MiddleField株式会社HRチーム 黒田ゆい様
インタビュー
「クルマを最高のエンターテイメントに」というビジョンを掲げ、日本最大級の自動車アフターパーツECサイト「モタガレ」を展開しているMiddleField。2018年9月に海外からの購入希望者への対応を開始したことで、今後益々の事業拡大が期待されています。急速な事業拡大とともに社員も急増していく中、重要になってくるのは、全社員に会社が目指す「バリュー」を浸透させること。そのバリューを浸透させるために同社のブランディングと文化づくり、制度づくりを担当しているHRチームの黒田ゆいさんにお話を伺いました。
入社されたきっかけは?
MiddleFieldには2017年の12月に入社しました。前職では総務や広報、イベント企画の仕事をしていたのですが、ある時、新卒採用に関わる機会があり、学生さんとのコミュニケーションの中で人事の仕事にとても魅力を感じ、人事の仕事がしたい!と思いました。ただ残念ながら、前職では専門的に人事の仕事ができる環境ではなかったので、転職を決意しました。 MiddleFieldで1番最初に面接してくれたのは現在のCOOの片岡だったのですが、会社についてとても楽しそうに話をしている片岡に接し、まだ片岡ひとりにしか会っていないのに「絶対ここは面白い会社だ、こういう会社で人事をやりたい!」と思ったんです。ビビッときましたね。現在社員は21名ですが、入社当時は創業から2年経った頃で、まだ5名しかおりませんでした。でも私としては人事の仕事ができるということがとても嬉しかったので、人数や規模感というのは全く気にしていませんでした。
HRチームのミッションを教えていただけますか?
HRチームの役割は、人事総務全般です。その中で現在は、会社のブランディングと文化づくり、制度づくりに力を入れています。「一緒に働きたいと思ってもらえる会社づくり」を目指してMiddleFieldの魅力を社内外に伝えていく。文化や制度を社内にも作り、伝えていく。これから会社が大きくなってきたときに、入社してきたひとにきちんとそれが伝わるようにしていくのがミッションです。
文化づくりというのはどのようなことをやっているのでしょうか。
MiddleFieldには、3つのバリューがあります。行動してから考える、理不尽なことほど、積極的に挑戦しようという意味を持つ「ガンガンいこうぜ」、仕事、遊び、恋愛、様々な体験、経験をして最高の未来をデザインしようという意味を持つ「いろいろやろうぜ」、関わりあうすべての人たちと、本質を本音で語り合えるチームであろうという意味を持つ「オープンにいこうぜ」。
この3つのバリューをきちんと浸透させて、全社員が体現できるような仕組みをつくろうとしています。3つのバリューは社内のあちこちに掲示してあるほか、リーダー陣が1日10回以上バリューの話をするというルールもあり、社内に浸透させています。
また、月に一度全体集会をやって、そこで前月バリューに沿って行動できたかを個人で振り返り、グループごとにシェアしあう会をやっています。「バリュー賞」という表彰制度もありまして、これはリーダー陣のミーティングで誰がガンガンいけたか、いろいろやれたかなどを判断して評価し、毎月の全体集会の後に表彰します。
その全体集会を運用していく中で苦労したことはありましたか?
始めて3か月くらいは試行錯誤の連続でした。こちら側の意図がなかなか伝わらずふわっとした会になってしまっていたのですけれど、まわりに相談して、振り返り用の専用のシートにきちんと目的を書いたり、記入例を入れてみたり、色々工夫をすることで、最近はうまく運用できるように、盛り上がるようになってきました。
私自身、HRのスキルアップのために外部の勉強会に行って情報収集もしているのですが、イベントで知り合った他社のHR担当の方に文化づくりについて聞いたりもしています。それまでは社内で困っていることが多かったのですが、外に出て情報収集することの重要性も今は感じています。
制度づくりについてはいかがですか?
今年の6月から、全社員がバリューに沿って最大限に仕事できる制度としてOKRをスタートしました。また、ガンガンいけたひとをきちんと評価できる制度や、360度みんながオープンに意見を言える制度をつくろうとしています。他にもシャッフルランチや書籍購入などの制度がありますが、制度づくりは文化と同じくらい浸透に時間がかかると思っています。しかも創業2年未満のベンチャー企業がこの両方に取り掛かるなんて意外ですね、とよく言われます。だいたいは売上を立てることがメインだと思われてますから。
創業間もない企業だからこそ、深い文化や制度が作れると思います。
企業として大事にしたいものを社員が空気のように当たり前にしていく文化づくり、そしてその実践のために社員に活用される制度づくりを目指しています。どんなに良い制度も使われなければ意味がないですので、内容だけでなく目的・意図を都度しっかり伝えること。そして何度も何度も伝えること。9月から始めた社内報で評価理由を載せたのですが、まだ伝わりきれていないところがあると感じているので、今後更にどのように周知していくかは課題です。また、企業の成長に併せて制度も増やしていきたいと思います。
社内報はどのような形式でやっているのでしょうか。
社内報はWEB上でやっています。コンテンツは、社長のコメント、バリュー賞の発表、誕生日の社員の紹介、そして最後に私の編集後記があります。
今後は、社内報にも文化や新しくつくった制度についても入れていこうと思っています。やはり口だけではなかなか根底まで伝わりません。「ガンガンいこうぜ」なんだけど、もっと深い行動って何なのだろうというところまでは腹に落ちているひとと落ちていないひとがいます。そこが落ちれば行動に結びつけることができると思います。
黒田さんから見て、会社の魅力、組織の魅力は?
ビジョンである「クルマを最高のエンターテイメントに」に向かって全社員が進んでいるという点が魅力的だと思います。経営陣、リーダー、メンバー、アルバイトみんな距離が近くフラットな組織なので、言いたいことを言い合い、「それ、面白いね、やってみなよ」と新しい動きを後押しする会話があります。 まだアイディアベースなのですが、個人的には、MiddleFieldのメンバーは車が本当に大好きで、個性的な人が多いので、そういうひとたちが講師になって勉強会やセミナーなどができたら面白いのではないかと思っています。まずは社内向けにやって、面白いことは社外向けでもやりたいですね。社内大学のようなものができればとひそかに考えています。
9月末から海外での販売も開始しました。今後、目指していきたいことは?
日本のクルマ、日本のアフターパーツは世界中でとても人気がありますので、世界中のクルマ大好きなひとたちが「モタガレ」を通じて商品を購入していただくのはとても嬉しいです。また、業界的には、基本的にリアル店舗ありきのサービス提供が現状なので、ネットで欲しいパーツを購入し、取付店の予約まで完結させる流通革命を起こしていきたいと考えています。クルマが大好きなひとたちにとっての「モタガレ」が、クルマのことをすべて解決してくれる存在となることを目指しています。
「その次の段階では、それまで貯めた知見を活かしMiddleFieldオリジナルのクルマをつくり、自社独自のモータースポーツを行いたいと思っています。それがMiddleFieldの「クルマを最高のエンターテイメントに」というビジョンに繋がると思っています。
私は、HRチームとして、そこで組織が大きくなっても制度や文化が形骸化されない環境を作っていきたいです。」
(取材日:2018年10月3日)
MiddleField株式会社
東京都世田谷区駒沢 2-16-18
ロックダムコート 4F
中山 翔太
カーパーツ専門の通販サイト「モタガレ」の運営