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【子どもの誕生日の調査結果】困窮家庭は3割がプレゼントを諦め、 2割がケーキを諦めている。子ども時代に当たり前に経験する内容「子どもの体験格差」がコロナ禍で拡大

コロナ禍における「子育て家庭の格差」と「子どもの体験の格差」を明らかにし、今後の支援方針の策定を目的に、子育て家庭2,994世帯に対して行った「Withコロナ時代における困窮家庭の子どもの『体験格差』について」の調査結果第二弾を発表。対象は「困窮家庭」と「一般家庭」で両者を比較し、今回は特に「子どもの誕生日」の格差について確認しています。

2008年から延べ約4万人以上の子どもたちにサンタクロースとの思い出を届けている特定非営利活動法人(NPO法人)チャリティーサンタ(所在地:東京都千代田区、代表理事:清輔夏輝)は、チャリティーサンタが関わる子育て家庭2,994世帯に対して、「Withコロナ時代における困窮家庭の子どもの『体験格差』について」の調査を2021年10月~12月に実施しました。調査結果を「困窮する子育て家庭(以下「困窮家庭」)」2,118世帯と、「それ以外の子育て家庭(以下「一般家庭」)」876世帯に分け、両者を比較することでコロナ禍における「子育て家庭の格差」とそれに応じた「子どもの体験の格差」を明らかにしています。今回は調査結果の第二弾として、「子どもの誕生日について」を中心に確認した内容を発表いたします。

 

▼ ニュースリリース【調査結果】「Withコロナ時代えにおける困窮家庭の子どもの『体験格差』について※発表動画あり」(「チャリティーサンタ」公式ウェブサイト):https://www.charity-santa.com/news-release/research2021mcf/

 

▼ 2021年12月16日付・調査結果発表第一弾プレスリリース「コロナ禍で突きつけられた『子育て格差』。3千世帯調査で、困窮家庭の55%は昨年クリスマスプレゼント無し、『新しい本を求めている』は、困窮していない家庭の5倍超。」https://www.value-press.com/pressrelease/286766

 

 

■Withコロナ時代において困窮家庭の子どもの体験のあり方や支援について考えるための調査を実施

「Withコロナ時代における困窮家庭の子どもの『体験格差』について」の調査は、子育て家庭の約3千世帯を対象に、「本来子ども時代に当たり前に経験するであろう内容(=子どもの体験)」に注目した、数少ない本格的な民間調査です。調査結果を困窮家庭と一般家庭の比較や、「世帯毎の子どもの人数による影響」をクロス集計することで、Withコロナの社会における困窮家庭の子どもの体験のあり方や、今後の支援の受け方に関して考えるインサイトを導出しています。

 

困窮家庭は、新型コロナウイルス感染拡大の影響以前からイベントなどへの参加がしづらい状況にあり、情報を得る機会の欠如などもあり、孤立しがちな状況にあると考えられています。また、金銭的・時間的制約から親子がともに過ごす十分な時間を持ちづらく、心の安定や親子ともに自己肯定感が育ちにくい状況にあるため、将来への希望や選択肢を持たないまま成長することが貧困の連鎖を断つことを困難にしている一要因と考えられています。

 

こうした状況を受け、以下2つの内容を確認することを目的として本調査を2021年10月~12月に実施いたしました。

 

1.新型コロナの慢性化に伴う、困窮世帯の家庭の状況を明らかにするとともに、子どもの体験の不足感や保護者の喪失感の状態を確認する

 

2.「子どもの体験や思い出」を支援する団体として、今後の活動の指標となる数値を調査する。特に「子どもの誕生日」について確認する

 

調査は、NPO法人モバイル・コミュニケーション・ファンドが行う「ドコモ市民活動団体助成事業(2021年度)」の「活動テーマ3:新型コロナウイルス感染症により影響を受けている子ども等の実態調査活動」からの助成を受けて実施しています。

 

 

コロナ禍で「してあげたかった(けれどしてあげられなかった)」エピソード

 

「急激な経済力の悪化で、子供たちの習い事は全て辞めさせた。受験希望だったのに転校で白紙にさせた。」

 

「休校になったときに、家にネット環境がなくてオンラインでの課題ができず、子供に肩身の狭い思いをさせてしまいました。」

 

「室内で遊ぶおもちゃを買ってあげたかったが経済面で買ってあげられなかった。」

 

