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2022年第1四半期スマートフォン向けAP/SoCとベースバンドチップグローバル市場における出荷シェアを発表

カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、2022年第1四半期スマートフォン向けチップセット(AP/SoCとベースバンド)グローバル市場における出荷は、前年同期比で5%減少したという最新のFoundry and Chipset Trackerによる2022年第1四半期スマートフォン向けAP/SoCとベースバンドグローバル市場出荷シェアを発表致しました。

2022年第1四半期にスマートフォン向けAP_SoCとベースバンドグローバル市場出荷が、前年同期比で5%減少した原因は、季節要因、ロックダウンによる中国需要の減少、一部のベンダーが2021年第4四半期に過剰に出荷したことによりますが、この出荷減少は、チップセットの売上が、高価格帯5Gスマートフォン用需要を含んだ2022年第1四半期に前年同期比23%増と力強い成長をみせたことで打ち消された形にあります。この期間に、世界最大のファウンダリであるTSMCは、システム・オン・チップ(SoC)からディスクリートのアプリケーションプロセッサ(AP)やセルラーモデムに至るまで、スマートフォンに搭載される主要なチップセットのほぼ7割を製造し、世界第2位のファウンダリであるSamsung Foundryはスマートフォンチップセットシェア3割を獲得しています。

 

図1: スマートフォンチップセット(AP/SoC/ベースバンド)グローバル出荷シェア・2022年第1四半期ファウンドリ別

出典:カウンターポイント社 Foundry and AP/SoC service

※出荷数量はAP/SoCと個別ベースバンドチップを合わせたものである

 

スマートフォン向け半導体のファウンダリの概況に関して、カウンターポイント社シニアリサーチアナリストParv Sharma氏は次の通り述べています。

 

「もともとファウンダリは巨額の設備投資を必要とする最先端技術の事業であり、そのためスマートフォン向けの最先端チップセット製造は2社寡占状態となっている。TSMCとSamsung Foundryがスマートフォン向けチップセット市場を支配し、TSMCは、生産量と市場シェアのいずれも、Samsungの倍を超える。TSMCの設備投資は競合より遥かに巨額であり、5/4nmと3nmのチップ製造ライン、WFE(半導体前工程製造装置)、3Dパッケージング、そして、需要増に対応する5/4nmと28nmのライン増強にむけて、2021年から2023年の間に1,000億米ドル(約14兆円)を投資する予定である。こうした積極投資によって、TSMCが最先端プロセスノードにおいて高いシェアを確保することが可能となっている。

 

TSMC製スマートフォンチップセット出荷量は、2022年第1四半期に前年比9%減少した。これは、QualcommがX60ベースバンドチップの製造委託先としてSamsung Foundryを選んだこと、MediaTekのスマートフォン向けチップセットの出荷が落ち込んだことが要因である。しかし、Qualcommの委託先二重化の方針で、2022年にはTSMCにより多くの注文が流れることになるだろう。また、Qualcomm、 Apple、MediaTekが4nmを採用したフラグシップ製品を増産することも、2022年のTSMCのスマートフォンチップセット市場におけるシェアをさらに上昇させるだろう。

 

最先端プロセスノード(4nm、5nm、6nm、7nm)を採用するスマートフォン向けチップセット全体の中で、TSMCのシェアは65%である。TSMCは、最先端の4nmプロセスノードでの量産を、MediaTekのDimensity 9000 SoCで、2022年第1四半期に開始した。Qualcommが今後出す4nmプロセスによるSnapdragon 8+ Gen 1 SoCで委託先二重化の方針をとることから、TSMCの4nmノードを採用するスマートフォン向けチップセットの出荷は、さらに増えるだろう。」

 

図2: スマートフォンチップセット出荷におけるトップ2社のノードシェア

出典: カウンターポイント社 Foundry and AP/SoC service

 

Samsung Foundryの業績に関して、カウンターポイント社シニアアナリストのJene Park氏は次の通り述べています。

「Samsung Foundryはスマートフォン向けチップセットグローバル市場でおよそ3割のシェアを獲得した。その要因は、Qualcommと、Samsung Semiconductor社のExynos(SamsungにおけるARM系プロセッサ)チップセット事業部にある。最先端の4nmプロセスノードの歩留まりは比較的低いものの、Samsung Foundryは最先端ノード(4nm, 5nm)のスマートフォン向けチップセットにおいて6割のシェアをしっかり確保し、これをTSMCが4割のシェアで追う展開である(2022年第1四半期)。Samsung Foundryの4nm製品出荷は、QualcommのSnapdragon 8 Gen 1が牽引している。このチップは、わずか1四半期でSamsung Galaxy S22シリーズにおいて75%を超えるシェアを確保した。中位機種向けの5nmによる5G対応チップセットであるExynos 1280も、数量が出るGalaxy A53とA33に搭載され、Samsung Foundryの出荷に貢献した。

 

しかし、世界のマクロ経済が不透明なこと、潜在的な在庫調整の可能性、Qualcommの委託先二重化方針がSamsung Foundryの市場シェアにとって、全体でも、最先端プロセスノードでも、重荷となりかねない。」

 

本レポートの詳細はこちらからご覧いただけます。

https://www.counterpointresearch.com/qualcomms-premium-portfolio-leads-record-revenues-handsets/

 

今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。Foundry and AP/SoCにその詳細が報告されています。(調査時期:2022年1月~2022年3月)

 

【カウンターポイント社概要】

Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。

公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/



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企業情報

企業名 Counterpoint Research HK Limited
代表者名 Tom Kang
業種 その他サービス

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