日本僑報社の最新刊『「大平学校」と戦後日中教育文化交流』が読売新聞印刷版とネット版に取り上げられた
6月27日付けの読売新聞オンライン版に、日本僑報社の人気書籍『「大平学校」と戦後日中教育文化交流』(孫暁英著)が取り上げられた。
日本僑報社の最新刊『「大平学校」と戦後日中教育文化交流』が読売新聞印刷版とネット版に取り上げられた
6月27日付けの読売新聞オンライン版に、日本僑報社の人気書籍『「大平学校」と戦後日中教育文化交流』(孫暁英著)が取り上げられた。
記事全文は下記の通りである。
日中平和友好条約の締結を受け、中国への政府開発援助で始まった「大平学校」(在中国日本語研修センター)についての研究書。
大平正芳元首相が主導して北京に開かれ、1980年からの5年間で91人の日本人講師が派遣され、のべ600人の中国人日本語教師を養成した大平学校。約50人の関係者へのインタビューなどを通じ、語学教育のみならず、人的交流・文化交流・友好促進を兼ね備えた「学び合う共同体」を構築したと結論づけた。80年代の良好な日中関係と、学校が果たした双方への貢献は、忘れてはならないだろう。
著者はまた、中国が世界に展開する教育機関「孔子学院」についても言及。各国の警戒や懸念を払拭ふっしょくするためには、著者の記す通り、大平学校の事例を参考にすべきだろう。(日本僑報社、3600円)(佑)
参考記事、最新刊『「大平学校」と戦後日中教育文化交流』が日本僑報社から刊行された
【日本僑報社発】日本僑報社は、戦後の日中教育文化交流の発展に寄与した「大平学校」の全貌を、多くの関係者へのインタビューを通して明らかにした『「大平学校」と戦後日中教育文化交流―日本語教師のライフストーリーを手がかりに』(孫暁英著)を刊行することを決定した。
通称「大平学校」(1980~85年)とは、日中国交正常化に取り組みその功労者として知られる故大平正芳元首相が、日本語教師教育の拠点として設立に提唱した「在中華人民共和国日本語研修センター」(現・北京日本学研究センターの前身)のことである。日本のODA(政府開発援助)プロジェクトとして、5年間で91人の日本人講師が同校に派遣され、延べ600人の中国人日本語教師を育成したとされている。
著者の孫暁英氏は、中国山西省生まれ。早稲田大学で博士学位(教育学)を取得し、日本語教育、言語教育政策を専門として、現在日本で研究活動を続けている。
本書は孫氏が、大平学校で学んだ中国人研修生や北京に赴任した日本人講師ら関係者計49名にインタビューし、同校が日中教育文化交流および日中関係にもたらした意味について教育学的観点から明らかにした。大平学校について体系的に研究した初めての書。
公益財団法人大平正芳記念財団による、2015年度の第29回「環太平洋学術研究助成費」を受賞した研究論文をもとにしている。
本書の刊行にあたり、中国日本語教育研究会名誉会長で元北京日本学研究センター長の徐一平氏と、早稲田大学教育学部の新保敦子教授より、温かな推薦の言葉が寄せられた。以下にご紹介したい。
◆中国日本語教育研究会名誉会長、元北京日本学研究センター長 徐一平氏
日中教育文化交流における成功モデル「大平学校」研究の第一人者。
綿密な調査と詳細なインタビューに基づく歴史的な再現。
浮き彫りにされた日中双方の教師陣と研修生たちの感動的な物語。
そこに見出された「大平学校」の意義と影響は今後の日中交流のために深い示唆を。
◆早稲田大学教育学部教授 新保敦子氏(一部抜粋)
大平学校は多数の日中教育文化交流のアクターを育て、現在に至るまで約35年以上にわたり日中教育文化交流事業を支えてきた教育機関である。日中国交回復以後の日中教育文化交流事業を語る上で、不可欠の存在と言えよう。
孫暁英さんは第一次資料を発掘・収集した上でその全貌を明らかにし、大平学校での人的な教育交流や異文化間の教育実践が日中関係にもたらした意味について、教育学的な観点から解明し、博士論文として研究をまとめた。大平学校に関しては、従来、体系的な研究がなされておらず、本書の出版の意義は極めて大きなものがある。(中略)
日中平和友好条約締結40周年を迎えたものの、現在、日中関係は様々な軋轢を抱えている。その故にこそ日中間の教育交流の歴史を顧みることで、新しい日中関係を如何に構築すべきか再検討の必要性がある。その意味で本書の出版を喜ぶとともに、一人でも多くの研究者、院生、学生に是非とも一読をお勧めしたい。
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