次世代3Dプリンター用ホットエンドの製造販売開始〜メカトロニクスデバイス(MD: Mechatronics Device)事業を立ち上げ〜
ホットエンドとは3Dプリンターにおいて、プラスチック樹脂を溶かして射出造形する部品であり、鍵となる部分。今回開発の製品は、従来より高温の500℃までの温度が必要な樹脂類のほぼ全域で造形が可能。高温ホットエンド分野において世界で最も小型・軽量なもの。
LEDを中心とした電子機器用部品メーカーのエーシック株式会社(代表取締役:神野勝 本社:京都府宇治市)は、新製品の3Dプリンター用ホットエンド(※)やLEDなど生産時に活用する生産設備、画像検査装置などに特化したメカトロニクスデバイス(MD)事業として立ち上げ、製造販売を開始します。
従来のFFF(※)/FDM(※)方式3Dプリンターの多くは、ホットエンドの最高温度の関係上、ABS(※)、PLA(※)を主体にした300℃以下での造形樹脂を用いたものが普及してきました。しかしながら、新開発のホットエンドは、500℃までの温度が必要な樹脂類のほぼ全域(スーパーエンプラ(※)まで)について、造型が可能な製品で、高耐熱樹脂であるポリイミドやPEEK(※)のような材料も造形可能にしています。しかもこの開発品は、高温ホットエンド分野において世界で最も小型・軽量であり、また効率の良い造形が可能なため、半導体製造用冶具類(ウエハー処理用トレイ)や医療用(整形再生医療用途)、自動車および航空の分野において、金型不要で少量多品種のカスタム製品作製が可能となります。
このホットエンドの国内外特許は、KHR‐センター(代表者:谷口秀夫氏)が保有されており、エーシック(株)がその使用許諾のもと行使し、メカトロニクスデバイス事業として製造販売を行います。更に、3Dプリンター装置の販売や3Dプリンターによる試作品出力、造形加工なども開始予定です。このホットエンドのサンプル価格は10万円で、5月初旬より供給を開始する予定です。
もうひとつのMD事業としては、生産設備や検査装置などの製造販売です。これは生産工程で導入してきた独自のノウハウを活かした自社製治具、生産設備、検査装置が多くのものづくり企業においても活用できること、また工場の監査や見学に訪れたお客様の中にもこれらの自社製設備を供給して欲しいとの要望も多くあることから、そのニーズに応えるべく、製造販売をするものです。
メカトロニクスデバイス(MD)事業は、新製品のホットエンドや画像検査機などの製造販売を第一歩として事業分野の拡大を目指していきます。
(※本文注釈一覧)
・ホットエンド:プラスチック樹脂を溶かして射出造形する部分であり3Dプリンターのキーパーツ
・FFF(Fused Filament Fabrication):溶解フィラメント加工法
・FDM(Fused Deposition Modeling):溶解積層モデリング法
・ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene):アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂
・PLA(Poly-Lactic Acid):ポリ乳酸樹脂
・PEEK(Poly Ether Ether Ketone):ポリエーテルエーテルケトン樹脂
・スーパーエンプラ:耐熱150℃以上で長期使用に耐えるエンジニアリング・プラスチック
■新開発構造により小型・軽量化を実現したFFF(※)/FDM(※)方式3Dプリンター用500℃ホットエンド
自己温度制御機能を持つPTCサーメットヒーターと、チタンノズル一体型構造により部品点数とサイズの極小化を図り、従来のホットエンドと比較して圧倒的な小型・軽量化・高速熱応答性・小電力・高信頼性を実現いたしました。さらに小型・軽量から得られるメリットとして、ヘッド位置決め精度の向上や多種材料と同時にプリンティングするためのホットエンドの多連化においても、3Dプリンターの小型化に大きく貢献いたします。
【名称・型番】
ホットエンド 3DF-500ASK-01(仮)
【使用温度】
最高500℃
【ヒーター、温度センサー】
PTC(※)サーメットヒーターにて自己温度制御
標準25℃16Ω、TCR(※) : +0.003%/℃
【フィラメント】
φ1.75 mm用
【ノズル穴径】
φ0.4 mm標準(φ0.2/0.6/0.8mm等のオプションも予定)
【電源電圧】
DC24V Max.(制御回路別途必要)
(※)FFF:Fused Filament Fabrication
(※)FDM:Fused Deposition Modeling
(※)PTC : Positive Tempertature Coefficient
(※)TCR : Temperature Cofficient Resistance
■ 画像検査機 ATK-001
【特長】目視で困難でも自動検出の為、検出漏れがない
【仕様】カメラ画像による表面検査で微細な表面欠陥を自動検出
【用途】外観検査、表面検査、表面キズ、歪み検査
■ 画像検査機 ATP-001
【特長】表示器品質の確認、検出漏れがない、製品外観/印字/ビスの確認
【仕様】画像による動作特性を判定、画像による自動判定
【用途】電気的検査、点灯パターン自動検査
■ 卓上クリーンBOX
【特長】簡単即時設置、標準仕様による即時納入、ローコストクリーン化
【仕様】作業台サイズに合致
【用途】簡単クリーン作業
■エーシックについて
所在地:京都府宇治市広野町西裏37-1
TEL:0774-41-3777 FAX:0774-44-6575
設立:平成4年(1992年)3月
代表者:代表取締役 神野 勝
社員数:51名
※発光ダイオード、センサを中心とした電子機器用部品、電子回路ユニットの開発・製造・販売のベンチャー企業です。お客様のニーズに合ったユニークなカスタム製品の開発を武器に着実に成長を続けてまいりました。おかげさまで、平成16(2004)年には京都市ベンチャー企業目利き委員会よりAランク認定を、平成17(2005)年には京都府中小企業モデル優良企業の認定を、平成19(2007)年には京都中小企業優秀技術賞を、平成20(2008)年には経済産業省中小企業庁から「元気なモノ作り中小企業300社」に選ばれました。
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企業情報
企業名 | エーシック株式会社 |
---|---|
代表者名 | 栗林 智国 |
業種 | 精密機器 |
コラム
エーシック株式会社の
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