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取材相手とプロレスをして美しく勝ちたいんです

ロケットニュース24の編集長として迷惑メールやLINE乗っ取りと戦い、その実態を取材してきたGO羽鳥さん。日用雑貨から流行のものまで幅広く自身で体験し記事を発信しています。高校時代に始めたアルバイト先のお蕎麦屋さんのご主人や雑誌の編集者など周りの人に支えられて成長してきたと語ります。ご自身が経験してきた様々な出来事を話していただきました。

Qメディアで仕事をするようになるまでの経緯をお聞きかせください。



私は子どもの頃からマンガを描くのが好きでした。中学生の頃は『週刊プロレス』に4コママンガを投稿し、ほぼ毎週掲載される常連投稿者になっていました。高校生になると、秋葉原のゲーム機改造ツールを扱う店に出入りするようになり、そこで見つけた裏ゲームの情報誌がマンガ家を募集していたので、連絡するとすぐ採用されたんです。マンガを描いて、1枚1,000円の原稿料を稼ぐことができてすごく感動したことを覚えています。

高校卒業後、お蕎麦屋さんでのアルバイトを続けながらマンガ家を目指して夜間のマンガ専門学校に通い始めました。お蕎麦屋さんでは出前の担当でしたが、私が料理に興味があったこともあり、調理はもちろん、様々なことを教わりました。現場での調理経験も2年を超えたころ、旦那さんが調理師免許の取得も勧めてくれて推薦書を書いてくれまして、試験に挑戦。結果、合格しました。アルバイトにも関わらず本当にいろんなことをさせてもらって、このお蕎麦屋さんでの経験は、自分の中では宝です。

マンガ家としては当時から秋葉原のミニコミ誌でイラストやマンガを描いていたので、専門学校の卒業を待たずに共著でマンガ、イラスト、文章で構成された本が出版され、19歳でマンガ家としてプロデビューしました。でも、それから3カ月はどうしていいかわからず、ただ待っているだけでした。売り込みの方法など、まったく知らなかったのです。

しかし、お金も尽きた頃、突然とある雑誌からイラストの仕事が入りました。嬉しくて嬉しくて渾身のイラストを描いたところ、翌月も同じ出版社の別の雑誌からお声がかかりました。それも真面目に取り組むと、ほかの雑誌からも次々仕事が来るようになりました。真面目にやるって、大事です。

そんなこんなで3年間、締め切りに追われる日が続きました。最盛期は2日に1度ペースで締切が来るスケジュールでして、肉体的にも精神的にも苦しくなり、出版社に相談して、いったんすべての仕事を辞めさせてもらったんです。

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Qイラストやマンガから離れてしまうわけですね。その時はどんなことをして過ごしていましたか。


バックパッカーとして海外を放浪し、いろいろな経験をしました。たとえばカンボジアでは、ロケットランチャーを撃ったりも。インドでは、宿の数件となりがテロで爆破されまして、タイミングが悪ければ死んでました。

サッカーのAFCアジアカップ2004が開催されていた中国の北京では、ダフ屋に偽造チケットを掴まされ、結局スタジアムで観戦することはできなくて。この時はちょうど反日デモの真最中で、スタジアムの外で大暴動が起きていたのですが、スタジアムに入れない私は、その反日暴動のど真ん中にいました。命の危険も感じましたが、反日感情が高ぶっていたのはスタジアムの周辺だけで、ほかのみんなはフレンドリーに接してくれていたんです。帰国後、日本で見た中国の反日デモに関する報道は、自分が現場で体験したものとは少し違うものでした。偏った放送内容にもなっていたので、「よくないな」と思いました。

放浪中も仕事を頼まれていたので、常にマンガやイラストは描いていました。週に一度、締切があるペースです。ところが放浪も終えて日本に帰国すると、出版不況が始まっていました。自分の居場所もなくなっていて、どうしようもなくて、アダルトビデオのモザイク入れなどのアルバイトを始めざるを得ない状況になりました。

2年ほど経って30歳になったころ、以前から知り合いだったロケットニュースの前編集長からロケットニュースを会社組織にするから一緒にやろうと誘われたんです。ロケットニュースが某ポータルサイトと業務提携することになり、出向要員が必要だったのですが、ネットの知識があるうえ文章も書けて編集もできるということで、私に声がかかったといいます。