「もし感染してしまったら、仕事を休まなければならないので収入は減るし、何より命を危険に晒すことはできないです。家族の人生全てが、ひとり親である私の肩にずっしりとかかっています。」

 

「1番下の子の一歳のお誕生日の日に、誕生児には食パンにヨーグルトを塗ってサツマイモを飾ったケーキを用意したが、上の子たちの分のケーキが無くて、1番上の子が静かに泣いていた」

 

「私が体調を壊し、働けなくなり、日々の生活が大変苦しくなってしまいました。

子供はもし私がいなくなるのなら、自分も一緒に死にたいと泣きながら寝ます。

私もとても辛いです。」

 

「主人が亡くなってから毎日朝から晩まで必死に働いていますが、コロナ禍で収入は激減し不安と余裕のない毎日です。子供達の心のケアをしなければと思いながらも、仕事に追われて母親として子供達のためにやれていないことばかりです。子供達との時間を、もっと大切にしたいです。」

 

「子供が焼肉食べたいとか外でご飯を食べたいと言ってきても金銭的に苦しくて連れていけなかった事、新しい服が欲しいと言われた時も、今有る服でどうにかしてと言って我慢させてしまった事、子供が求めている事にほとんど応えることができなかった。その為子供は、どうせ言っても無理だから、と要求してこなくなりました。それが申し訳なくて辛いです。」

 

「おまつりや地域のイベント、無償や安いイベント等も無くなり、無料で行ける動物園や水族館等も閉鎖や予約制になったり…。お金が無い家には、どこにも連れて行ってあげることが出来なくなりました。住まいが古く汚い都営住宅ですし、スペースも無く散らかっているのでオンラインイベントに参加する事も躊躇してしまい申し込む勇気はありませんでした。」

 

「コロナの影響もありなかなか就職先も見付からず、環境の変化で経済面や生活面においてかなりのストレスを抱えてしまった為、衣類や靴など買ってあげたくても買ってあげられなかったり(ゲームやおもちゃ等はもってのほか)

何処かに連れていってあげたくてもそれも出来ず食事も同様でした。

『いいよいいよ、要らない』『お金かかるからいいよ』と子供にいつもかなり気を遣わせています。仕事にありつけた今もコロナで儲けが出ないから、と減給の日々で結局あまり状況は変わっていません。子供の気遣いも同様です。」

 

「新しい本を買ってあげたい。新しいドリルを買ってあげたい。パン屋さんのパンを買ってあげたい。身体を動かすのにボールを買ってあげたい。小さなことができないです。」

 

 

 

■困窮家庭は一般家庭に比べて誕生日は外で過ごせていない。さらに子どもが増えるとプレゼントの準備も苦に

「お子さんの誕生日について、行ったもの・準備したものを教えて下さい」という設問では、「レジャーなどのお出かけ」「外食」「(家庭内での)特別な食事」において、家の外での過ごし方に、困窮家庭と一般家庭の差が顕著にあらわれました。

 

プレゼントについては、困窮家庭では、子どもの人数が増えるほど準備できなくなる傾向にある一方、一般家庭は人数による影響はみられませんでした。また、困窮家庭の約5%が誕生日を一切お祝いしていないと答えているのに対して、一般家庭は0.6%と約10倍の差が出ています。

 

定性コメントには、「年に一度の誕生日すら満足に祝うことすらできない自分が本当に情けなくて、抱きしめながら2人で泣いて過ごした」など、親からの悲痛な叫びや自責の念に押し潰されそうな様子も散見されました。

 

 

■誕生日ケーキは困窮家庭・一般家庭ともに何よりも優先して準備するものという様子が浮きぼりに

お子さんの誕生日に準備したものではどの項目でも困窮家庭と一般家庭において一定の差異がありましたが、なかでも「ケーキ」は最も差が少なく、苦しい状況においてもケーキだけはなんとか準備しようとしている様子がわかりました。また両方の層において、ケーキは子どもの人数が増えても影響はみられませんでした。

 

一般家庭のうちケーキを準備していない3.1%の家庭は、ケーキが不要の年齢の乳児や、一般枠で回答しているが実質的には困窮家庭であると思われる家庭が多いと推測されるため、実質的にはほぼ100%に近い家庭が誕生日にケーキを準備していると考えられます。

 

定性コメントでは、「ケーキのみ準備してプレゼントは準備できなかった」「ケーキの支援があったためプレゼントの予算が捻出できた」などの声がありました。

 

