日本薬学会 第136年会で研究発表 「霊芝菌糸体培養培地抽出物(MAK)のマウスメラノーマ細胞に対する抗腫瘍効果」

野田食菌工業株式会社(本社:千葉県野田市、代表取締役 飯塚 博)は、2016年3月26日から3月29日に横浜で開催された「日本薬学会 第136年会」において「霊芝菌糸体培養培地抽出物(MAK)のマウスメラノーマ細胞に対する抗腫瘍効果」について研究発表いたしました。

 野田食菌工業株式会社(本社:千葉県野田市、代表取締役 飯塚 博)は、2016年3月26日から3月29日に横浜で開催された「日本薬学会 第136年会」において「霊芝菌糸体培養培地抽出物(MAK)のマウスメラノーマ細胞に対する抗腫瘍効果」について研究発表いたしました。

 霊芝菌糸体培養培地抽出物(MAK)は、「血糖上昇抑制作用」「血圧上昇抑制作用」「脳保護作用」「抗酸化作用」「肝保護作用」「抗ウィルス作用」「免疫調整作用」「抗腫瘍作用」「放射線防御作用」といった研究データがこれまでに発表されてきました。今回、霊芝菌糸体培養培地抽出物(MAK)の経口摂取がマウスに接種したB16メラノーマに対して増殖抑制効果を示すか検討したところ、腫瘍体積ならびに腫瘍重量において抑制が認められましたことを研究発表いたしました。

 

【研究発表概要】

◎表題 霊芝菌糸体培養培地抽出物(MAK)のマウスメラノーマ細胞に対する抗腫瘍効果

◎発表者 福原 千尋(城西大学薬学部医療栄養学科)、神内 伸也(城西大学薬学部医療栄養学科)、岩田 直洋(城西大学薬学部医療栄養学科)、岡崎 真理(城西大学薬学部薬学科)、飯塚 博(野田食菌工業㈱)、日比野 康英(城西大学薬学部医療栄養学科)

◎発表日 2016年3月29日(火) ポスター発表

 

霊芝菌糸体培養培地抽出物(MAK)

MAKとは、中国で古来より「上薬」(神薬・仙薬)として珍重されている霊芝(マンネンタケ)の菌糸体培養培地抽出物であり、シイタケ菌糸体培養培地抽出物の製法に基づき、製造されています。

MAKはサトウキビから砂糖成分を採取した後の「バガス」と「米ぬか」の培地に霊芝(マンネンタケ菌)を接種し、独自の酵素により生育していく中で得られる代謝産物と霊芝の菌糸体を自己の酵素により分解して得られる成分全てを自然の力で作り出された物質です。

 

◆日本薬学会について◆

日本薬学会は、「くすり」に関係する研究者や技術者が、学術上の情報交換を行い、学術文化の発展を目的とする学術団体です。新しい医薬品の開発・製造、安全性の確認、臨床への供給など薬を使ってさまざまな病気を克服するという目的のもと、2万人に及ぶ情報源として機能しています。日本薬学会は、さらに新しい未来を創造しながら、生命現象の解明と医薬品の適正使用をめざして、会員とともに人類の健康と福祉のため、着実な発展を続けています。

 

<会社概要>

社名     野田食菌工業株式会社

本社所在地  〒278-0051 千葉県野田市七光台295

代表取締役  飯塚 博

資本金    99,920,000円

設立     1969年8月22日

電話     04-7127-3811(代)

FAX     04-7129-3174

WEBサイト  http://www.nodashokukin.co.jp/

 

霊芝菌糸体培養培地抽出物(MAK)のマウスメラノーマ細胞に対する抗腫瘍効果

【背景と目的】

癌は、異常な細胞が制御なく分裂する疾患であり、その免疫には主に細胞性免疫が関与し、T細胞、マクロファージ、natural killer細胞の活性化によるものと考えられていた。しかし、近年、腫瘍微小環境下で起こる免疫抑制を緩和することでも抗腫瘍効果を得られることが明らかになってきた。

