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アスキークラウド 中野 克平氏のトップ画像

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出版社を次世代に残したい。発想は「そもそも論」から

2013年7月に創刊された『アスキークラウド』。劇的な変化をもたらすクラウド、ソーシャル、ビッグデータ、モバイルなどのトピックを扱い、業界的にも新しいと評判に。編集長を務める中野克平さんにお話を伺いました。

革新、あるいはぶっ壊す


Q中野さんが『アスキークラウド』の編集長になられた経緯について教えてください。


気付いたら選ばれていました(笑)。KADOKAWA全体で考えると、映画もあるし文芸書もあるし、ウォーカーもあるけどビジネス誌はない。ビジネス誌をやりたくてKADOKAWAに入ってくる人は一人もいないはずなんです。

だからビジネス誌を立ち上げるとして、じゃあ実行部隊をだれにするの?と。社内会議でいろんな方が編集長候補に挙がったのですが、「おまえしかいないじゃないか」と(笑)。2012年の秋口から角川会長を編集主幹とする『アスキークラウド』の編集会議がスタートしました。

 

Q『アスキークラウド』が扱うのは「新しいテクノロジーを使ったビジネス潮流」だと思うのですが、やはりスタートアップ企業の方に読んでもらいたい雑誌なのでしょうか?


僕たちは主に「品川系」、「渋谷系」、「アキバ系」の3つにターゲットを絞って作っています。品川系というのは京浜東北線沿線に本社がある大企業。東芝とかSONYとかですね。品川系は今、クラウドで攻め込まれています。ビジネスを守るために、敵の正体を知りたいと思っています。なのでどういうロジックで彼らが動いているかを誌面の中でお伝えしています。

「渋谷系」は、主に渋谷、新宿、六本木のトライアングルゾーンにいるウェブの人たち。今まではウェブの世界の中でサービスを作ってきました。でもウェブの中だけでは限界があることも知っているんです。だからたとえばネット印刷の「ラクスル」のようなビジネスが出てきます。自社で印刷機を持っているわけではないけれども、全国の印刷会社と提携して受注を取りまとめている。これからの渋谷系は、既存ビジネスを壊し、リアルの世界にどうやってテクノロジーを活用していくかというテーマに移っていくでしょう。結果、より生活者にとって革新となるようなサービスや仕組みが生まれることになると思いますので、「今はこの業界が攻め時だ」という情報を載せています。

中野 克平1

 

 

家に帰ったら巨大な箱が届いてた


Q中野さんが記者になったきっかけは?


学生時代に、横浜にある小さな出版社や日経BP社でアルバイトをしていました。なので出版業界とは縁があったのですが、直接のきっかけは就活の時ですね。親友が朝日新聞を受けるというので、僕が代わりに願書を支局に取りに行ったんです。友人へのちょっとしたライバル心で自分も願書を出して試験を受けたら、僕だけ面接に呼ばれた。就活はその朝日新聞の一社で終わりです。1995年に朝日新聞に入社。転勤せずに東京にいたかったので、出版部門を選びました。

 

Q朝日新聞で最初に手掛けたのは?


入社後1年間は資材調達や印刷会社と編集部を結ぶ交渉役をやっていました。その位置で働くのが一番出版の流れがわかると言われて。当時の経験は未だに生かされていて、紙の装丁や色の表現にはこだわっていますね。

 

Qその後1996年に『ASAHIパソコン』で編集記者になられたと。パソコンは詳しかったんですか?


めちゃめちゃ詳しいですよ。うちに初めて「マイコン」が来たのは小学3年生の時ですから。今でも覚えています。図工の時間に忘れ物をして家に帰ったら、居間に巨大な箱が届いていて、それが父親が買ったマイコンだったんです。当時は100万円くらいしたんじゃないかな。父親は都市計画のコンサルタントでしたが、趣味は競馬で、競馬予想をするためにマイコンを買ったと言っていました(笑)。二桁のかけ算は父親の作った練習プログラムで勉強しましたね。

 

 

生意気系ですから(笑)


Qでは『ASAHIパソコン』では最初から大活躍だったのでは?


「なんで朝日新聞に入社したのにパソコン雑誌をやらないといけないんだ」と最初は相当ごねていましたね。パソコンに詳し過ぎるので、逆に仕事がつまらなくて(笑)。当時はWindows95が出たばかりの頃で、パソコン雑誌は全盛期でした。

 

Q当時手掛けられた中で一番印象に残っている記事は?


シリコンバレーでインテルの創業メンバーでもあるアンディ・グローブ会長(当時)をインタビューしたことです。インテルの会長にインタビューすると、それより上がないなって思ったんです。4年間勤めてきてパソコン雑誌を作ることに飽きてしまったので、この会社で21世紀を過ごすことはやめようと思いました。大晦日の夜に上司にメールを送って、辞めますと。映画の『ユー・ガット・メール』が流行った頃で、まだメールで退職文を送るのは珍しかった。年明けに出版部門の偉い人がカンカンになって怒ったと辞めてから聞きました。

 

Q相当慰留されたんじゃないですか?


