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すべての人に旅を楽しんでもらいたい

旅行専門雑誌を代表する『じゃらん』。『関東・東北じゃらん』編集長を務める大橋菜央さんに、媒体に込めた思いやご自身のバックグラウンドについてお話を伺いました。

PRを受けるだけでなく、自分たちもPRを行う特殊な立場


Q大橋さんの編集長としての業務について教えてください。


大橋 菜央1発刊計画や流通販促計画、本のラインナップの決定などを行っています。『じゃらん』の編集会議では季節ごとに向こう3カ月まで特集を決めて取り組んでいます。あとは収支周りを見ています。出版社だと収支まで見ないという編集長さんもいらっしゃいますが、弊社はそれも編集長の仕事として任されています。また、私たちはPRを受ける立場でもあるし、私たち自身もPRを行うという特殊な立ち位置にいますので、媒体をPRするためのメディア対応も行っています。

 

 

 

Q広報的な戦略なども考えてらっしゃるのでしょうか?


弊社は『じゃらんnet』という宿泊予約サイトも運営しているのですが、こちらは国内の旅館やホテルなどの宿泊プランをはじめ、航空券・JRと宿の組み合わせを自由に選択できるプラン、また観光スポット情報を提供する「観光ガイド」などを掲載したサイトです。いかに『じゃらん』を世の中に認知していただくか、身近に感じていただくかのPRを考えると、やはり自分たちで作った情報を発信している雑誌『じゃらん』の存在は大きいなと思っています。また、雑誌だけでなくCMを通じたブランド戦略も楽しんで考えています。

 

 

キーワードは「つづける」


QCMというと、あのネコですね。


そうです(笑)。“にゃらん”というキャラクター。にゃらんには編集長になる前から関わっています。にゃらんのTwitterを始めた頃は、フォロワー数に伸び悩んでいたこともあったのですが、今では14万人。にゃらんの認知度調査を行ったところ、約80%。好意度も非常に高く『じゃらん』を広めるのに一役買ってくれていると思います。

 

QTwitterが伸び悩んだ時期に取った施策はありますか?


フォロワーが万単位で増えたきっかけは、にゃらんに弟子ができた時です。子猫の可愛らしさはやはり強いなと思いました(笑)。でもやはり、始めた当初から、「にゃらんを通して旅の楽しさを伝える」という気持ちを忘れずに、とにかくつづけてきたことが良かったと思います。

 

Qつづけるって、大事ですね。


『じゃらん』が今、これだけのブランド力を持っているのも、長年つづいてきた結果だと思っています。やっていて思うのですが、雑誌作りはすごく大変です(笑)。約100ページある編集記事を毎月作る、営業の方と一緒に広告を作る、印刷工程を含めた紙の調達をするなど、多くの工程があります。ライターやカメラマン、ブレーンの方。たくさんの方に支えられてできています。もし一度『じゃらん』がなくなって、もう一度創刊できるかと考えたら、非常に難しいと思います。

大橋 菜央2

 

Q『じゃらん』はどのくらい続いているのでしょうか?


今年度で創刊25年目になります。私が高校生の頃、『エイビーロード』という海外旅行雑誌を買っていました。その中の国内旅行部分を切り離して1990年に創刊されたのが『じゃらん』だったのです。
創刊号は今、私のデスクの引き出しで眠っています。『関東・東北じゃらん』の編集長は、代々初版本を受け渡されるという伝統があるんです(笑)。古本屋さんの匂いがして、歴史と代々受け継がれてきた重みを感じます。

今はオールカラーですけど、昔は白黒のページもあったんだなとか、広告ってこんなに細かかったんだとか、コラムの枠も小さかったりして。でも、旅の楽しさを伝えるという基本的なコンセプトは今と変わっていないんです。25年前なのに「1万円で遊び尽くす」「お金がなくても遊びたい」のような、今見ても面白いコンテンツが載っているんですよ。

 

Qその初版本絶対になくせないですね。


私、物をなくしやすいからすごく心配で。間違って捨てないようにしなきゃ(笑)。

 

Q学生時代にエイビーロードを買っていたということは、昔から旅行が好きだったんですか?


好きです。学生時代はお金がなかったので、友だちと3万円だけ握りしめてタイやシンガポールに行って、500円くらいの監獄みたいな宿に泊まったりしてました(笑)。
旅行好きは多分子どもの頃の影響もあると思います。よく家族旅行に行っていました。奈良の天川村でのキャンプとか。父親はモノづくりが好きで、その場でブランコを作ってくれたりしたんです。夜中にランプをひとつだけつけてトランプをして…。そのせいか今も自然が大好きです。

 

 

ネガティブな幼稚園児でした


Q大橋さんは常に楽しそうにお仕事に取組まれている印象を受けますが、お仕事をしていて苦しいことってありますか?


大橋 菜央3私、基本的にとても楽天家なんです。でも幼稚園生の時はネガティブでした。みんながお遊戯しているのを見て、「私あんなダサいのやりたくないんだけど」みたいなタイプだったんです(笑)。それに母は悩んでいたみたいで。幼稚園で奈良公園に遠足に行って帰ってきて、母に「どうやった?なおちゃん。楽しかった?」って聞かれた時に、「鹿の糞がいっぱいで面白くなかった」って言ったんです。そしたら母親が泣きだして。「もうなおちゃんはいつもそんなことばっかり言うから、お母ちゃんさみしいわ」って。それがとても衝撃的で。母のことが大好きだったので、申し訳ない気持ちでいっぱいで。「自分がネガティブだと人を不幸にするんだな」と思って、その時から徐々にポジティブになっていきました。

 