しかし、提携は3カ月で解消。その時、私には某ポータルサイトに残るという選択肢もありましたし、そのお誘いもありましたが、最初に誘ってくれたロケットニュースへの義理を守って、ロケットニュースに残ることにしたんです。

 

Q印象に残っている取材や面白かった取材を教えてください。


雑誌の仕事ですが、「ホームレスの街で一泊」や「動物密輸業者を取材」や「ゲテモノ(ゴキブリ)料理を体験」など、危険と隣り合わせの取材をよくやっていました。
いろんな雑誌、出版社で仕事をさせてもらいましたが、なかでもアダルト雑誌の編集者は熱い人が多かったですね。

とある撮影会を潜入取材したことがあったんです。まだ若かった私は、モデルの女性を茶化して描いてしまいました。それが(撮影会の)運営者に知られて、私に取材を依頼したアダルト雑誌の出版社に殴り込んできたことがあって。10数時間籠城されて「羽鳥出せ! 羽鳥出せ!」と暴れていたそうです。でも、そのときの担当編集さんと編集局長が、断固たる対応をしてくれて、私のことを守ってくれました。

文章の書き方も、編集の仕方も、ネタの考え方も、プロの仕事をするための姿勢も、ライターとの接し方も、育て方も守り方も、すべて当時の様々な雑誌の編集さんから教えてもらったと思っています。

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Q危険な場所への潜入も多かったそうですが、取材に抵抗感はなかったですか。


怖い半面、興味もありました。もっとも、食えていなかったから仕事をもらうため必死でした。雑誌の中のページはWebとは違い、限られています。ページを死守、奪還しないと食えないので、体当たりで取材に挑んでいました。甘いネタだとネタ出しの段階でボツにされます。お金も入らないので死に直結します。死ぬくらいなら危険なことにも挑戦します。すべては生き残るためです。

Webメディアのロケットニュースに入ってからも、その考えは同じです。

数年前、楽天アカウントが乗っ取られたことがありました。高価な赤い炊飯器と一眼レフを購入されて、10万円くらい使われていました。警察に行ったら、被害者はカード会社と楽天だと言われて、被害届も出せませんでした。で、どうしようと。相手の住所はわかっていたので自分で乗り込もうと。東京の警察署から、そのまま乗っ取り犯人が届け先の住所に設定していた大阪まで車で飛ばして向かったんです。

戦いを挑む時、私はプロレスのようにエンターテインメントにして勝ちたいと思っています。単に乗り込んで懲らしめるのはエンタメじゃない。

高級な炊飯器を買われたので、高級米を手にして乗り込みました。ピンポン押して出てきたのは中華系の人。私は言葉が喋れなかったし、長旅で疲れて頭が回らず、米だけ渡してその場から立ち去ってしまいました。今思えば、対面した時、「羽鳥さんですか」と聞くことができたら完璧でしたが、ただお米を渡しに行っただけの人になってしまったことを後悔しています(笑)


Qエンターテインメントとして勝ちたいとは。


迷惑メールは結局、詐欺や架空請求です。「ふざけんじゃねぇ!」と、ただ戦って潰しても面白くありません。相手は悪いやつだけど、良いところを9まで引き出して、最後にこちらが10で勝利するというのがプロレスです。私はそれをやりたいんです。美しく魅せてから勝ちたいんです。

そういえば、迷惑メールのやり取りで、戦いの序盤から、苛立った相手が「死ね」と言ってきたことがあります。2重の意味で悲しかったです。ひとつは、詐欺のプロとしての仕事を早々に放棄したということ。もうひとつは、何の面白みもない罵倒語を躊躇なく使ってきたことです。心底がっかりしました。たとえ詐欺師であっても、プロ意識は持っていてほしい。

なんてことない100均の商品を、単に面白くないと切り捨ててしまえばそれまでです。しかし、なんてことない100均の商品をエンタメに昇華させるのがプロの仕事です。取材対象に愛をこめて、その面白さを100%引き出して、自分も真剣に面白がって、観客が納得するようにフィニッシュに持っていく。この考えは、エンターテインメント・プロレスからきているんです。戦いがスイングしたら最高です。(スイング:プロレスがヒートアップして、観客もハイな状態になること)