中野 克平2全然です。生意気系だったので誰も止めませんでした(笑)。退職金が出たので、2、3年遊ぼうかと思っていたんですが、1年したら遊ぶのにも飽きてしまって。じゃあまた働くか、と思った時に、近所にアスキーを発見して。こんなにいい職場はないだろうと。自分の本棚に一番入っているのもアスキーの本でしたし。ここで働けたらいいなと。

たまたま編集者の募集があったのですが、どの編集部の募集なのかはわからない。ところが面接に行くと警備員さんの手元の入館者リストに「ネットワークプロ編集部」と書いてあるのが見えたんです。面接で「何がやりたいんですか?」と聞かれた時に、「ネットワーク雑誌の編集をやりたいんです」と答えたら、ちょうどいいヤツがきたと思われて2000年8月に採用。今日に至ります。

 

 

困ったら「そもそも」を考える


Qアスキーでは様々なプロジェクトを手掛けられたそうですね。


ムック本を2カ月で4冊作ったり、BtoBのネットサービスを作ったりしました。2007年にオンラインメディアの担当をしていた時に、本屋にも行かないし新聞も雑誌も見ない人にどうやって新刊が出たことを伝えるのか考えていました。今はSNSもありますが、当時はウェブサイトしかなかった。なかなかの規模だったASCII.jpをただの広告メディアにしておくのはもったいないと思い、そこで本の宣伝ができないか考えたんです。サイト上で本の連載をしてまとまったら本にして売るという。

当時はそんな仕組みはほとんどなかったので、最初は反対されました。1年間の助走期間をもらって始めたら、2年目からは黒字を出すようになり、ウェブでも広告以外のマネタイズができると証明できた。しかも出版社らしいやり方で。全世界に自慢したいよなと部下と話してました。

 

Q前例もあまりない中でこのアイディアが出てきたのは?


中野 克平3ASCII.jpの仕事をした時に、ウェブだからと言ってマネタイズの方法が広告しかないのはおかしいと思っていたんです。広告枠を貸す以外にも、BtoB、BtoCで何かを売ったり、手数料で稼いだり、方法があるんじゃないかと。じゃあ僕たちの会社は何をやっているか。本を売っている。じゃあ本を売ればいいと組み立てていきました。

僕は「そもそも論」好きです。これはおかしくない?と思ったら、原理原則のところに戻ってきて、「そもそも」を考える。そもそも会社ってなんだっけ?儲ける場所だ。どうやって儲けるのか。単純なのは安く仕入れて高く売ること。それをウェブに適用したらどうなるのと考えていきました。
なんだかんだ出版社が好きなので、出版社を次の世代に残すための方法は常に考えていますね。

 

 

KADOKAWAに来るのはエンタメがやりたい人たち


Q最後に、中野さんが目指すコンテンツ作りとは?


今私が編集長を務めている『アスキークラウド』はビジネス誌です。ビジネス誌を作るとなった時に、ジャーナリズムに拠って立つのはやめようと思いました。いい悪いではなく、ストーリーの作り方として、ジャーナリズムに拠って立つ場合は、「グーグルは強くて誰も敵わない。こんなの独占禁止法の状態じゃないか。こんな世の中でいいはずがない」というパターン。もしくは「ヤフオクだけで生活している貧しい家族がいる。こんな悲惨な社会でいいのか?」というパターン。強者は徹底的に強く、弱者は徹底的に弱い現状を訴えて、世の中を変えようとするのが僕の思うジャーナリズムです。

KADOKAWAには、ジャーナリズムがやりたくて来た人はおそらくいないんです。でも、強者が負けたり、弱者が勝ったりするストーリーはエンターテイメントの基本です。人は弱い者が勝つと勝った方法を知りたくなる。強い者が負けると負けた理由を知りたくなる。
KADOKAWAでコンテンツを作りたい人たちは、みんなエンターテイメントをやりたくて来たと思うんです。だったらエンターテイメントに拠って立つビジネス誌というのはないからそれをやろうよと。それならKADOKAWAでやる意味があると思っています。

(取材年月:2014年4月22日)

中野 克平氏

媒体名
アスキークラウド
プロフィール
2000年8月、株式会社アスキー(現:株式会社KADOKAWA アスキー・メディアワークス ブランドカンパニー)入社。現在は『アスキークラウド』とWebプロフェッショナルのための情報サイト『ASCII.jp Web Professional』の編集長を務める。編集長としての職務とは別に、法人向けソリューションの企画・営業や、検索エンジン技術、Webアプリケーションも研究開発している。

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