名城大学、香川大学、松谷化学、日本糖尿病学会年次学術集会において　希少糖「プシコース」のラットでの血糖値上昇抑制および内臓脂肪蓄積抑制に関する研究の結果を発表

松谷化学工業株式会社
ニュースリリース
　　　　　　　　　　　　　　　
2014年5月12日
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名城大学、香川大学、松谷化学工業、「第57回日本糖尿病学会年次学術集会」において

希少糖「プシコース」のラットでの血糖値上昇抑制および内臓脂肪蓄積抑制に関する共同研究の結果を発表

-「プシコース」による肝グルコキナーゼの核外移行促進作用がもたらす一連のメカニズムの解明-
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でん粉加工と機能性食品素材の総合メーカー 松谷化学工業株式会社（本社：兵庫県伊丹市 代表取締役社長：松谷晴世　以下、松谷）は、このたび名城大学薬学部(愛知県名古屋市)豊田行康准教授、香川大学医学部（香川県木田郡三木町）徳田雅明教授と当社研究所の希少糖（レアシュガー）研究チームの共同研究で、希少糖の一種「プシコース」の肝グルコキナーゼ*の核外移行促進により血糖値上昇抑制作用があることを、ラットを用いた研究において確認しました。

また、上記共同研究チームにより「プシコース」の長期摂取が肝グルコキナーゼの核外移行を促進し、グリコーゲン量を増加させ、内臓脂肪蓄積抑制が起こることを確認しました。

これら研究発表は、「第57回日本糖尿病学会年次学術集会」（会場：大阪国際会議場ほか　会期：2014年5月22日（木)～24日（土））のポスターセッション（日程：5月23日　演題：希少糖プシコース及びフルクトースの肝グルコキナーゼ核外移行促進による違いとそれが及ぼす血糖上昇抑制効果）と口演セッション（日程：5月24日　演題：希少糖D-プシコース長期投与による持続的な肝グルコキナーゼの核外移行促進及び内臓脂肪蓄積抑制）により、それぞれ行われます。

なお、この度の研究結果について、名城大学の豊田行康准教授は、「プシコースは内臓脂肪の蓄積や体重増加を起こすことなく、肝臓のグルコキナーゼの核から細胞質への移行を促進してグリコーゲン量を増やし、血糖上昇抑制作用を示すことが判明しました。プシコースは世界の人々の健康の保持増進に寄与できる「夢の糖」となることを期待しています」と述べ、さらなる研究に尽力するとしています。
*肝グルコキナーゼ（glucokinase: GK）：肝臓内で糖の代謝を高める酵素

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【学会名】
「第5７回日本糖尿病学会年次学術集会」（http://www2.convention.co.jp/jds57/information.html）
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【研究発表概要1】
発表形式：ポスターセッション
セッション名：ポスター「糖代謝I」
発表日時：5月23日（金）　18:00 ～ 18:30　
会場：ポスター会場6 （堂島リバーフォーラム 1F）
演題番号：II－P－631

【演題名】
「希少糖プシコース及びフルクトースの肝グルコキナーゼ核外移行促進による違いとそれが及ぼす血糖上昇抑制効果」

【研究目的】
プシコースは存在量の少ない単糖（希少糖）の１つである。プシコースと同じケトースであるフルクトース（果糖）およびプシコースによる肝グルコキナーゼの核外移行促進による血糖上昇抑制作用について比較検討。

【研究方法】
Goto-Kakizaki雄性ラット（8週齡）に2g/kg グルコース（ぶどう糖）、0.2 g/kg プシコースあるいは0.2 g/kg フルクトース添加2g /kg グルコースを単回経口投与し、経時的に門脈及び尾静脈血中のプシコース及びフルクトース濃度、血糖値、肝グルコキナーゼの核外移行量を調べました。
* Goto-Kakizakiラットは、耐糖能異常を指標にしてWistar系ラットから見出された糖尿病モデル動物です。ヒトの非肥満/II型糖尿病のモデルになると考えられ、その病因、病態の解明、治療法の研究、開発に使用されます。