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Q「マサイ通信」は、マサイ族のライターさんが書いているのですか。


「マサイ通信」は、マサイ族の村に住んでいるルカというライターから聞いた話を、ありのままに私が書いて伝えています。ルカと出会ったきっかけは記事広告の案件で、マサイ族の村を2度目に訪問した時でした。「最強の男探し」という企画で、マサイの村に行ったところ、案内役を買って出たのがルカでした。

ひととおりの撮影が終わると、ルカが「井戸が壊れたから寄付してくれ」と頼んできました。私は、マサイ族がそうやって同情や慰めでお金を稼ぐのが普通になってしまっている現実や考え方がイヤでイヤでしょうがない。よって、寄付はキッパリと断りました。

そのかわり、「オレは編集者だから、ライターとして仕事して稼げ」と言いました。マサイ族は、マサイ族というだけで引きがあります。もっと、マサイ族であることを武器にして稼ぐべきです。こういう方法でお金を稼ぐ方法もあるんだよ、と教えたい気持ちで誘いました。そしたら「やる!」と言うので名刺を渡して、帰国してからスマホを送りました。

それからは、チャットでやり取りしながら、写真を送ってきてくれたり、こちらから質問したりして記事を作っています。ルカには日本人と同じ原稿料を毎月きちんと払っています。そこはフェアでいたいし、彼らを助けたいという気持ちもあります。「井戸を直す」という目標を立てて、毎月少しずつ貯金をしていけば、いつかきっと目標は達成できるんだよ、ということをルカに伝えたかったんです。そしてそれは実現しました。一緒に単行本も出せました。

何度か記事広告の仕事をして、マサイ族とのコラボでつくる広告に可能性を感じています。ビジネスを成功させる、ルカたちマサイ族の将来を切り開く、エンタメもある、誰も損していない。みんなをハッピーに導くのがマサイ通信かなと思っています。


Q取材をする時に心がけていることがあれば教えてください。


「バカにしない」「ウソつかない」「真剣にやろう」みたいなことは、みんなに言っています。取材では、ありのままを書く。それが真実であり最強であるとも伝えているつもりです。

“ワクワク“と“ときめき”が最高潮になっている状態で制作したものは読者に伝わります。ビビったり、消極的になったり、時間を空けたりすると、素材の鮮度が落ちて伝わらなくなります。料理と同じです。

また、取材の話とは少し外れますが、スベることを恐れず、時には自らヘッドスライディングするような気概を持って記事を書いていきたいと思っています。

とにかく、やってみること。やってみると、予想外のことが起きることがあります。

100均で売っている、100円、200円、300円のパンツの違いを調べたことがあります。200円のパンツだけ丈が極端に長く、それが面白くて自分で笑ってしまいました。それを記事にすると、やはりウケました。何か狙わなくても、やってみると “何か” があるかもしれないので、とにかくやることです。そして、自分で笑えたら最高です。

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Q今後、挑戦していきたいことは。


昔のような、こんなバカなことを真剣にやるんだ……という、大掛かりなネタをやりたいですね。自分でワクワク、ドキドキできるような。自分で笑えるような。そんなことを積極的にやっていきたいですね。

あとは、慢性的にロケットニュースは記事不足でカツカツになっている現状があるので、人を増やして余裕をもたせたいです。そしたら、大掛かりなネタに取り組んだり、海外へ取材に行ったり、そういうことが気兼ねなくできるようになる。そんな余裕ある体制にしていきたいですね。

チャンスがあれば、私をだまそうとする詐欺師たちと、また熱いプロレスがしたいと思っています。読者が興奮するような、世間を巻き込むようなコンテンツを、自ら動いて探したいです。

私たちはワンパターンになりがちです。そこを崩して新しいことをやると読者から大きな反響があります。だから常に新しい表現を追求していきたいと思っています。

 

(取材日:2019年8月22日)

GO羽鳥(Go Hatori)氏

媒体名
ロケットニュース24
部署・役職
編集長
プロフィール
1979年生まれ。漫画家、ライター、イラストレーター、編集者。ロケットニュース24編集長。迷惑メール評論家。100均評論家。調理師免許所持。
著書に『絶対に返してはいけない迷惑メール、LINE乗っ取りにマジレスしてみた。』、『マサイのルカがスマホで井戸を掘る話』などがある。

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