イーソル、メニーコア向けソフトウェア開発キット「eSOL eMCOS SDK」をリリース

イーソルは、メニーコアプロセッサ向けソフトウェア開発キット「eSOL eMCOS SDK」をリリースしました。eMCOS SDKは、メニーコアプロセッサ対応リアルタイムOS「eSOL eMCOS」と各種ミドルウェアを統合したランタイムソフトウェア、および開発・検証用の各種ツール群で構成されます。

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2014年11月18日
報道関係者各位

イーソル株式会社


メニーコア向けソフトウェア開発キット「eSOL eMCOS SDK」をリリース

~TRONおよびLinux資産を使って、メニーコアプロセッサを手軽に評価~


イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川勝敏、以下イーソル)は、イーソルのメニーコアプロセッサ向けソフトウェア開発キット「eSOL eMCOS SDK」を本日リリースしたことを発表します。eMCOS SDKは、メニーコアプロセッサ対応リアルタイムOS「eSOL eMCOS」(イーソル エムコス)とネットワーク、ファイルサービス、USBの各機能を実現する各種ミドルウェアを統合したランタイムソフトウェア、および開発・検証用の各種ツール群「eSOL eMCOS IDE Plug-in」で構成されます。eMCOS はT-KernelとPOSIX APIをサポートし、さらに標準的なドライバスタックも含まれるため、TRONやLinuxの資産を使って、すぐにメニーコアプロセッサを評価できます。今回リリースしたeMCOS SDKは、36コアが搭載されたTilera社製メニーコアプロセッサ「TILE-Gx8036(TM)」に対応しています。

イーソルが協賛する、「Embedded Technology 2014 組込み総合技術展」併催セミナー「組込みマルチコアサミット2014」(日時:2014年11月20日(木)13:00~17:00、会場:パシフィコ横浜 アネックスホール2F 【F204】(神奈川県横浜市)、参加料:無料(事前登録制))において、eMCOSおよびeMCOS SDKの特徴やメリットについて講演します。さらに、イーソルブース(ブース番号:D-22)にて、デモ実演を行います。

数十~数百のプロセッサコアを搭載するメニーコアプロセッサは、圧倒的なコンピューティングパワーと低消費電力が特長です。ネットワークにつながり、高度な画像処理・画像認識技術や、膨大なデータのリアルタイム処理が求められるインテリジェントな組込みシステムに有効です。車の自動運転や、ロボット、コンピュータビジョン、医療機器などの分野では、実際にメニーコアプロセッサの採用が進んでいます。一方、ハードウェアのアーキテクチャやコンセプトの違いにより、シングルコアおよび数コアまでのマルチコアプロセッサ向けの従来のリアルタイムOSが、メニーコアプロセッサ上では事実上利用できない、というのが開発上の重要な課題の一つです。

eMCOSは、こうした背景をもとに開発された、これまでのリアルタイムOSとは違うメニーコアプロセッサ向けリアルタイムOSです。eMCOSが採用する「分散マイクロカーネルアーキテクチャ」では、コア間通信を含むメッセージング、コアローカルスケジューリング、スレッド管理などの基本サービスを提供するマイクロカーネルが、コアごとに配置されます。一方、ファイルサービスやネットワークなどのミドルウェアやデバイスドライバなどのOSサービスは、マイクロカーネル上で動くサーバスレッドとして複数のコアに分散して配置されます。この仕組みにより、キャッシュコヒーレンシ機構を持たないメニーコアプロセッサでも、OSの複数コア間の共有データを少なくでき、コア数が増えてもスケーラブルなシステム性能を提供できます。さらに、特許出願中のスケジューリングアルゴリズム「セミプライオリティベーススケジューリング」(特願2012-247172)により、メニーコアで期待される高いパフォーマンスとスケーラビリティに加えて、組込みシステムに不可欠なリアルタイム性の両立を実現できます。eMCOSのアプリケーションプログラミングモデルは「eT-Kernel Multi-Core Edition」などのマルチコアOSと同様に、CPUコアを意識する必要はありません。OSのAPIは、通常のC言語関数インターフェースで提供されます。APIで利用するメッセージングなどの仕組みはその内部で隠蔽されて動作するため、開発者はその挙動を意識する必要がありません。eMCOSは、POSIXとT-KernelのAPIをサポートしています。

「eSOL eMCOS IDE Plug-in」は、各メニーコアプロセッサ標準のEclipseベースの統合開発環境にプラグインして利用します。eMCOS IDE Plug-inには、スレッド(タスク)単位でウィンドウを開いてメニーコア上のプログラムの実行制御ができるデバッガや、システムの性能面のふるまいを解析表示するサンプリングベースのRealtime Profiler、メッセージ通信の状況を解析するMessage Profilerなどが含まれます。

イーソルは、自社製品の研究・開発に加え、マルチ・メニーコア技術を推進するリーディングカンパニーとして、産学連携や業界団体を通じた活動を活発に行っています。昨日発足した、組込みマルチコアコンソーシアムでは、副会長を務めます。さらに米国Multicore Associationでは、Software-Hardware Interface for Multi-many-core(SHIM)ワーキンググループのチェアを務めています。


▽「eSOL eMCOS」詳細:http://www.esol.co.jp/embedded/emcos.html
▽「eSOL eMCOS SDK」詳細:http://www.esol.co.jp/embedded/emcos_sdk.html


イーソル株式会社 ソフトウェア技術統括責任者 兼 技術本部長
権藤 正樹 のコメント

「eMCOSは、メニーコアプロセッサの特性を最大限に引き出す、これまでとは異なるリアルタイムOSですが、μITRON、T-Kernel、Linuxのソフト資産やこれまでの同様のプログラミングモデルでスムーズに移行できるように設計・実装されています。まずは気軽にメニーコアプロセッサとeMCOSを評価して頂ける環境が、このたびリリースしたeMCOS SDKです。イーソルは、マルチ・メニーコア技術のリーディングカンパニーとして、マルチ・メニーコアプロセッサを活用したソフトウェア開発を強力にサポートしていきます。」

<補足資料>
▽ イーソル ホームページ:http://www.esol.co.jp/

*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。

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企業情報

企業名 イーソル株式会社
代表者名 長谷川 勝敏
業種 コンピュータ・通信機器

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