやすくて。そのたびに間違いを指摘するのも申し訳ないので、間違えられないようにした方がいいな、と思ったことがきっかけです。Twitterを本名で始めるタイミングで、漢字3文字だとバランスも悪いし、カタカナにしようと思いました。あとは、サイト上で見たときに漢字3文字よりも、カタカナで表記されているほうが記憶されやすそうだ、と思ったこともカタカナにした理由ですね。


Q現在多くの媒体で執筆されているモリさんですが、子どもの頃から書くことに興味があったのですか?


よく聞かれるんですが、実は書くことは全然好きではなくて、作文と国語が大嫌いでしたね。じゃあ読書をしていたのかというとそうでもなくて、ゲームばかりやっているようなが大好きな子どもでした。あまりにもゲームに没頭するものだから、親からゲーム禁止条例をが出されちゃったりしたこともありましたました。




ソーシャルメディアは個人をエンパワメントさせるものだと思った


Q作文嫌いだったモリさんですが、いつ頃から執筆業に就こうと思われたのでしょう?


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大学時代、学部が経済学部だったこともあって、考えていた就職先は銀行員でした。とても漠然としたものでしたけど。でも、いざ就職活動をしてみると、志望動機をそれぞれの会社に合わせにいく感じに違和感を覚えて、一度就活をストップしました。自分の中に仕事を選ぶ際の核みたいなものがないのが違和感だったんでしょうね。就職活動中の、大学3年生の夏にリーマンショックが起きて、考え方が変わったというのもあります。会社に入ればずっと安泰というわけではない、と痛感して、自分は会社に身を委ねる人生ではなく、自分で選んでいける人生がいいなと。それから、自由度の高い働き方について考えるようになりました。


Q自由度の高い働き方の中でも、書くことを選ばれたのは?


将来についての考え方のもう一つの転機に、スマートフォンとソーシャルメディアがあります。僕が就活していた2008年前後は、ちょうどAppleからiPhone 3Gが発売されたころ。そして、2009年1月にはオバマ大統領が初めて大統領に就任しました。選挙の際、FacebookやTwitterといったソーシャルメディアを活用していたことが話題となり、ソーシャルメディアに関心を持つようになっていました。スマートフォンとソーシャルメディアが登場したことで、個人が情報を発信しやすくなってきた頃。こうしたテクノロジーは、個人をエンパワメントしてくれるものだなと思い、情報を発信する仕事に興味を持つようになりました。


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当時、ウェブメディアはRSSや検索からの流入がメインで、現在ほど盛り上がってはいませんでした。ですが、ソーシャルメディアの盛り上がりと合わせて考えると、今後成長していく可能性があると感じました。これは個人の情報発信も同様で、ソーシャルメディアの使い方がわかっているだけではなく、ソーシャルメディアを使って発信するコンテンツも作ることができるようになれば、情報発信の幅が広がるのではと考えたんです。じゃあどんなコンテンツなら作れるだろうかと考えたときに、テキストだったら普段から書いているので、写真や映像よりも取り組みやすいのではないかと考えました。

情報を伝える手段としては広告も面白いなと思ったのですが、たとえば僕自身が興味を持てないものに対して広告を作ってくれと言われても、できないだろうなと思ったんです。自分の欲求は「表現がしたい」というものではなくて、「自分の関心あるテーマについて発信したい」というものなんだろうなと。


Qモリさんの追いかけたいものというのは、具体的には?


当時、再生可能エネルギー系の啓蒙活動をやっているNPOに関わっていたりもしたので、関心度合いが高かったのは、「ソーシャルクリエイティブ」と呼ばれる領域です。環境問題や社会課題について人々の関心を獲得していくために、アイデアやデザインを用いて関心を持ってもらう取り組みをそう呼んでいる人たちがいて、共感しました。これなら関心を持って発信できそうだと思いました。




普段から知見を積み重ねていく


Qフリーランスとして安定するまでにどのくらいかかりましたか?


