コンタクトセンター・アワード2017、決定!最優秀部門賞、優秀部門賞、審査員特別賞、個人賞を表彰
企業の顧客接点であるコールセンター/コンタクトセンターにおける業務改善の取り組みを申請し、申請企業間で評価・投票するオープン形式の表彰制度で、今年で14回目を迎えました。オペレーション/ピープル/ストラテジー/ソリューション/ヘルプデスク&アウトソースの各部門で最優秀部門賞が決定、個人賞である「リーダー・オブ・ザ・イヤー」などと合わせて表彰式が行われました。
コンタクトセンター・アワード2017、決定!
最優秀部門賞、優秀部門賞、審査員特別賞、個人賞を表彰
最優秀部門賞はTMJ、バッファロー、SBI証券、三井住友カード、ヤフーの5社
「コンタクトセンター・アワード2017」(主催:株式会社リックテレコム「月刊コールセンタージャパン」、共催:イー・パートナーズ有限会社、プラチナスポンサー:株式会社セールスフォース・ドットコム、ゴールドスポンサー:バーチャレクス・コンサルティング株式会社、ニュアンス・コミュニケーションズ・ジャパン株式会社、日本コンセントリクス株式会社、株式会社TMJ、ジェネシス・ジャパン株式会社、シルバースポンサー:富士通コミュニケーションサービス株式会社、GNオーディオジャパン株式会社、サポーター:日本電気株式会社)の最終審査会が開催され、最優秀部門賞および優秀部門賞、審査員特別賞が決定、表彰しました。
本アワードは、企業で運営されているコールセンター(コンタクトセンター)における業務改善の取り組みを申請し、参加者同士が相互に評価しあうオープン形式の表彰制度です。
申請部門は、「ピープル」「オペレーション」「ストラテジー」「テクノロジー」「ヘルプデスク/アウトソーシング」の5部門で、今年度は23社・25申請の申し込みがありました。参加企業のみで行われた一次発表会、参加企業による投票、審査員審査を経て優秀部門賞9社9申請が決定。9月、東京都のコクヨホール(品川)で最終審査会が開催され、最優秀部門賞5社5申請が決定しました。また、個人賞である「リーダー・オブ・ザ・イヤー」の発表と表彰も同日、行われました。最優秀部門賞5社は次の通りです。
ヘルプデスク/アウトソーシング最優秀部門賞
TMJ
「経験学習の観点で取り組む人材育成 ~継続的な管理者育成プログラム「PLATOS」の挑戦~」
テクノロジー最優秀部門賞
バッファロー
「今までの概念を超えたサポートでお客様の自己解決向上!~スマホで見るマニュアル&サポートサイト改善~」
オペレーション最優秀部門賞
SBI証券
「お客様の性質が判れば対応が変わる!~“DiSC”を活用したタイプ別対応術~」
ストラテジー最優秀部門賞
三井住友カード
「ビジネス価値を創造する戦略部門への改革~感動を影響に繋ぐコンタクトセンター~」
ピープル最優秀部門賞
ヤフー
「10%ルールと1on1ミーティングで一人ひとりの情熱と才能を解き放つ組織づくり」
部門賞は、4社が受賞しました。
テクノロジー部門賞:三井住友銀行
「コールセンターにおける「人とAIの融合」~AIの育て方と活用について~」
オペレーション部門賞:オリックス生命保険
「初心者でも安心!対話型スクリプトシステム誕生!」
ストラテジー部門賞:カゴメ&ベルシステム24
「カゴメ通販事業部の「弱み」を「強み」で解決。「テレマーケティング」を活用した「One to One顧客リレーションシップ」の確立」
ピープル部門賞:ベネッセコーポレーション&TMJ
「モチベーション・スパイラルアップ施策」
また、審査員特別賞には次の3社が選ばれました。
大正富山医薬品
「みんなのアイデアと工夫で評価向上を実現! ~全国7拠点の対応バラつき解決策とは~」
日本コンセントリクス
「Digital Diagnostic Tool ~新ツールの開発で、コンタクト内容の見える化と効率化を実現~」
ベネッセコーポレーション&TMJ
「退会コンサルティングによる継続率UP!」
●最優秀部門賞の受賞理由
