アイキャッチ画像

日本における治療抵抗性うつ病患者におけるケタミン点滴治療の効果と副作用に関する報告

名古屋麻酔科クリニックでは疼痛治療として長年使用してきたケタミン点滴が、うつ病や希死念慮の症状緩和に劇的な改善をもたらすと海外で研究・報告があることから、メンタル疾患に対してケタミンクリニックを開設しています。慢性痛患者ではうつ病を併せ持つことがほとんどであり、ケタミン点滴後に気分障害への効果について評価をしてきました。患者150人以上、総回数1000回以上の実施結果より、8割ほどの患者が効果を感じており、悪心めまい等の一時的な副作用が少しある程度で、大きな問題や副作用はありませんでした。ただ、長期の治療によりケタミン依存症が起こることも考えられ、適正な使用方法や適応基準を守ることなどが重要であり対策は必要と考えます。

名古屋麻酔科クリニック(所在地:愛知県名古屋市)は、治療抵抗性うつ病などのメンタル疾患に対するケタミン点滴の効果や副作用、またその危険性などについて初めて報告します。

 

背景:

ケタミンはもともと全身麻酔や鎮静剤として使用されていましたが、がん疼痛の鎮痛剤で使われもします。また医療以外ではストリートドラッグとしての乱用も社会的な問題として取りあげられたりします。以前からケタミン点滴が治療抵抗性うつ病に有効であるとの研究があり、海外では10年以上にわたりケタミンクリニックとしてうつ病患者などにケタミン点滴が実施されてきました。従来の薬に比べ、ケタミン点滴による症状緩和は迅速であり、うつ病や希死念慮に劇的な改善をもたらすことが示されています。また、自殺予防にも役立つとされています。米国では、ケタミン点滴によるうつ病治療が多く研究され、効果的であることが報告されています。多くの患者が優れた緩和効果を報告しており、長期的な副作用も報告されていません。

 

ケタミンクリニック開始の経緯:

麻酔科では、かつてケタミンが全身麻酔導入薬として使用されていましたが、現在はあまり使用されていません。しかし、緩和医療やペインクリニックなどで難治性疼痛やがん疼痛の鎮痛薬として使用されています。名古屋麻酔科クリニックでは、疼痛治療としてケタミン点滴治療を以前から継続しており、その際に慢性疼痛に併存するうつ病などのメンタル疾患にも効果があることが分かっていました。


慢性疼痛ではうつ病などメンタル疾患を併存していることがほとんどです。8割とも9割とも言われています。当院でのケタミン治療を要するような難治性疼痛の患者さんも同様に、8~9割が抗うつ薬を服用しているなど、うつ病などメンタル疾患を併せ持っています。ケタミン点滴後には、痛みの評価とともに必ず気分障害のチェックもされます。そして今回患者150人以上、総回数1000回以上のケタミン点滴を実施してきた結果をまとめ、日本人うつ病患者に対してケタミン点滴を実施した効果について、また副作用などの問題がないかについて報告致します。

 

ケタミン点滴の方法と結果:

ケタミンクリニックでのケタミン点滴は、一般的に3~6回をセットとして2~3週間の短期間に行われ、以降月1回程度の維持療法が行われます。点滴時間は、ケタミンの量、患者さんの状態、副作用の有無などで一律ではありませんが、20分から40分ほどかかります。その後しばらく、個人差もありますが1時間ほど安静の後、問題なければ帰宅となります(車の運転は24時間厳禁です)。

今回の評価した慢性痛、うつ病併存に対してのケタミン点滴はセットではなく、単回投与のものです。1回投与するとしばらくは間隔を開け再投与されることが多くありました。効果をまとめると、8割ほどのうつ患者さんはその都度効果を感じています。それはほとんどの場合、点滴直後に実感できるものです。頭がリセットされる感じ、クリアに物事を思考できる、不安がなくなる、などと言われます。ただ、1回の点滴では持続期間はほとんどの場合が1、2日間ほどです。その後少しは楽になっているかについては、あまり明確ではありません。過去の点滴では、セットのように連続して行うことをしてきませんでしたので、最近はじめたような数週間での6回実施などを行えば、効果が持続することは考えられます。

 

副作用については、点滴時に軽度の幻覚や錯覚のような視覚的な変化がよく見られます。吐き気やめまいもときにありますが、点滴後にはほとんどすぐになくなります。また、点滴時には状況によって呼吸抑制が起こり、息をするのを忘れて酸素飽和度が低下することがありますが、呼びかけに応じ深呼吸をすれば正常に戻ります。長期的なまたは重大な副作用はありません。ただ、一つの問題点として、依存症があります。ケタミン点滴では、依存症はあまり起こらないとも言われていますが、実際には患者のケタミン摂取量や頻度、特性によっては依存症が発生することがあります。しかし、適正な使用方法と適応基準、さらに患者との良好な治療関係と厳格な治療指針が守られれば、依存症に関する問題は解決されると考えています。知識と経験に基づいた適切なケアによって、安全にうつ病を治療していきます。

 

当クリニックでは、2023年より「ケタミンクリニック in 名古屋麻酔科」として、気分障害、強迫性障害、PTSDの治療を自由診療として提供しています。日本初のケタミンクリニックとして、革新的でエビデンスに基づいた、思いやりのある方法を通じて、治療抵抗性のメンタル疾患に苦しんでいる方々を支援していきます。

 

 

ケタミンクリニック in 名古屋麻酔科
https://nagoyamasui.com/%E3%82%B1%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%99%82%E6%B3%95%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6



ログインするとメディアの方限定で公開されている
お問い合わせ先や情報がご覧いただけます

添付画像・資料

添付画像をまとめてダウンロード

企業情報

企業名 名古屋麻酔科クリニック
代表者名 鳥居 圭
業種 医療・健康

コラム

    名古屋麻酔科クリニックの
    関連プレスリリース

    名古屋麻酔科クリニックの
    関連プレスリリースをもっと見る

    • クリックして、タイトル・URLをコピーします
    • facebook
    • line
    • このエントリーをはてなブックマークに追加

    プレスリリース詳細検索

    キーワード

    配信日(期間)

    年  月  日 〜 年  月 

    カテゴリ

    業界(ジャンル)

    地域