2010年から約1年「greenz.jp」編集部に携わって、その後フリーランスになりました。その後は、色々な経験をさせてもらって、安定するようになったのは2013年くらいからだと思います。


Qモリさんは知名度もあるひっぱりだこのフリーランスライターであり編集者ですが、フリーランスで安定した仕事を得て個人の知名度もあげるのに、意識した方が良いことって何でしょうか?


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まず、ウェブメディアでライターをしていると、書いた記事がそのまま自分のポートフォリオになります。記事を書く時には、媒体のことを理解し、読者に対して、どんな情報をどう提供すべきなのかを意識するようにしています。僕自身は、専門性を持たせることが重要だと考えているので、関心のある領域を中心に、普段から知見を積み重ねるようにしています。


Q日々の情報収集はどのように?


プレスリリース配信サイトからのメールや、海外メディアのメールマガジン、カメリオでキーワード登録したりしています。あとはイベントに足を運んだり、友人から面白いネタがあれば教えてもらったりして情報を集めています。




フリーランスの次の働き方へ


Q今後モリさんが目指していくこと、5年後にはどうなっていたいか教えてください。


漠然と決めていることは、東京にいる頻度を減らしたいなと思っています。多拠点居住とかしてみたいなーとか。個人の書き手としては、より専門性を高め、人々の認知を獲得して、文章力を高めていくことが目標です。あとは、今年、会社を作る予定です。法人名は「インクワイア」で、「尋ねる」とか「探求する」という意味を込めています。


Q法人化しようと思ったきっかけは?


まず、個人で広げられる活動の幅に限界を感じたことがあります。今でも個人では回らなくなってきて、仕事の一部を外部でパートナー的に関わってくれている人に振ったり、仕事を手伝ってくれている人にライティングをお願いしています。個人であれこれやるのではなくて、チームとして活動できるようにしていくことで、これまで関わってきたプロジェクトに対してさらにコミットしつつ、新しい活動にも手を広げていけるようにしたいと考えています。たとえば、ライティングの仕事については、自分しか書けないことは自分が書きますが、それ以外は法人で受けるなど、個人格と法人格を使い分けていくことも考えています。


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あとは、今の状態のまま10年後も働くのは難しいなと考えたことも理由のひとつです。僕は今28歳なんですけど、取材して、原稿を書いて、編集をして、とずっと動き続けていないといけない働き方になっているので、仕組みを作っていく必要があるなと考えるようになったんです。

自分と似たような課題を抱えている人はいるはずで、自分が今までやっていたことを体系化しつつ、複数人でサポートし合える仕組みを作っていきたいと考えています。こうした法人化にあたっての考えには、「THE BRIDGE」での経験も生きています。「THE BRIDGE」では基本的に全員がフリーランスで関わっていて、日本だけではなく世界のあちこちにメンバーがいながら働いていたりするので。

フリーランスの次の働き方として、自分たちで自分たちが働きやすい環境を作っていかなければいけないと思っています。インクワイアは、自由度の高い働き方をするための実験みたいな感じですね。

 

(取材日:2015年5月12日/撮影:菅井 淳子)

モリ ジュンヤ氏

媒体名
株式会社インクワイア
部署・役職
founder
プロフィール
1987年生まれ。岐阜県美濃加茂市出身。横浜国立大学卒業。「greenz.jp」編集部を経て独立。テックメディア「THE BRIDGE」の立ち上げから編集として参加、都市と地域のまちの課題と取り組みを紹介するウェブマガジン「マチノコト」、社会的マイノリティやインクルージョンをテーマにしたリサーチメディア『soar』を運営するなど複数のメディアやプロジェクトに携わりながら、編集、企画、取材、執筆を行う。共著にアイデアインク『ソーシャルデザイン 社会をつくるグッドアイデア集』、『日本をソーシャルデザインする』。2015年11月、株式会社インクワイアを設立。

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