AI時代、日本は「デジタル小作人」で終わるのか―数学の原理を知り、AIを使う側から「胴元」へ
デフィデ株式会社(東京都港区赤坂2-4-6、代表取締役:山本 哲也)は、AI・データ活用の未来を各分野の第一線で活躍する研究者・専門家に聞くインタビューシリーズ「AI Future Talks」第18回において、佐賀大学理工学部 数理・情報部門 教授・皆本晃弥氏へのインタビュー記事を公開しました。皆本氏は、数学とコンピューターを融合させた応用数学を専門とし、AIやデータサイエンスを表面的に利用するのではなく、その背景にある原理を理解することの重要性を一貫して説いています。今回のインタビューでは、AI・データサイエンス教育、日本が海外のプラットフォームに依存する「デジタル小作人」にならないための条件、AIの出力をどこまで信頼できるのかという問題、企業に求められるAI人材、そして自ら価値を生み出す「胴元」になるための考え方まで、幅広くお話を伺いました。
■AI時代、日本は「デジタル小作人」で終わるのか
生成AIやデータサイエンスが社会に急速に浸透する一方、海外企業が提供するAIやプラットフォームを利用するだけでは、自ら価値を生み出す側に回れないという課題があります。
皆本氏は、こうした状態を「デジタル小作人」と表現し、日本が目指すべきは、すべての分野で主導権を握ることではなく、自らの強みを持つ領域に集中し、独自の技術やサービスを生み出す「胴元」、すなわちプラットフォーマーになることだと指摘しています。
AIがコモディティ化し、誰もがAIを使えるようになるほど、単にツールを使えることだけでは差別化になりません。数学的な原理を理解し、独自のアルゴリズムを考え、目的に合ったデータを見極める力が、企業や日本の競争力につながります。
■AIを「使う人」を増やすだけでは、競争力にならない
データサイエンス教育の普及は重要である一方、AIやデータサイエンスを表面的に利用するだけでは十分ではありません。
佐賀大学では、リテラシーレベルから応用基礎レベル、エキスパートレベルまで、一貫した数理・データサイエンス教育の環境を整備しています。企業・自治体との連携やインターンシップなどを通じて、現実の課題をデータに基づいて考える力の育成にも取り組んでいます。
インタビューでは、AIを「使える人」を増やすだけでなく、自ら考え、技術の背景を理解し、新たな価値を生み出せる人材を育てることの重要性が語られています。
■AIの答えを「まず疑う」――精度保証付き数値計算から考えるAIとの向き合い方
皆本氏の専門の一つである「精度保証付き数値計算」は、コンピューターが導き出した近似解について、その正しさや解が存在する範囲を数学的に保証しようとする研究です。
この研究の根底にあるのは、コンピューターが出した答えを無条件に正しいと信じるのではなく、「そもそも答えが存在するのか」「その答えは本当に意味のあるものなのか」を確認する姿勢です。
この考え方は生成AIにも通じます。皆本氏は、AIには限界や不確実性があり、企業はAIが「何をでき、何ができないのか」を理解したうえで、自社の課題やデータに照らして活用することが重要だと指摘しています。
■企業に必要なのは「AIを導入する人」ではなく「AIで何ができるかを見極める人」
企業のAI活用では、「AIを使って何かできないか」と考える前に、解決したい課題や目的を明確にすることが重要です。
皆本氏は、AI人材を大きく「AIプランナー」「AIエンジニア」「AIサイエンティスト」に分け、まずは自社の領域でAIを活用すると何ができるのかを考え、計画を立てられるAIプランナーの育成が重要だと語っています。
AI導入そのものを目的にするのではなく、課題を理解し、AIの得意・不得意を見極め、計画する人、実装する人、理論を理解して新しい方法を考える人が連携する。こうした人材の役割分担が、企業におけるAI活用の成否を左右します。
■「デジタル小作人」から「価値を生み出す側」へ
AIを使うことが容易になるほど、「何を使うか」ではなく「何を生み出すか」が問われる時代になります。
皆本氏が語る「胴元になる」という考え方は、単にAI技術を自社開発するという意味にとどまりません。技術の原理を理解し、自社ならではのデータや知見を活用し、独自のアルゴリズムやサービスを生み出し、価値を提供する側へ回ることです。
AI時代の競争力とは、AIを使えることだけではない。AIを理解し、問いを立て、必要なデータを見極め、独自の価値へと変換する力にある――今回のインタビューは、企業のAI戦略や人材育成、日本のデジタル競争力について考えるきっかけを提供します。
