米国最新肥満対策ビジネス戦線-一般食品・飲料品業界における砂糖の大幅削減

肥満対策のためあらゆる製品において低糖製品市場が拡大。2004年(9月まで)に発売となった新製品のうち低糖をうたったものは1,761アイテムにものぼり、1999年以降の約3倍に。

データモニター日本支社(所在地:東京、支社長:前田静吾)は12月22日、米国内で加熱する肥満対策ビジネスに関する分析結果を発表しました。

米国内で加熱する肥満対策ビジネス戦線における最初の犠牲者は砂糖になるのでしょうか。新製品データベース「Productscan Online」によると、2004年(9月まで)に発売となった新製品のうち低糖をうたったものは1,761アイテムにものぼります。これは、1999年以降の米国市場における低糖をうたった新製品総数の約3倍に当たる数字です。
現在約6,400万人と予測される米国の肥満人口は、2012年までに1.7億人にも達すると見られており、肥満対策は急務です。メーカー各社では肥満対策と称して、パンやマヨネーズ、アイスクリーム、フルーツジュース、紅茶などのあらゆる製品から糖分を減らし始め、あっという間に肥満の原因は全て砂糖に押し付けられた格好となりました。ステッキ型キャンディも例外ではありません。最近では、売れ筋の子供向けシリアルも低糖をうたった製品を発売し始めました。この動向はフルーツジュースや飲料にとって大きなチャンスと考えられており、実際、飲料メーカーでは厳しい現状の挽回をかけて低糖製品の可能性に取り組んでいます。「シュガーフリー製品はこれまでスーパーの糖尿病向け食品売り場にしか並んでいなかったが、以前と状況が異なるのは、食品や飲料のシュガーフリー/低糖製品の市場が拡大している点である」と「Productscan Online」の編集責任者Tom Vierhileは述べています。
2004年9月30日時点で発売された新製品のうち低糖および無糖をうたった製品の割合は約9.2%と、2001年の4.3%から約2倍になっています。


子供向けシリアルが市場を牽引
今年5月、Kellogg社は子供向けシリアル「Frosted Flakes」と「Fruits Loops」ブランドにて従来品より糖分を1/3カットした新製品を発売しました。どちらも人口甘味料は使用していません。

これに対応し、General Mills社は7月に自社製品のうち「Cocoa Puffs」「Cinnamon Toast Crunch」「Trix」の糖分を従来品より75%カットした製品を発売しました。同社が劇的な糖分カットに成功したのは、爆発的にヒットした砂糖ベースの人工甘味料「Splenda」の利用によるものです。
低糖トレンドの波はインスタント・オートミールにまで及び、Quaker社では「Maple & Brown Sugar」という、低糖製品にはあまりふさわしくない品名にて新製品を発売しました。この製品では従来品より50%も糖分を抑えることに成功したと知ったら、甘党諸氏はさぞかし喜ぶでしょう。
Reily Foods社から発売の製品「Blue Plate Zero Carbs Real Mayonnaise」などは低糖トレンドを示す良い例です。Bimbo Bakeries社からは「Mrs. Bairdのシュガーフリー100%全粒粉パン」が発売され、パン市場も同トレンドの例外ではないことがわかります。
ステッキ型キャンディでは、Sherwood Brands社の新製品でシュガーフリーの「Asher Sweet'n Low Candy Canes」がキャンディ業界におけるシュガーフリー製品における先駆者となりました。


最大のチャンス: 低糖フルーツジュースと低糖飲料
フルーツジュースおよび飲料メーカーは、低糖製品には厳しい現状を挽回する可能性があると考えています。Pepsi社では売上回復を狙ってTropicanaブランドの低温殺菌飲料より糖分とカロリーが従来品の50%であるフルーツパンチ味とレモネード味を発売しました。
低糖製品のターゲット消費者はソフトドリンクと重複していますが、フルーツジュースおよび飲料メーカーはこれらの製品群を「ダイエット」飲料と呼ぶことは不本意な様子で、それには立派な理由があります。Coca-Cola社によると、フルーツジュースのうち低カロリー製品が占める売上はわずか8%、一方、ソフトドリンクでは低カロリー製品は売上の25%しか占めていません。成長する見込みがあると言えるのでしょうか。
人口の高齢化もまた、低糖トレンドを後押しする理由のひとつです。ワイン業界では、ワインに精通した消費者は甘い白ワインよりもドライな(甘みの少ない)赤ワインを好むようです。ソフトドリング業界でも同様の傾向が当てはまる可能性があり、甘みの少ないドライな味の開発が回復の起爆剤となるかもしれません。
この動きは、比較的新しい「GuS Grown-Up Soda(100%ジュース使用の微糖飲料)」や「Fizzy Lizzy All Natural Sparkling Juice(砂糖もコーンシロップも使用していない飲料)」などの”大人の”ソフトドリンク・ブランドが市場で成功するために有利に働く可能性があります。
「新製品開発者は、市場トレンドの方向性にかかわらず当面は多忙となるので、覚悟すべきだ」とVierhileは締めくくっています。


本内容の詳細は、データモニター社の「Productscan Online(コンシューマーグッズ新製品データベース)」および調査報告書「Commercial and Pipeline Perspectives: Obesity – Super‐Sized Epidemic(DMHC1987、2004年7月発行)」(英文)に基づいております。担当アナリストへの質問、報告内容に関しての質問、本報告書に関してのお問い合わせについては下記までご連絡ください。



【データモニター社について】

データモニター社は1989年に創設されたグローバル規模でサービス提供している市場調査会社で、世界の一流企業5,000社にIT、自動車産業、消費者市場、エネルギー、金融サービス、ヘルスケアなどの各市場における最新の情報を提供しています。同社は、経営者層に対する単独インタビューなどのプライマリーリサーチに重点を置き、データモニターでしか入手できないデータや情報を提供しています。データモニター社のアナリストは担当業界での実務経験を持ったデータモニター専属アナリストで、大半はオックスフォード大学やケンブリッジ大学出身者で構成されています。


会社名:データモニター・ピーエルーシー http://www.datamonitor.com 
取締役社長:マイケル・ダンソン
本社所在地:英国ロンドン市フィンチリーロード108-110チャールズハウス

従業員数 :550人
資本金 :704万英国ポンド
事業内容 :市場調査 (ロンドン株式市場上場)
(テクノロジー・金融サービス・ヘルスケア・エネルギー・自動車・コンシューマー)

<本件に関するお問合せ先>
データモニター日本支社 担当: 田中 薫
〒103-0023 東京都中央区日本橋本町3-3-6 ワカ末ビル7階
Tel : 03-6202-7681 Fax : 03-4496-4316 e-mail : jpmarketing@datamonitor.com

企業情報

企業名 データモニター日本支社
代表者名 前田 静吾
業種 未選択

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