Q幼稚園の時にそれを悟られるのはすごいですね。


今ではすっかりポジティブです。なので仕事で苦しい時ももちろんあるんですけど、たとえば雑誌が売れなかった時、それを引きずるのではなく、その中にどこか良かったところはないのか、次に売れるようにするためのヒントはないのかと考えて取組むようにしています。そうしていると、苦しいことも次に生かすための材料になり繋がっていくのを感じるので、前向きに考える事が出来ます。

前任の『じゃらん』編集長の方たちは、編集者として優秀で編集長を任されるというパターンが多かったのですが、私は編集経験がありませんでした。恐らく、ネット企業に移行していく中での接続や今後のコンテンツの在り方の模索などにチャレンジしてもらいたいという意味で、自分が編集長になったのかなと思っています。

なので、ポイント付与システムの開発や、スマホアプリ『週刊じゃらん』の制作など0から1を生みだす仕事も多いんです。そうすると「もうダメだ!このままじゃ絶対期日にリリースできない!」ということが何度か立ちはだかるんです。でも経験値を積んでいくと、どこかにやり遂げるための抜け道があることがわかってくるんです。大変な時も、壁をどう越えようかと考えるクセがついている気がします。

 

Q素晴らしいですね。逆に仕事をしていて嬉しかったことは?


苦しくないとは言っても、産みの苦しみはありますので、自分がゼロから作ったものがリリースした瞬間はとても嬉しいです。初めて本誌をアプリ化した「iPadアプリ沖縄じゃらん」がアップルストアに並んだ時は涙がでました。事前にメディアに仕込みをしていて、テレビで取り上げられたのにアプリケーション審査に落ちたという経緯があって。もう間に合わない!問い合わせのFAQを至急作って流さなきゃ、と思っていたら、奇跡的に二回目が数時間で審査に通ったんです。信じていると奇跡は起こるんだなぁと思いながら嬉しくて号泣していました(笑)。

あとは、座談会や読者アンケートで、読者の方の声を直接聞ける時も嬉しいです。この前も癌患者の方から読者アンケートを頂きました。自分の最後の思い出作りの旅行先を『じゃらん』で決めて、良い思い出をつくれましたと書いてありました。

数日前の日常のことは覚えていなくても、20年前の楽しかった旅行のことは記憶に残っていたりする。亡くなる瞬間に人生を振り返った時、楽しい記憶があるかどうかで自分の人生が良かったか決まるところもあると思うんです。そんな旅をお手伝いできるじゃらんは、我ながらいい媒体だなと思います。

 

 

すべての人に旅を楽しんでもらいたい


Q大橋さんの今後目指すものについて教えてください。


大橋 菜央4『じゃらん』でやっていきたいことは常にいくつかあります。今、ネット予約が発達していて、24時間、『じゃらんnet』 だけでも2万3,000件以上の宿泊施設が予約できて、200万以上の宿泊プランが選べる状態になっています。そうすると、何でも叶えられるような気になりますよね。

でも今、高齢者や障害者の方からの問い合わせが多いのです。旅先でのバリアフリーに関する情報をネットで探そうと思っても探しにくい。バリアフリーに特化した旅行本は出ているのかなと思って調べたら、かしこまった堅い感じの本で、ワクワクしなかったんです。それから、介護者の方からの問い合わせもありました。「介護をしている主人と一緒に、自分も癒される旅がしたい」と。介護をされている方と、介護をしている方が共に癒されて楽しめる旅行。それから、妊娠中の方や赤ちゃんがいる方たちの旅行についての情報もまだまだまだ少ない。そうした特定のターゲットに向けた旅行本を出していきたいと思っています。

 

Q最後に、大橋さんが行かれた中で一番良かった旅先は?


最近行ったところで言うと、沖縄の離島、小浜島がすごく良かったです。本当に自然しかなくて。星がとても綺麗なんです。宿泊した「はいむるぶし」というホテルのホスピタリティーも素晴らしくて。ほんとに「いちゃりば ちょーでー(一度会ったら兄弟のように仲良くしましょう)」という感じで。事前に連絡しておくと、チャーターボートで「幻の島」と呼ばれているサンゴ礁だけでできた月の形をした島に連れていってくれるんです。ご飯も美味しくて、石垣牛のバーベキューや、石垣牛とマンゴーのお寿司なんかがあるんです。それから、ビーチに貝で作ったネックレスを売っているお店があるんですけど、無人販売なんです(笑)。缶が置いてあって、『ここにお金を入れてください』と書いてあって。おおらかでいいなぁと。

大橋 菜央5

 

Q旅のこと、本当に楽しそうに話されますよね。思わず行きたくなりました。


ありがとうございます(笑)。施設の広報ご担当者の方の中にも、ご自身の施設だけでなく、この周りで何が美味しい、このアクティビティが楽しいと熱弁して教えてくださる方がいらっしゃいます。熱意と楽しさが伝わってくると私たちも記事にしやすいですし、取り上げたい!と思いますね。

 

(取材日:2014年7月10日/撮影:首藤 達広)

大橋 菜央氏

媒体名
関東・東北じゃらん
プロフィール
(株)リクルートライフスタイル 『関東・東北じゃらん』編集長 兼 『じゃらん』ムック編集長。2006年4月入社。2年半旅行カンパニーにおいて首都圏ホテル営業経験の後、08年に同カンパニーメディアプロデュース部で本誌企画業務に携わる。09年からは『じゃらんnet』の集客担当を兼務。10年から『じゃらん』ブランドPRJを兼務。11年からリクルートライフスタイルの事業統括業務を担当。12年から現『関東・東北じゃらん』編集長、グループマネージャー。現在は、マガジンビジネス推進部部長として『ホットペッパービューティー』『ホットペッパーグルメ』『ケイコとマナブ』『じゃらん』本誌を担当。アプリやネットでのコンテンツ配信も手掛ける。

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