透析患者の腎がん罹患率は通常の方の15倍以上! 患者もほとんど知らない 透析療法に潜む危険因子とは?

透析歴29年の患者が代表を務め、腎臓病・透析患者向けポータルサイト「じんラボ」を運営する株式会社ペイシェントフッド(東京都世田谷区、代表取締役:宿野部武志)は腎臓病・透析患者を対象に 『腎がん』 についてアンケート調査を行いました。

【調査概要】

日本人の最も多い死因は 「がん(悪性新生物)」です。

そのがん罹患率(あらたにがんと診断されること)は年々上昇傾向にあり、日本人が生涯で何らかのがんに罹患する確率は男性62%、女性46%となっていますが、がんといっても部位によりその罹患率は大きく異なります。

2011年の部位別がん罹患率をみると(国立がん研究センターがん対策情報センター がん統計結果)、男性では胃、前立腺、肺、大腸が多く、女性では乳房の罹患率が突出している中、『腎がん』 罹患率はがん罹患者全体のわずか2.7%程度と非常に低く、あまり耳にする機会もないのではないでしょうか。

腎機能が衰退していく腎臓病・透析患者からみると、細胞が進行する『腎がん』は一見無縁に思われがちですが、実は深く関係していることをあまり知られていません。

 

今回は認知度が低く、透析療法の合併症ともいえる 『腎がん』 への警鐘を鳴らすため、腎臓病・透析患者の『腎がん』 に対する意識調査を行いました。

 

 ◇調査方法:WEBアンケート

 ◇調査エリア:全国

 ◇調査対象:腎臓病・透析患者・腎移植者 男女 年齢不問

 ◇調査期間:2016年7月1日~7月8日

 ◇有効回答数:93名(内透析患者83名:89.2%)

 

(1)あなたは腎がんを経験したことがありますか(n=93)

 

    手術して摘出した          12.9%

    投薬治療中             0.0%

    経過観察中(疑いあり、検査中含む) 4.3%

    経験していない           82.8%

    分からない             0.0%

 

すでに腎がんを経験している患者の割合は全体の12.9%、罹患疑いで経過観察中の方を含めると17.2%と、やはり患者の5~6人に1人は腎がんを発症する可能性があるようです。

 

(2)透析患者の5人に1人が腎がんを発症するといわれていることを知っていますか(n=93)

 

    はい    32.3%

    いいえ   67.7%

 

透析患者は透析療法を受けるため週3回は医療施設へ通っていますが、腎がんを見つけることが出来るエコーやCTスキャン等の検査を定期的に受けていない患者は26.9%にのぼります。

また、「腎がんについて調べたことはありますか」の設問に「まったく調べたことがない」 が61.3%と、透析患者における腎がん罹患率は通常の方の15~20倍と非常に高いにも関わらず、その関心度の低さがうかがえる結果となりました。

 

では、なぜ透析患者が腎がんになりやすいのでしょうか。

 

実は透析患者にとって生命線の「透析療法」自体ががんの危険因子であることが明らかになっています。

腎臓機能が低下して慢性腎不全になると、腎臓は萎縮してきます。そこに透析を行うと、後天性の腎嚢胞(じんのうほう)ができてきます。嚢胞の中は尿毒症を起こす様々な物質が濃縮された状態にあります。その物質の中には発がん性のもの多く含まれているため、がんが発生しやすいと考えられています。この腎嚢胞が多発した状態を後天性多発嚢胞腎(ACDK、以下ACDK)といい、ACDKの発生は透析期間に比例し、3年未満で44%、3年以上で79%、10年以上では90%と次第に高くなり、透析期間が長くなるほど発がんリスクも高まるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

腎臓は沈黙の臓器ともいわれており、腎臓病の多くは症状が出てくるのが遅い場合や、無症状で病気が進行しているようです。腎臓がんにおいても症状は非常に乏しく、症状に気づいた段階では肺や骨などの他臓器に転移しているケースも少なくありません。そのため他のがん同様に早期発見が重要ですが、腎がんの多くが発見される画像検査によるスクリーニングは透析施設の半数という報告もあります。透析患者は週3回通院をしますが、必ずしももその施設において検査が出来るとは限りません。

 

透析療法の普及と進歩で患者は長生きできるようになりましたが、その反面、透析療法による合併症も伴います。高血圧、不均衡症候群、透析アミロイドーシスなどが主な合併症ですが、透析腎がんもその一つといって過言ではありません。

腎がんは早期に見つかれば転移も少なく、根治が期待できるがんです。

透析患者はまずは自身が腎がんになる可能性が高いことを認識し、定期的な検査を受けることが重要です。

 

 

腎がんについて、さらに詳しく知りたい方は・・・

じんラボ 「腎がんを知る」シリーズ をご覧ください

http://www.jinlab.jp/support/basic_13cancerinfo.html

 

 

 

■ じんラボ 市民公開講座 開催!■  ~日本最大級のがん患者フォーラム~

テーマ:透析患者と腎がん "透析患者が知っておきたい腎がんのこと”

日時:2016年8月7日(日)10:00~11:50

会場:ココングレスクエア日本橋 ホールD

アクセス:メトロ銀座・東西線 「日本橋」 駅 B9出口直結(http://congres-square.jp/nihonbashi/access/

共催:じんラボ/特定非営利活動法人腎泌尿器疾患研究所

http://www.cancernet.jp/jcf/program/kidney-cancer/

※ どなたでも参加可能です。この機会に腎がんについて学びましょう

参加申込フォームはこちら → http://www.cancernet.jp/jcf/join/

 

 

■じんラボでは只今アンケート調査実施中!■

~あなたはヘルプマークを知っていますか?使っていますか?~

[テーマ] ヘルプマーク

[実施期間] 2016年8月1日~8日

[URL]https://goo.gl/forms/oHH2TJMqVyqVThDu2

※ 腎臓病・透析患者さんであればどなたでも回答可能です。 ぜひご協力をお願いします!

 

 

【関連するサイト】

▼株式会社ペイシェントフッドHP

http://www.patienthood.net/

▼腎臓病・透析患者が集まるポータルサイト『じんラボ』HP

http://www.jinlab.jp/document/guides.html

▼『じんラボ』公式facebookページ

https://www.facebook.com/Jinlab.jp

 

【株式会社ペイシェントフッドについて】

本社:〒157-0062 東京都世田谷区南烏山4-13-9 ヤマケイビル4F

代表者:代表取締役 宿野部武志

設立:2010年9月1日

Tel:03-6279-5669

Mail:info@patienthood.net

事業内容:医療施設・企業向けコンサルティング、患者・家族向けポータルサイトの運営、講演・執筆活動、各種イベント開催



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企業情報

企業名 株式会社ペイシェントフッド
代表者名 宿野部 武志
業種 医療・健康

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