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読売新聞『Pop Style』 市原 尚士氏のトップ画像

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「熱量」のない原稿は、1行読んだだけでつまらなさが伝わってきますね

読売新聞水曜日の夕刊に、見開き2ページで掲載されている新感覚のカルチャー面「Pop Style」。同ページの編集長を務める市原尚士さんは、読売新聞東京本社に所属し、今年で勤続満20年を迎えるベテラン記者です。そんな市原さんに、新聞記者を目指すようになったきっかけ、新聞の魅力についてなどお話を伺いました。

Qまずは「Pop Style」の概要について教えてください。


「Pop Style」は、2006年4月にスタートし、今年で8年目を迎える特集面です。内容は、老若男女問わず人気のあるアーティストや作家、スポーツ選手など、今話題の人を紹介したり、サブカルチャーの実態を掘り下げるなど、文化全般をカバーしています。ターゲットは主に、10・0歳代。AKB48や、宝塚に所属するスターの連載、タワーレコードなど外部とコラボレーションした記事など、バラエティーに富んだ企画を揃えています。紙面はオールカラーで、横組という雑誌のような作りになっているので、読売新聞の中でも毛色の違う面かもしれません。
近年の若い方は、ニュースはインターネットで見ればいいと考える傾向が強く、若者の新聞離れが進んでいます。それを食い止めるために、幅広い世代の方に関心を持っていただきやすい紙面を作ろうということで始まりました。

 

Q市原さんが新聞記者になられたきっかけは何だったのでしょうか?


小学生の頃、クラブ活動で新聞広告研究会の代表をするほど新聞広告が好きで、その時に新聞の面白さに目覚めたのです。いろいろな新聞広告を切り抜いてはスクラップブックに貼り、なぜこの広告は魅力的なのか?反対に、どうしてこの広告は心に響かないのか?キャッチコピーが悪いのか?それともビジュアルがいけないのか?などの分析を自分なりにしては、毎日書き込んでいたのです。同時に新聞記事にも興味があったので、気になった記事もスクラップブックにペタペタ貼っていました。大学時代は哲学科に属していたのですが、この学科の就職率は悪く、数十人中3~4名しか就職できませんでした。私もどうせ就職できないだろうから、大学院に進学しようかなと考えていました。しかし進学するにも、「就職活動をしたけどダメだった」という大義名分が必要ですから、両親へのアリバイ作りのために読売新聞社(当時)を受けたのです。そうしたら、なんと合格しまして。前述した通り新聞が大好きでしたので、喜んで入社しました。

 

Q念願が叶ったわけですね。現在は文化部所属ですが、そちらは希望通りなのですか?


はい、美術や映画、文学が好きなので文化芸術に関わる部に行きたいと思っていました。ただすべての記者が、希望が通るわけではありません。新聞記者は皆そうですが、入社後ほとんどの場合は地方の支局に配属されます。そこで数年かけて、事件、事故、政治、行政、スポーツなど幅広く担当し、取材の仕方を学んで行くわけです。文化部へ行きたいという希望が通ったのは、それまでこなしてきた他の仕事が評価されたからなのかもしれません。

 

Q新聞記者20年のキャリアの中で、いろいろな記者を見てこられたと思います。市原さんが考える、「記者に向いている資質」について教えてください。


先入観を持たずに、足しげく現場に向かえる人でしょうね。取材対象者は、必ずしも記者と同意見とは限りません。自分と違う考え方の人の話を素直に聞くことができ、さらに好奇心を持てるかどうか。そういう意味では、専門家のような人は向いていないかもしれません。豊富な知識が逆に足かせとなり、「この人は何も分かっていない」と上から目線の記事になりがちだからです。新聞は、同人誌や学術誌とは違い、その分野に精通している方だけではなく、お年寄りからお子様まで幅広い方が読むメディアです。そのため、専門用語ばかりを並べるのではなく、極力難しい言葉を使わず、分かりやすく書こうとする姿勢が大切です。
「これを書きたい、訴えたい」という記者の思いがこもっていれば、自然といい記事が書けると思います。「熱量」のない原稿は、1行読んだだけでつまらなさが伝わってきますね。

 

Qこれまで数々の記事を手がけられてきたと思うのですが、特に印象深いものはありますか?


私は、「記者が“ある視点”を持って見ないと書けない」記事を得意としているので、印象に残っているものは、時間をかけて徐々に実態をあぶり出してきた記事が多いです。たとえば、かつてある地方都市に、わずか3坪の「公民館」が存在していたのですが、そこに隠された真実を深掘りしていった記事はよく覚えています。3坪といったら、決して公民館とは言えない大きさなのですが、それでも「公民館」として登録されていました。しかし実際には、そこはただの物置き。この情報を知った時、怪しいなと思い、建物のことを色々調べて行きました。すると、建築基準法を守らず、町内会トップの一存で勝手に建てられたものだということが分かりました。市が建設金の半額を補助してくれるので、町内会がお金をもらうために、無理矢理「公民館だ」といって補助金をとっていたのです。これは税金の無駄遣いですから、取り上げないわけにはいきません。私はしつこく取材を続け、2ヶ月で11本もの関連記事を掲載しました。そして最終的に、市長が陳謝する事態にまで発展しました。スクープとまでは言えないかもしれませんが、「視点」を持っていないと書けない記事。これが、私の持ち味だと自負しています。

 

Q多忙を極める毎日だと思いますが、リフレッシュはどのようにされていますか?


仕事の合間に焙煎したての豆を挽き、コーヒーを入れることです。じっくり時間をかけてコーヒーを入れるのですが、一日のうちにこうした時間を持つ事によって、人に接するときも、記事を書く時も、「丁寧さを忘れてはいけない」と気づけるのです。豆にはこだわっていて、焙煎してから1週間以内に飲みきらないと味が変わってしまうので、必ず100g単位でしか買わないようにしています。

 

(取材年月:2013年7月3日/取材と文:公文 紫都)

市原 尚士氏

媒体名
読売新聞『Pop Style』

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