【結果】
プシコース濃度は投与後60 - 90分に頂値となり、その後徐々に低下。フルクトース濃度は投与後30分に頂値となり、その後急激に低下しました。肝グルコキナーゼの核外移行は、それぞれの糖濃度の推移と一致してプシコースの方がフルクトースより持続しました。プシコースの血糖上昇抑制作用はフルクトースより有意に強いことがわかりました。

【結論】
プシコースはフルクトースと比べて持続的な肝グルコキナーゼの核から細胞質への移行を引き起こし、肝糖利用を高めて血糖上昇抑制作用を示しました。従ってプシコースは耐糖能異常者や2型糖尿病患者に有用な単糖と考えられます。

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【研究発表概要2】
発表形式：口演
セッション名：口演「糖代謝I」
発表日時：5月24日（土）　8:30 ～ 9:30　
会場：第21会場 （ホテルNCB 3F 月）
演題番号：III－21－6

【演題名】
「希少糖D-プシコース長期投与による持続的な肝グルコキナーゼの核外移行促進及び内臓脂肪蓄積抑制」

【研究目的】
希少糖D-プシコース（以下、プシコース）は肝臓でグルコキナーゼの核外移行を促進してグリコーゲン量を増加させることから、プシコース長期投与における肝グルコキナーゼの核外移行及び糖脂質代謝の変化についての検討。

【研究方法】
Wistar系雄性ラット（6週齡）に3.75%のプシコース溶液または対照群として水を10週間自由飲水下で摂取させ、AIN-93G*を飼料とした。摂取期間終了後、インスリン感受性試験及び糖負荷試験を行い、尾静脈血糖値及びインスリン濃度、肝グルコキナーゼの核外移行、肝グリコーゲン量を調べました。
* AIN-93Gは、マウス/ラットを用いた栄養研究のための標準精製飼料

【結果】
プシコース長期摂取により耐糖能及びインスリン感受性の増強及び内臓脂肪量の減少が認められました。絶食15時間後の肝グルコキナーゼの核外移行及びグリコーゲン量は対照群より有意多く、糖負荷後30分に関しても有意に多いことがわかりました。

【結論】
プシコース長期投与により持続的なグルコキナーゼの核外移行及びグリコーゲン量の増加が起こり、それらと共に内臓脂肪の蓄積抑制が起こることが示されました。従って、プシコースの摂取は糖尿病及び肥満症の予防に有用と考えられます。

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「希少糖」（レアシュガー　Rare Sugar）について：
「希少糖」とは、自然界に微量にしか無い、希少な単糖およびその誘導体の総称として、国際希少糖学会（会長：香川大学　何森 健（イズモリ ケン）特任教授 ）によって定義され、また各種希少糖を大量生産する道すじが何森教授によって示されました。量は非常に少ないのですが、種類は多く、自然界に50種以上存在しています。キシリトールも希少糖の一種です。
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松谷化学工業株式会社（HP:http://www.matsutani.co.jp）について：
松谷化学工業株式会社（本社：兵庫県伊丹市北伊丹5丁目3番地　代表取締役社長：松谷晴世）は、でん粉加工と機能性食品素材の総合メーカーとして、加工でん粉や難消化性デキストリンをはじめとする食物繊維等の製造・販売、希少糖および関連製品の研究開発・製造、販売を行っています。当社は、でん粉加工のパイオニアとして、新しい機能を有するでん粉やその分解物など食品製造に不可欠な機能性の高い素材を多岐にわたり研究開発を行っており、お客様のニーズにお応えする「手軽で」「美味しい」「体に良い」加工食品を創造するための機能と、「安全」「安心」「安定」した品質を持つ食品素材「食用でん粉」「加工でん粉」「でん粉分解物」を提供いたします。