TMJ:コールセンター運営企業にとって、スーパーバイザーをはじめとした管理者の育成は大命題のひとつ。とくにアウトソーサーにとっては、ビジネス拡大の生命線といっても過言ではありません。同社は、「現場が求める管理者」の育成のため、“経験学習”を採り入れた教育プログラムを策定。スキル定義に基づいた評価、目標設定、育成計画、研修(座学)、OJTを繰り返すことで定着を図りました。まさに「コールセンターのプロフェッショナル」に相応しい取り組みが高く評価されました。
バッファロー:スマートフォンの急速な普及によって、企業サイトに設置されているQ&Aコンテンツのあり方が変わりつつあります。同社は、サイトの利用状況を分析・把握したうえでスマートフォン向けのコンテンツ強化に着手。それをコールセンター部門が主導し、マニュアル作成部門等との連携で使い勝手を向上。自己解決率を高め、迅速に解決したいという顧客の要望に応えるとともに、コールセンターへの入電数削減も実現しました。分析は無料のWebツールを活用するなど、徹底したローコスト・オペレーションも高評価を得た理由となりました。
SBI証券:拡大するセンターにおいて、「リーダー育成」は大きな共通課題です。同社は、行動パターンの分析手法である「DiSC®」を活用し顧客のタイプを分析・分類。それぞれに応じた対応法を共有するために録音音声を活かした「マイボイス研修」「お客様の声を聴こう会」を展開。苦手克服を図りました。また、センター内の人員配置にもDiSC®を活用し、とくに新人の早期離職防止に取り組みました。ひとつの方法をさまざまな観点で応用する柔軟性が高く評価されました。
三井住友カード:大規模コンタクトセンターにおいては、どうしても生産性に偏重したマネジメントになりがちです。また、企業視点と顧客視点のギャップに悩むケースも散見されます。同社は、「カスタマー・エクスペリエンス」の大号令のもと、センター改革に着手。それまでの応答率重視のマネジメントかららサービスレベル基準に切り替えると同時に、KPIとしてネット・プロモーター・スコア(NPS)を採用。「顧客を心でエンゲージする」ことを目指しています。すでにNPSの数値改善、カード利用額の向上といった成果が表れ始めており、貴重なロイヤルティ向上事例として評価されました。
ヤフー:同社のインターネット広告事業の顧客窓口では、極めて専門性の高い対応とスキルが求められています。一人前になるまでに1年を要していた同センターは常に業務が繁忙で、教育に時間を割くことが難しかったのですが、「業務時間の10%を全体の改善活動に充てる」という10%ルールと、対面で月に2回以上、面談する1on1ミーティングを制度化。さまざまな業務改善が動きだし、個人のスキル向上と組織力向上を実現しました。教育に悩むセンターにとってはお手本となる事例といえます。
<総評>コンタクトセンター・アワード2017を振り返って
審査員 事務局代表 谷口 修
コンタクトセンター・アワードは、様々な取り組みによってどのような成果をあげることができたか、を参加各社から発表し、素晴らしいと参加企業が評価した他社の発表に対して投票するという参加者主体の運営を行っているコンタクトセンターの表彰制度です。
今年で14年目を迎え、今年度の25申請を含め累計354件の応募資料の大多数がアーカイブされ、参加企業はそれを見ることで気付きやひらめきを得ることができる学習の仕組みでもあります。
業界の違い、規模の差や運営経験の長さにもよって取り組むべき施策や期待効果が異なることは過去の事例が実証しており、アワードの歴史はコンタクトセンター業界の傾向を如実に反映しています。
今年はとりわけ「カスタマー・エクスペリエンス」の強化・向上を目的とした取り組みを発表される企業が多くみられました。顧客の感じる疑問や不満を解消させるための応対品質強化の取り組み手法としてのオペレータ同士のモニタリング・コーチングや、性格診断による苦手意識の克服など多岐にわたりました。
顧客接点の環境改善でも動画FAQを提供したり、webのユーザーインターフェース改善をコンタクトセンター主導で行うことも一般化してきたように感じます。
