オープン目前！東京スカイツリーが周辺の家賃相場に与える影響は？

東京スカイツリーのオープンがいよいよ1ヶ月後に迫った。墨田区によると、スカイツリーの経済効果は年間880億円にも上ると言われている（※1）。観光客の増加や雇用の創出、地域の活性化など、その影響は様々だが、果たして不動産においてはどうなのだろうか。
そこで今回、オウチーノ総研（本社：東京都港区／代表：井端純一／不動産サイト「オウチーノ」「キャリルーノ」を運営）は、周辺地域の賃貸住宅に着目し、スカイツリーが周辺の家賃相場に与える影響を、近隣の不動産会社（72社）に聞いてみた。また、先行する東京タワーに関しても、同様の調査（64社）を行い、スカイツリーとの比較を行った。
その結果、スカイツリーの見える部屋vs東京タワーの見える部屋では、同じマンション内の「見えない部屋」よりも「家賃が高い」と答えたのは、スカイツリーでわずか2.8%だったのに対し、東京タワーは43.8%と、大差がついた。

詳しい結果はコチラ＜http://article.home-plaza.jp/article/trend/099/＞


■調査概要
＜対象＞
・スカイツリーの見える賃貸住宅を扱っており、スカイツリー3km圏内にある不動産会社72社
・東京タワーの見える賃貸住宅を扱っており、東京タワー3km圏内にある不動産会社64社
＜調査方法＞
電話による聞き取り調査
＜調査期間＞
2012年4月9日（月）～2012年4月13日（金）の5日間


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1.スカイツリー着工前、竣工後で家賃に変化なし！
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まず、スカイツリー近隣の不動産会社に「現在スカイツリーの見える部屋は、スカイツリー着工前と竣工後で家賃に変動はあったか」を聞いてみた。その結果、「上昇した」と答えたのは72社中7社のわずか9.7％だった。約9割の不動産会社がスカイツリーの家賃相場に与える影響はほとんど見られないと答えたのだ。
一方、「スカイツリー周辺は全体的に家賃が下がっているが、スカイツリーの見える部屋は下がりづらい」「（不景気で）全体的に部屋が決まりにくくなっているので、スカイツリーが見えることは売りにはなる」といった意見も聞かれ、賃貸住宅市場全体で見るとプラスの影響をもたらしているのは間違いない。
スカイツリー周辺で部屋を探す人にとって、スカイツリーは今のところ、部屋から「見えないより見えた方が良い」程度で、「お金を払ってまで部屋から見たい」存在ではないようだ。長い歴史があり一種のブランド化が進んだ東京タワーと比べて、スカイツリーのブランド化はまさにこれから。従って、家賃相場を大きく押し上げるまでには至っていないことが、今回の調査からうかがえた。

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2.新旧シンボルタワー対決は東京タワーの圧勝！
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　次に、スカイツリー／東京タワー、それぞれの近隣の不動産会社に、同じマンション内で「見える部屋」と「見えない部屋」では家賃は変わるのか、との質問をした。その結果、スカイツリー周辺で「見える方が高い」と答えたのはわずか2.8%だったのに対し、東京タワー周辺では43.8%が「見える方が高い」と答えた。
高さ世界一のタワーとして大きな経済効果を期待されるスカイツリーだが、周辺の家賃への影響力においては、オープンから50年以上が経つ東京タワーが圧勝するかたちとなった。
さらに、同じマンション内で、東京タワーが「見える部屋」と「見えない部屋」の「家賃差（※2）」を聞いてみると、約半数が「2,000円以内」と答えた。また、家賃相場の高い港区での調査ということもあってか、中には家賃差「1万円以上」といった少数意見もみられた。その一方で、「以前と比べて東京タワーのニーズが落ちてきている」といった声も聞かれた。
東京の新しいシンボル、スカイツリーに比べて、「東京タワーの見える部屋」に「お金を払う価値」を感じる人の方がまだまだ多いようだ。

以上の結果から、スカイツリーは、周辺の賃貸住宅市場に何らかの影響を与えているものの、「家賃相場への反映」というには、スカイツリーのさらなるブランド力の向上を待たねばならないことが分かる。東京スカイツリーオープン後の時間の経過に注目したい。


＜注＞
※1：SankeiBiz（http://www.sankeibiz.jp/business/news/111222/bsd1112220503000-n1.htm／2011.12.22）を参照。
※2：「同じ条件の1R／1Kの部屋」とする場合の家賃差。

詳しい結果はコチラ＜http://article.home-plaza.jp/article/trend/099/＞