 

■困窮家庭が誕生日の準備で抱く感情は、一般家庭に比べ「切ない」が7倍、「しんどい」が5倍

「お子さんの誕生日を準備する中で、どのような感情になったか」という設問では、困窮家庭は子どもの人数が増えると「楽しい」「嬉しい」は減り、「お金がかかって大変」は増える傾向にありました。一方、一般家庭では子どもの人数が増えると「楽しい」「嬉しい」が増えることがわかりました。

 

特に困窮家庭では、「切ない」が約21%で一般家庭の7倍、「しんどい」は約10%で一般家庭の5倍、それぞれ感じていることがわかりました。

 

 

■調査結果を踏まえて2022年度は「困窮家庭の誕生日の支援」を中心に取り組む

コロナ禍での「体験格差」に関する調査結果により、子育て家庭の中でも困窮家庭がよりしんどくなり、さまざまな子どもの体験をあきらめている割合が相対的に高いこと。それと同時に、保護者はあきらめさせた経験を通じて、親子ともに劣等感やあきらめを感じることが明らかに増えていることがわかりました。これらの結果を通してチャリティーサンタでは、2022年度は以下2つの支援を中心に取り組んでいきます。

 

1.「頼る相手がおらず、しんどさが高い家庭」への支援モデル作り(今回の対象では約300世帯が該当)

 

2.優先度が最も高い「困窮家庭の子どもの誕生日」への支援

ケーキ店と連携し「誕生日ケーキ」を困窮家庭に届ける新しい事業の構築(岡山でテスト実施中、以後順次エリアを拡大予定)

 

 

■「Withコロナ時代における困窮家庭の子どもの『体験格差』について」調査概要

調査対象:NPO法人チャリティーサンタの顧客である子育て家庭。主に2〜10歳程度の子どもの保護者(0〜18歳まで対象)

・一般家庭は、自らクリスマスプレゼントを準備し、寄付として3000円を払ってサンタを呼ぶ家庭

・困窮家庭は、主に金銭的な理由などでクリスマスのお祝いをするのが困難のため、無償でサンタを呼ぶ(もしくはプレゼント送付を希望する)家庭。おもに、ひとり親の経済的困窮家庭、闘病中の家族がいる家庭、親子が死別した家庭など

調査人数:約30都道府県の2,994世帯

(内訳)一般の子育て家庭:876世帯、困窮する子育て家庭:2,118世帯

調査期間:2021年10月1日~12月9日

調査方法:オンラインアンケートフォームにて回答

協力:調査票の作成や分析においては、「IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]」代表者・川北秀人氏に助言・協力をいただきました。

助成: 2021年度ドコモ市民活動団体助成事業「活動テーマ3:新型コロナウイルス感染症により影響を受けている子ども等の実態調査活動」

 

 

■チャリティーサンタの活動について

チャリティーサンタでは、「子どもたちに愛された記憶を残すこと」をミッションとして掲げ、「子どものために大人が手を取り合う社会」を目指し、活動を展開しています。2008年に活動を開始し、2014年にNPO法人化を果たしました。

 

全国30都道府県42支部で行う「サンタクロースの訪問活動」をはじめ、全国500書店と協働する「ブックサンタ」、全国の困窮する子どもを支援する団体とのネットワークづくりなど多岐にわたって活動しています。現在は、クリスマスを超え、1年を通じて困窮する子どもたちへ体験を届ける活動の仕組み作りを行っています。

 

 

【特定非営利活動法人(NPO法人)チャリティーサンタについて】

所在地:〒102-0072 東京都千代田区飯田橋1-8-9 ニューシティハイツ飯田橋707

代表者:代表理事 清輔(きよすけ)夏輝

設立:2008年9月(NPO法人化2014年4月)

電話番号:050-3586-0859

URL:https://www.charity-santa.com/

事業内容:

・クリスマスイブの夜にサンタクロースに扮したボランティアが小さな子どものいる家庭にプレゼントを届ける「サンタ活動」

・一般の個人・法人からの寄付を募り、困難な状況にある子ども・保護者へ無償で支援を行う「支援活動」

・他NPO法人、企業や自治体と手を取り合って仕組みをつくる「連携事業」

 

 



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企業情報

企業名 NPO法人チャリティーサンタ
代表者名 清輔夏輝
業種 その他サービス

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