■インタビュー概要
前編
数学とコンピューターを融合させてきた皆本氏が、研究者としての原点や教育理念、AI・データサイエンスを使うだけでなく、その背景にある数学的原理を理解する重要性について語ります。「AIの原理を知らずに使う危うさ」や、技術の変化に対応できる人材を育てるための考え方を掘り下げています。
中編
データサイエンス教育の広がりと、その先に求められる「使う人」から「生み出す人」への転換に迫ります。海外のAIやプラットフォームに依存する「デジタル小作人」ではなく、自らサービスや技術を生み出す「胴元」になるために、数学的原理や独自性がなぜ重要なのかを語っています。
後編
専門である「精度保証付き数値計算」を手がかりに、コンピューターやAIの出力をどこまで信頼できるのかを考察。企業がAIを活用するうえで必要な課題設定やデータの質、AIの得意・不得意、AIプランナー・AIエンジニア・AIサイエンティストなどの人材育成、そして「価値を生み出す側」へ回るための考え方について語っています。
皆本晃弥氏に公開記事はこちらから
https://www.defide-ix.com/ai/ai-future-talks/ai-era-from-digital-sharecropper-to-platform-owner-1
■皆本晃弥氏 プロフィール
佐賀大学理工学部 数理・情報部門 教授。
1997年3月、九州大学大学院数理学研究科数理学専攻を単位取得退学。1997年4月〜2000年3月、九州大学大学院システム情報科学研究科情報理学専攻助手。2000年2月、博士(数理学、九州大学)を取得。2000年4月以降、佐賀大学理工学部知能情報システム学科講師、同准教授などを歴任。
2018年4月〜現在、佐賀大学教育研究院自然科学域理工学系教授。2025年4月〜現在、佐賀大学教育開発推進センター教授(併任)。数学とコンピューターを融合した応用数学、精度保証付き数値計算、データサイエンス、AIなどの研究・教育に取り組む。著書に『スッキリわかる数理・データサイエンス・AI』(近代科学社)など。
■「AI Future Talks」について
「AI Future Talks」は、AI・データサイエンス・ロボティクス・人間とAIの関係など、テクノロジーが社会やビジネスにもたらす変化について、各分野の第一線で活躍する研究者・専門家に話を聞く、デフィデ株式会社のインタビューシリーズです。
AIを単なる「便利な技術」として捉えるのではなく、AIによって社会やビジネスのあり方がどのように変わるのか、そしてAI時代に人間には何が求められるのかを、多様な専門領域から考えていきます。
■デフィデ株式会社について
会社名: デフィデ株式会社
所在地: 東京都港区赤坂2-4-6-6F
代表者: 山本 哲也
事業内容:戦略AIコンサルティング/生成AI基盤構築支援/社内業務クラウド(SmartOps)/RAG型AIチャットボット・特許取得(chai+)/HR Tech(JOB Scope・生成AIワークバリュー・スコア分析・HRキャピタルダッシュボード)
Webサイト: https://www.defide-ix.com/
主なサービス一覧:
SmartOps(業務改革AIプラットフォーム):https://smartops.jp/
chai+(RAG型AIチャットボット・特許取得):https://lp.chatbothub.ai/
chai+ Full Duplex AIボイスボット(特許取得):https://lp.chatbothub.ai/voicebot
JOB Scope(タレントマネジメント): https://jobscope.ai/
生成AIワークバリュー・スコア分析(特許取得):https://jobscope.ai/ai-survey/
HRキャピタルダッシュボード(JOBScope ISO30414): https://jobscope.ai/hrcapital/
AI Future Talks:https://www.defide-ix.com/ai/ai-future-talks
JOB Scopeマガジン: https://marketing.jobscope.ai/media/
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添付画像・資料
企業情報
| 企業名 | デフィデ株式会社 |
|---|---|
| 代表者名 | 山本 哲也 |
| 業種 | ビジネス・人事サービス |