抗腫瘍効果を持つ食品としてキノコ類がよく知られている。中でも、霊芝はβ-グルカンやトリテルペンなどの多糖類を多く含み、免疫増強作用や抗酸化作用が強い生薬として子実体が使われている。霊芝菌糸体培養培地抽出物 (MAK) は、霊芝の菌糸体および培地を用いた健康食品であり、免疫活性化、細胞の保護、抗癌作用、ウイルス増殖抑制、アレルギー抑制など様々な効果がある。しかし、免疫抑制の緩和に対する効果については明らかになっていない。本研究では、AKの黒色腫メラノーマに対する抗腫瘍効果の検討およびメカニズム解析を行うことを目的とした。

 

【方法】

1.実験材料

MAKは、霊芝菌糸体をバガス(砂糖キビ搾汁残渣)と脱脂した米糠を含む混合固形培地に接種し、約3.5ヶ月間培養後、子実体発生直前に培地ごと粉砕し、熱水抽出・噴霧乾燥した粉末標品であり、野田食菌工業(株)から提供されたものを用いた。

2.胆癌マウスの作成

雌性のC57BL/6Jマウスの右足底球に、B16BL6メラノーマ細胞 (7.5 x 105 cells) を接種した。接種の24時間後より、MAK群には1%または2% MAK含有飼料を自由摂取させて飼育した。飼育期間中は、摂食量および腫瘍体積を測定した。腫瘍体積の計測は、イソフルラン麻酔下でマイクロノギスにて腫瘍の長径および短径を計測し、腫瘍体積 (mm3) =長径 x 短径2 /2の計算式から腫瘍体積を算出した。播種後21日目に血漿、脾臓、リンパ節および腫瘍組織を採取した。

3.免疫関連遺伝子の発現解析

担癌マウスより採取した脾臓および腫瘍からtotal RNAを抽出し、脾臓においてはIFN-γmRNA量、腫瘍においてはFoxp3およびTGF-β mRNA量をReal-time RT-PCR法により解析した。

4.膵臓細胞のペプチド刺激での腫瘍特異的T細胞の活性化による免疫関連遺伝子の発現解析

採取した脾臓を24 wellプレートで初代培養し、interleukin-2およびチロシナーゼ関連タンパク質 (H2Kb-binding) ペプチドまたはオボアルブミン (OVA) ペプチドで72時間刺激した。刺激後、細胞を回収し、 IFN-γ およびTGF-βmRNA量をReal-time RT-PCR法により解析した。

 

【結果および考察】

本研究では、まずMAKの経口摂取がマウスに接種したB16メラノーマに対して増殖抑制効果を示すか検討したところ、腫瘍体積ならびに腫瘍重量において抑制が認められ、MAKは抗腫瘍効果を示すと考えられた。

MAKによる抗腫瘍効果が、免疫の活性化によるものかについて検討するために、脾臓組織中のIFN-γ mRNA発現量を測定した。結果、MAK群において発現の増加傾向が認められた。 IFN-γ は、Th1細胞より産生されkiller T細胞の細胞障害性を誘導することから、MAKは細胞性免疫を活性化することが示唆された。

次に、MAKの免疫活性化がB16メラノーマに起因したものなのかを明らかにするために、脾臓細胞をペプチド刺激し、それにより産生されるIFN-γ およびTGF-β mRNA発現を解析した。その結果、MAK群ではTRP-2の添加により、IFN-γ mRNA発現量が約4倍に増加した。 IFN-γ の発現の増加は、抗原提示細胞を活性化させTh1細胞を誘導したことによるものと考えられ、MAKはB16メラノーマに対する特異的な腫瘍免疫を増強することが明らかとなった。

さらに、腫瘍組織中のTreg細胞由来遺伝子の発現量を検討した。近年、免疫の活性化は、免疫抑制の不活性化によるものがあることが明らかになってきている。免疫抑制にはTreg細胞の関与が明らかとなっていることから、Treg細胞由来遺伝子のFoxp3およびTGF-β のmRNA発現を検討した。その結果、両mRNAの発現は、MAK群において有意に低下し、腫瘍組織中のTreg細胞数量が減少していることが示唆された。したがって、MAKは腫瘍免疫に対する抑制を緩和する機能を合わせ持つものと考えられた。以上の結果から、B16メラノーマに対するMAKの効果は、B16メラノーマ特異的な細胞性免疫の活性化および腫瘍微小環境下におけるTreg細胞の作用を減弱させ、免疫抑制の緩和による腫瘍増殖の抑制効果によるものであると考えられた。



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企業情報

企業名 野田食菌工業株式会社
代表者名 飯塚 博
業種 食品関連

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