カスタマー・エクスペリエンスを高めるためには、コンタクトセンターで働くスタッフのエンゲージメントを高める必要があることも認識として一般化してきました。研修制度の拡充や、マネジメントとスタッフあるいはスタッフ間のコミュニケーションのあり方を科学することも一般化し、モチベーションを高く維持する取り組みがマネジメントの日常業務の大きな部分を占めています。
その上で働く楽しさを演出するゲーミフィケーション施策が取り入れられていることも発表から知ることができました。
顧客応対のビジネスモデルを変革するイノベーションは、AIの活用がその筆頭ですが、オペレータ支援の分野に始まり、徐々に対象領域を広げていく気配が伺えます。
人は人の得意な領域で「サービスの質」の向上につとめ、機械と人とが融合したコンタクトセンターの将来の姿が徐々に見え始めてきた年でした。
採用難・人材育成の重要性はコンタクトセンター業界の慢性的課題です。
この課題に対する解決策を模索すると同時に、ますます重要性を帯びる顧客ロイヤルティの向上に向けて各社のチャレンジは続きます。運営に対する各社の熱い想いをひしひしと感じます。
その情熱をより多くのコンタクトセンターのマネジメントに伝搬させることに努め、さらに広範囲にセンターへの気付きやひらめきを提供し続けられるよう運営して参ります。
<選考過程について>
本アワードは、コンタクトセンター現場運営者の意識高揚と相互研鑽の場を提供することを目的に、Webによる公募・レポートの相互評価など、国内初のオープンな表彰制度を目指し、2004年から開催されています。今回は、製造業、金融、販売・サービス業、IT・ISP企業など23社(25申請)が参加しました。参加企業が申請内容を発表する申請発表会を経て、参加企業による投票によって得票数上位8社の部門賞受賞企業を選出。最終審査会ではその受賞企業が改めて申請内容のプレゼンテーションを行い、審査員による審査によって各部門における最優秀部門賞を決定しました。
なお、審査員は次の通りです(敬称略)。
鈴木 郁 (J.D.パワー アジア・パシフィック 代表取締役社長)
出水 啓一郎 (スカパー・カスタマーリレーションズ 代表取締役社長)
和泉 祐子 (カルディア・クロス 代表)
近藤 由起子 (ICMI認定講師)
矢島 竜児 (リックテレコム コールセンタージャパン編集長)
谷口 修 (イー・パートナーズ代表取締役、アワード事務局代表)
<リーダー・オブ・ザ・イヤー受賞者(敬称略)>
梁川 昌代(DHLジャパン カスタマーサービス本部 大阪カスタマーコンタクトセンター センター長)
長島 佳子(SBI証券 コールセンター次長)
吉谷 聡史(ヤフー MSCオペレーション本部セールスサポート部 部長)
原田 雄介(三井住友カード フォーユーセンター企画部(大阪))
鎌田 豊(三井住友海上火災保険 コンタクトセンター企画部 営推チーム チーム長)
山口 拓郎(日本コンセントリクス 福岡中洲川端事業所 オペレーションマネージャー)
※同賞は、コンタクトセンターの改善/改革に傑出したリーダーシップを発揮した現場のマネジメントを自薦・他薦で募集、書類および面談審査を経て表彰する制度です。
<本件に関するお問い合せ先>
コンタクトセンター・アワード事務局
▼ 公式ホームページ: http://www.cc-award.com/
▼ お問い合わせ先 : award.info@cc-award.com
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企業情報
企業名 | 株式会社リックテレコム |
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代表者名 | 土岡正純 |
業種 | 新聞・出版・放送 |
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