メルヴィルに挨拶するために
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『白鯨』の仏語訳者ジオノによる評伝的小説 『メルヴィルに挨拶するために Pour saluer Melville』と 『逃亡者 Le Déserteur』の舞台は外国である。 『白鯨』の作者が生まれた米国という外国、『逃亡者』ではフランス人の主人公が スイスという外国へ亡命し、そこで画家としての生涯を過ごす物語である。
ジャン・ジオノ(著)山本 省(訳)
四六判
並製
304ページ
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-7791-2793-9
ISBN 13
9784779127939
ISBN 10h
4-7791-2793-9
ISBN 10
4779127939
出版者記号
7791
Cコード
C0097
初版年月日
2022年1月
書店発売日
2022年1月12日
紹介
『白鯨』の仏語訳者ジオノによる評伝的小説
『メルヴィルに挨拶するために Pour saluer Melville』と
『逃亡者 Le Déserteur』の舞台は外国である。
『白鯨』の作者が生まれた米国という外国、『逃亡者』ではフランス人の主人公が
スイスという外国へ亡命し、そこで画家としての生涯を過ごす物語である。
『メルヴィルに挨拶するために』は『白鯨』の仏語訳をリュシアン・ジャックとともに
完成したジオノが、その序文として書いた作品である。自著の出版交渉のために訪れたロンドンの出版社はメルヴィルの条件すべてを了承した。旅の道中、二週間、メルヴィルは行き当たりばったりに歩き回るのだか、途中、偶然にもアデリーナ・ホワイトという女性と出会い、両者は互いに相手に対し、不可思議とも形容できる精神的な友情を覚える。その精神感応に満ちた神秘的な時を過ごすも、またすぐに別れることとなったメルヴィルは『白鯨』を、彼女のために全身全霊を込めて書くのだった。しかしアデリーナがその作品を読むことはついになかったのである。
作品中の作家メルヴィルのなかに、人見知りの激しい人間でありながら、機が熟すると文学に没入するというジオノ自身の性格が投入されているのである。この作品はジオノの最高傑作の一つでもある。
『逃亡者』では、主人公の画家が、それまで所属していた社会から、経緯は一切不明ではあるものの逃亡することとなり、祖国フランスからも脱出しスイスに潜入することとなる。逃亡者としての主人公を、ある地方長官が保護することとなり、生活の場と食糧が提供される。主人公は絵の才能を持ち合わせていた。彼は長官の奥さんを描くことによって感謝の気持を表現するのだった。
小説家にしても画家にしても、芸術家は世俗の富や名声とはほぼ無関係であると考えていたジオノにして作り出されたであろう作品である。事実を単になぞることが体質的にできなかったジオノは、実在の芸術家の伝記を書こうとしても、自分自身の姿をほぼ必然に作家や芸術家に投入してしまうことになるのである。
著者プロフィール
ジャン・ジオノ (ジャン ジオノ) (著)
Jean Giono.1895~1970.
作家。プロヴァンス地方マノスク生まれ。16歳で銀行員として働き始める。1914年、第一次世界大戦に出征。1929年、長編小説『丘』がアンドレ・ジッドに認められ出版。第二次世界大戦では徴兵反対運動を行う。1939年、逮捕される。1953年の『木を植えた男』はジオノ没後、20数か国語に翻訳された。
邦訳書に『蛇座』(山本省訳、彩流社、2021年)、『純粋の探究』(山本省訳、彩流社、2021年)、『大群』(山本省訳、彩流社、2021年)、『本当の豊かさ』(山本省訳、彩流社、2020年)、『青い目のジャン』(山本省訳、彩流社、2020年)、『丘 岩波文庫』(山本省訳、岩波書店、2012年)、『ボミューニュの男』(山本省 訳、彩流社、2019年)、『二番草』(山本省 訳、彩流社、2020年)、『世界の歌』(山本省訳、河出書房新社、2005年)、『気晴らしのない王様』(酒井由紀代訳、河出書房新社、1995年)、『いかさまトランプ師の冒険』(酒井由紀代訳、河出書房新社、1997年)、『木を植えた男』(山本省訳、彩流社、2006年、他多数翻訳あり)、『屋根の上の軽騎兵』(酒井由紀代訳、河出書房新社、1997年)、『喜びは永遠に残る』(山本省訳、河出書房新社、2001年)、『憐憫の孤独』(山本省 訳、彩流社、2016年)などがある。
山本 省 (ヤマモトサトル) (訳)
Satoru Yamamoto. ヤマモト・サトル
1946年、兵庫県生まれ。フランス文学者、信州大学名誉教授。1969年、京都大学文学部卒業。1977年、同大学院博士課程中退。1978年、信州大学教養部講師、のち農学部助教授、教授。2012年、定年。ジャン・ジオノを研究・翻訳。
著訳書に『ジオノ作品の舞台を訪ねて』(山本 省 著、彩流社、2017年)、『憐憫の孤独 フィギュール彩』(ジャン ジオノ 著、山本 省 訳、彩流社、2016年)、『天性の小説家 ジャン・ジオノ フィギュール彩』(山本 省 著、彩流社、2014年)、『丘 岩波文庫』(ジャン・ジオノ 著、山本 省 訳、岩波書店、2012年)、『ボミューニュの男』(ジャン ジオノ 著、山本省 訳、彩流社、2019年)、『二番草』(ジャン ジオノ 著、山本省 訳、彩流社、2020年)、『青い目のジャン』(ジャン ジオノ 著、山本省訳、彩流社、2020年)、『本当の豊かさ』(ジャン ジオノ 著、山本省訳、彩流社、2020年)、『大群』(ジャン ジオノ 著、山本省訳、彩流社、2021年)、『純粋の探究』(ジャン ジオノ 著、山本省訳、彩流社、2021年)、『蛇座』(ジャン ジオノ 著、山本省訳、彩流社、2021年)、『南仏プロヴァンスと信州の文学と自然』(山本 省 著、ほおずき書籍、2009年)、『弦楽四重奏 文庫クセジュ』(シルヴェット・ミリヨ 著、山本 省 訳、白水社、2008年)、『オーケストラ 文庫クセジュ』(アラン・ルヴィエ 著、山本 省、小松 敬明 訳、白水社、2008年)、『日本のオート=プロヴァンス―信州松本の四季折々』(山本 省 著、ほおずき書籍、2008年)、『ジャン・ジオノ紀行 南仏オート=プロヴァンスの人と自然』(山本 省 著、彩流社、2006年)、『木を植えた男』(ジャン・ジオノ 著、山本 省 訳、彩流社、2006年)、『世界の歌』(ジャン・ジオノ 著、山本 省 訳、河出書房新社、2005年)、『南仏オート=プロヴァンスの光と風 ジャン・ジオノの故郷を旅する』(山本 省 著、彩流社、2004年)、『喜びは永遠に残る』(ジャン ジオノ 著、山本 省 訳、河出書房新社、2001年)、『近似値 フランス近代作家論集』(シャルル・デュ・ボス 著、山本 省 編訳、彩流社、1993年)、『ヴァイオリン族の楽器 文庫クセジュ』(マルク・パンシェルル 著、小松 敬明 との共訳、白水社、1983年)などがある。
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企業情報
企業名 | 株式会社 彩流社 |
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代表者名 | 竹内 淳夫 |
業種 | 新聞・出版・放送 |
コラム
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