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大分高専が半導体人材を育成するリスキリング講座を開催〜ディジタル回路の設計から検証まで実践形式で学ぶ〜

 独立行政法人国立高等専門学校機構 大分工業高等専門学校(大分県大分市 校長:山口 利幸 以下「大分高専」)情報工学科の 井上 優良 講師がディジタル回路の基礎から実際の設計までを演習形式で行う講座「リスキリングのためのディジタル回路設計講座(基礎編及び検証編) ~FPGAで始めるHDL回路設計 ~」において講師を務めました.

セミナーの様子.受講者がPCとFPGAボードを使った演習に取り組んでいます

【実施概要】

イベント名:リスキリングのためのディジタル回路設計講座(基礎編及び検証編) ~FPGAで始めるHDL回路設計 ~

開催日:2023年8月23日(水)~24日(木) 全日9:30~16:30

会場名:大分高専

講 師:大分高専 情報工学科講師 井上優良

主 催:大分県LSIクラスター形成推進会議

講師の井上優良がディジタル回路の設計方法を説明

 

【実施目的】

 昨今,急拡大する半導体関連分野では専門人材の不足が問題となっており,大分県内でも喫緊の課題となっています.大分高専では半導体関連人材の育成に力を注いでおり,その一環として大分県内の半導体関連人材育成を推進することを目的に大分県LSIクラスター形成推進会議主催のもとリスキリング講座を開催する運びとなりました.本講座は半導体分野の一つであるディジタル回路設計をテーマとしています.中小企業からも参加がしやすいように無償で参加でき,自社での製品開発へスムーズに移行できるように,実際に手を動かす演習を中心としたものとなっています.

 

【実施内容】

プログラム

8/23(水) 1日目 基礎編 :ディジタル回路の基本、HDLによる回路設計の基本、HDLによる順序回路の設計

8/24(木) 2日目 検証編 :HDLによるカウンタの設計、HDLによるステートマシンを用いた制御器の設計,シミュレータを用いた動作検証

 

 ディジタル回路の設計手法を学びスキルアップしたい大分県内企業の方を対象に本講座を開催しました.本講座は2日間に渡ってそれぞれ入門編,検証編で構成されています.このディジタル回路設計は,回路の設計図を描いていく訳ではなく,プログラミング言語のようなHDL(Hardware Desctiption Language:ハードウェア記述言語)と呼ばれる言語を使って書くという方法で実現されています.本講座の特徴的な点として,受講者が実際に回路の設計を行い,その動作をFPGA(Filed Programmable Gate Array)と呼ばれる集積回路が載った実機やシミュレータを用いて確認をしていく実践形式であることが挙げられます.初日は入門編となっており,ディジタルとは何か,アナログ信号との違い,ディジタル回路がどのようなところで使われるのか,といった基礎的な内容から始まり,ディジタル数字を表示させるといった実用的な回路の設計を行いました.2日目は時計やタイマーにも利用されるカウンタ回路の設計や複雑な制御回路の設計を行うとともに,その動作を確かめるための方法の一つであるシミュレータの使い方を学びました.この2日間のコースを通して,基本的な設計の方法を学び,設計した回路が想定した動作になっていることを確認するという一連の流れを掴んでもらうところまで実践形式の演習を行いました.また,各企業さまの開発イメージを膨らませて頂くために,今回学んだ内容をさらに高度にした複雑な制御回路の実装例として,信号機や自販機の制御をモデル化したデモ機の展示も行いました.

ディジタル表示を行う回路の設計を行う受講者
自販機の制御を模したデモ機の展示

 今回の開催では,当初想定していた募集人員10名を超える9社13名の方が参加されました.演習形式であるため行き詰まる受講者もいますが,井上講師の研究室の学生たちが補助員として参画し,エラー解消の助言などきめ細やかなサポートを行いました.その結果,セミナー後のアンケートでは全員が満足と回答しており,「FPGAには素人だったが、基礎的な設計手法が学べて良かったです。業務に活かすことができそうです。」「初めて、HDLを触るような人でもわかるように基礎的なところから教えて頂いたので話が頭に入ってきやすく理解しやすかったです。」「内容のステップ毎にコーディング、ボードで確認する流れで理解しやすい。ボリュームも適切であると思います。」といった感想を頂いております.今後さらにレベルアップした内容や,継続開催の声も頂いているところであり,次回開催に向け検討を進めていきます.

補助学生(奥)が受講者(手前)をフォロー

 

【講師プロフィール】

 大分高専 井上優良 講師は有明工業高等専門学校に在学中の頃からFPGAを利用した回路設計をテーマに研究開発を行っています.大分高専着任後は情報・電子回路教育を実践する高専共同研究グループICLab.の一員として主にディジタル回路設計分野の教育に従事しています.また,近年では大分県庁や大分県農林水産研究指導センター,県内企業と共同で,画像処理を用いた農工連携技術の研究開発にも携わっています.

ICLab. ホームページ: http://www.iclab.jp/

 

大分工業高等専門学校について

 大分工業高等専門学校は,昭和38年に設立された国立の高等教育機関です。機械工学科,電気電子工学科,情報工学科,都市・環境工学科の4つの学科と,平成15年に設置した機械・環境システム工学専攻,電気電子情報工学専攻の2つの専攻科を有しており,これまで本科卒業生・専攻科修了生合わせて約8,400名を輩出してきました.「地域共創テクノセンター」や,本校の技術振興会である「大分高専テクノフォーラム」をはじめとして地域との連携や地域産業への貢献という役割を担いながら,「人間性に溢れ国際感覚を備え,探求心,創造性,表現能力を有する技術者の養成」に取り組んでいます。

【学校概要】

学校名: 独立行政法人国立高等専門学校機構 

大分工業高等専門学校(大分高専)

所在地: 大分県大分市大字牧1666番地

代表者: 校長 山口 利幸

設立: 1963年4月

URL: https://www.oita-ct.ac.jp/ 

事業内容: 高等教育機関(高専)

 

【お問い合わせ先】

独立行政法人国立高等専門学校機構

大分工業高等専門学校 総務課総務係

TEL:097-552-6075(受付時間:平日9:00~17:00)

e-mail: somu@oita-ct.ac.jp



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企業情報

企業名 独立行政法人国立高等専門学校機構
代表者名 谷口 功
業種 教育

コラム

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