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日本初の合成繊維ビニロンの復活に栃木・足利の会社がチャレンジします ~過去12年で生産量1/10。環境に優しく、円安で再び国内生産・活用の可能性~

梱包資材製造の有限会社日光商事(栃木県足利市)は、ビニロン袋復活プロジェクトの第一弾としてビニロンの情報WEBページを3月より公開しました。ビニロンは1939年に作られた日本初の合成繊維です。ビニロンをシート状に加工したビニール袋は、昭和期には衣類の包装袋として広く使用されていましたが、近年は安価な他のビニール素材の袋に置き換わっています。ビニロンは焼却時の環境負荷が低く、円安による繊維産業の国内回帰とデフレ脱却での機能性重視の流れも、ビニロン復活への追い風になると考えております。


 

【背景】

当社が所在している両毛地域(栃木県南西部と群馬県南東部に跨る一帯)は、古くから繊維産業が盛んでした。そして、衣類やカーテン等の繊維製品の包装にはビニロン袋が広く使用されていました。(バブル期のデパートでYシャツを入れていたボタンがついて艶のある透明なビニール袋がビニロン袋です。)

その後の円高による国内繊維産業の空洞化とデフレ経済下での低価格指向により、現在では包装用のビニロン袋は一部を除きほとんど使用されなくなってしまいました。包装用のビニロンシートの生産量は2011年比で2023年はおよそ9割減となっております。(メーカー資料を元に当社算定)

しかし、昨年来の円安とデフレ脱却の中で、国内での縫製が増え、高品質な天然繊維の国産製品が訴求される状況下で、それらの包装にビニロン袋活用の可能性が高まってきました。しかしながら、アパレルメーカーの担当者の世代交代が進んだこともあり、ビニロン袋を知らない人がほとんどです。


 

【ビニロンとは】

ビニロンは1939年にナイロンに続き世界で2番目に作られた合成繊維であり、日本初の合成繊維です。1950年にクラレ(当時の倉敷レイヨン)が​工業生産を開始しました。

合成繊維中、唯一親水性で吸湿性があり、化学変化や熱に強く、強度、弾性率、対候性、耐薬品性に優れています。製造時にフロンや有機溶剤を使わず、焼却時にダイオキシンや硫黄酸化物(SOx)を発生させないことも特徴です。

国産原料と技術で製造できるため、戦後の日本復興のためにクラレが社運を掛けて事業化を成し遂げ、現在も液晶ディスプレイの偏光フィルムやアスベストの代替品として広く世界で使用されています。

繊維製品の包装用の袋としては、結露やカビ、静電気が発生し難く、ガスによる内容物の黄変もなく油分にも強いため、天然素材それもウールやカシミヤなどの獣毛の包装には最適なものとなります。


 

【取り組みと意義】

日本初の素材の袋が、時代の変化で再び価値を取り戻せる機会が巡ってきました。しかし、繊維産業の空洞化が進む中、袋の素材の良し悪しの知識は引き継がれることもなく、埋もれてしまうかもしれません。当社は創業71年の歴史の内、50年以上をビニロン袋と共に歩んできました。ビニロン袋の復活のため、今後、全国に眠る古いビニロン袋製造機械の再活用、各地のベテラン作業者からのノウハウの継承等を実施する予定です。まずは今回の情報発信にてビニロン袋の良さを広く知ってもらい、両毛地区および国内の繊維産業を盛り上げたいと考えております。



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企業情報

企業名 有限会社日光商事
代表者名 川村 孝士
業種 その他製造業

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