【新刊案内】書籍『震災後の地域文化と被災者の民俗誌』。東日本大震災被災地の民俗調査に長年かかわり、地域社会の「再生への力」を見つめる研究者の論集を出版します。

本書は、東日本大震災被災地の民俗調査等にかかわる16名の民俗学者、人類学者、宗教学者らが、災害からの時間の経過のなかで地域社会がどのような変化を遂げてきたのかを見つめ、祭礼や民俗芸能をはじめとした生活文化が持つ「再生への力」の可能性を論じたものです。 震災・原発事故にまつわる書物は数多く出版されてきましたが、祭礼や民俗芸能をはじめとする「生活文化」に焦点をあて、慰霊・追悼のあり方にも論及し、継続した調査をもとに幅広い視点から考察を重ねた本書の視座は、研究者はもとより多くの一般読者の心に静かに深く届くものと確信しております。

出版事業を手掛ける、株式会社 新泉社(所在地:香東京都文京区、代表:石垣雅設)は、高倉浩樹氏、山口 睦氏の編著『震災後の地域文化と被災者の民俗誌』を2018年1月に刊行します。

本書は1月26日(金)より、全国の書店およびネット書店で発売します。

 

 

震災後の地域文化と被災者の民俗誌

フィールド災害人文学の構築

編著者 高倉浩樹・山口 睦

発行 新泉社

ジャンル 人文科学、文化人類学・民俗学

四六版・並製・288ページ

価格 2500円+税

ISBN978-4-7877-1801-3

初版発行年月日 2018年1月31日

 

http://www.shinsensha.com/detail_html/01zinbun/1801-2.html

 

【内容紹介】

祭礼や民俗芸能の復興、慰霊と記念碑・行事、被災者支援と地域社会……、

暮らしの文化そのものが持つ再生への力を探究する。

被災後の人びとと地域社会はどのような変化を遂げてきたのか。

民俗学・人類学・宗教学の立場で地域社会の姿を見つめ、災害からの再生と減災に果たす生活文化の役割を考える。

 

【目次】

序論 フィールド災害人文学の構築にむけて…………高倉浩樹・山口 睦

Ⅰ 無形民俗文化財の被災と復興事業

第一章 文化財化する地域文化——大規模災害後の民俗文化財をめぐる対応から…………小谷竜介

第二章 生きた文化財を継承する——無形文化遺産と被災・復興…………今石みぎわ

第三章 無形文化遺産の防災という考え方——東日本大震災の教訓と無形文化遺産アーカイブスの試みから…………久保田裕道

第四章 復興のなかの発見と創造——震災復興関連事業に関わった一民俗学者の随想…………俵木 悟

Ⅱ 被災地からみた民俗芸能の復興・継承

第五章 祭りの「復興」過程——宮城県山元町の八重垣神社の事例から…………稲澤 努

第六章 被災地からみる民俗芸能の未来——「子ども神楽」の誕生とその活動から考える…………呉屋淳子

第七章 民俗芸能の中期的復興過程における継承活動の諸相と原動力——福島県浜通り地方の三つの田植踊を事例として…………一柳智子

第八章 福島県の民俗芸能と減災無形文化遺産——災害復興政策になぜ無形文化財が必要なのか…………高倉浩樹

Ⅲ 災害死者の慰霊・追悼と記憶の継承

第九章 災害死者の供養と伝承…………川島秀一

第十章 災害後の持続可能なコミュニティの構築に果たす記念碑の役割——東日本大震災と津波を事例に…………セバスチャン・ペンマレン・ボレー

第十一章 インドネシアと日本の津波記念行事にみられる「救いの約束」…………福田 雄

第十二章 被災地の祭り・祈りを支援する学生ボランティアと宗教学者…………黒崎浩行

Ⅳ 被災者・家族の暮らしの再建と地域社会

第十三章 被災地にみる手仕事ビジネスと新たな社会関係——宮城県を事例として…………山口 睦

第十四章 大惨事と自主的判断——福島原発災害後の「母子避難」の意味を問う…………堀川直子

第十五章 沖縄県における避難者受け入れ過程…………及川 高

第十六章 災害時における外国人被害者に対する通訳の役割と問題点——二〇一一年クライストチャーチ震災に学ぶ…………スーザン・ブーテレイ

編者あとがき…………山口 睦

 

【著者紹介】

【編者】

高倉浩樹(たかくらひろき)

一九六八年生まれ。

東北大学東北アジア研究センター教授。専門は社会人類学、シベリア民族誌。

著書に、『極北の牧畜民サハ——進化とミクロ適応をめぐるシベリア民族誌』(昭和堂、二〇一二年)、『極寒のシベリアに生きる——トナカイと氷と先住民』(編著、新泉社、二〇一二年)など。

震災関連の業績に、『聞き書き 震災体験——東北大学 90人が語る3.11』(東北大学震災体験プロジェクト編、高倉浩樹・木村敏明監修、新泉社、二〇一二年)、『東日本大震災に伴う被災した民俗文化財調査 二〇一一年度報告集』(高倉浩樹・滝澤克彦・政岡伸洋編、東北大学東北アジア研究センター、二〇一二年)、『東日本大震災に伴う被災した民俗文化財調査 二〇一二年度報告集』(高倉浩樹・滝澤克彦編、同前、二〇一三年)、『無形民俗文化財が被災するということ——東日本大震災と宮城県沿岸部地域社会の民俗誌』(高倉浩樹・滝澤克彦編、新泉社、二〇一四年)など。

 

山口 睦(やまぐちむつみ)

一九七六年生まれ。

山口大学人文学部准教授。専門は文化人類学、日本研究。

主要業績に、『贈答の近代——人類学からみた贈与交換と日本社会』(東北大学出版会、二〇一二年)、「ミリタリー・ツーリズム——零戦の展示から学ぶもの」(高山陽子編『多文化時代の観光学——フィールドワークからのアプローチ』ミネルヴァ書房、二〇一七年)、「災害支援と贈与——二〇世紀前半の婦人会活動を事例として」(岸上伸啓編『贈与論再考——人間はなぜ他者に与えるのか』臨川書店、二〇一六年)、「県境を越えたもの、越えなかったもの——宮城県丸森町筆甫地区における放射線対策」(『東北文化研究室紀要』五七、二〇一六年)。

 

【執筆者】

小谷竜介(こだにりゅうすけ)

東北歴史博物館学芸員

 

今石みぎわ(いまいしみぎわ)

東京文化財研究所無形文化遺産部主任研究員

 

久保田裕道(くぼたひろみち)

東京文化財研究所無形文化遺産部無形民俗文化財研究室長

 

俵木 悟(ひょうきさとる)

成城大学文芸学部准教授

 

稲澤 努(いなざわつとむ)

尚絅学院大学表現文化学科准教授

 

呉屋淳子(ごやじゅんこ)

沖縄県立芸術大学音楽学部准教授

 

一柳智子(いちやなぎともこ)

郡山女子大学短期大学部教授

 

川島秀一(かわしましゅういち)

東北大学災害科学国際研究所教授

 

セバスチャン・ペンマレン・ボレー(Sebastien Penmellen Boret)

東北大学災害科学国際研究所助教

 

福田 雄(ふくだゆう)

日本学術振興会特別研究員(PD)

 

黒崎浩行(くろさきひろゆき)

國學院大學神道文化学部教授

 

堀川直子(ほりかわなおこ)

福島大学うつくしまふくしま未来支援センター特任研究員

 

及川 高(おいかわたかし)

沖縄国際大学総合文化学部講師

 

スーザン・ブーテレイ(Susan Bouterey)

カンタベリー大学文化言語学部准教授

 

 

【株式会社 新泉社について】

本社:〒113-0033東京都文京区本郷2-5-12

代表者:石垣雅設

Tel 03-3815-1662

Fax 03-3815-1422

URL:http://www.shinsensha.com/

事業内容:出版業



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企業情報

企業名 株式会社 新泉社
代表者名 石垣雅設
業種 新聞・出版・放送

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