習近平政権ブレーンの胡鞍鋼教授が来日、「十九大」での習主席の理念・政策を紹介

日本僑報社の著者である清華大学国際研究センター主任、同大公共管理学教授の胡鞍鋼氏が、11月7日午後3時から衆議院第二議員会館で「十九大」(中国共産党第十九回全国代表大会)で示された習近平国家主席の理念、政策などについて講演を行った。(報告:篠原功氏)

習近平政権ブレーンの胡鞍鋼教授が来日、「十九大」での習主席の理念・政策を紹介

日本僑報社の著者である清華大学国際研究センター主任、同大公共管理学教授の胡鞍鋼氏が、11月7日午後3時から衆議院第二議員会館で「十九大」(中国共産党第十九回全国代表大会)で示された習近平国家主席の理念、政策などについて講演を行った。(報告:篠原功氏)

◆習政権の政治と政策を第三者の立場で研究

胡氏は「十九大」が世界的に注目されたとし、トランプ米大統領が習国家主席に「素晴らしい」とメッセージを送り、習国家主席も「中米首脳会談で共同未来を築いていく。中米関係が進むことを期待している」とトランプ米大統領に伝えたことに触れた。そのうえで胡氏は「トランプ米大統領の訪中の際には中米関係が大きく進むことを期待している」と語った。

また、胡氏が所属している清華国際研究センターは、中国の25のシンクタンクの一つで、「十九大」の研究を進めてきたとし、「第三者の立場から習政権の政治と政策について分析してきた。特に習国家主席の思想、集団的指導シスムの構築と政治について研究してきた」と語った。

「十九大」が終了したのちに出てきた報告については、「大変難しく、神様から授かった本を読むみたいだった」と述べ、「習国家主席の思想等を研究することで、中国の正確な姿を知ることができる。特にその政策や理念については人民を中心とした発展が挙げられる」と述べた。

この点について胡氏は「中国は決して一党独裁・専制国家ではなく、国を治めるために人民を中心とした発展思想や理念を掲げている。さらに最も大きなものは理論的革新であり、これは大変重要で、政党の目的でもある。その発展について現在、理論武装をしているところだが、中国が政権として実施しているのは諸外国とは大きく異なる」と強調した。

具体的には「諸外国は選挙を中心として政権を形成しており、主に中産階級をターゲットにしているが、中国は14億人民全体に政策を満遍なく行き渡らせるのが方針である。経済発展と中国共産党の指導で重要なのは、確固とした政治思想を持つことだ」と語った。

◆個人崇拝ではなく人民を中心とした国家形成

「十九大」では、「党理論の革新、習理論の創出が挙げられるが、習思想がどのようにして生まれたのか、それをどのようにして具現化するのかをまとめた書物は膨大なページ数に上り、中国の指導者においてかつてない、しっかりとした理念と政策を打ち出している」と述べた。

この点について胡氏は「これまでの指導者はもとより、毛沢東が建国以降に出したものをはるかに超えていた。これが実現できたのは強い中国共産党中央と指導者がいたからだ。しかも『十九大』が打ち出した方向や理論は、世界のどこを見渡しても、膨大な文字にして明確化した指導者はいないだろう。私が所属している清華大の学生にも言っているが、しっかりとした論文は数字が必要だ。また、強い党中央と集団指導体制がないと、強い指導者も生まれない」と力説した。

さらに胡氏は「十九大」で示した戦略で重要なのは「人民を中心とすることだ」と改めて強調。「これまで国際的・国内的・学術的にも個人崇拝が行われているのではないかと喧伝されているが、人民は歴史的創造者であり、党と国家の命運を決める国家のリーダーも軍のトップも人民と総合的に交流することが重要であり、習国家主席も全身全霊で人民に尽くすと言っている。また、毛沢東も党による大衆路線を堅持してきた。人民がよりよい生活を行うことが党と習国家主席の目標である。人民をもって歴史的な偉業を達成しようということになる」と語った。

◆所得水準を向上、西側の現代化をはるかに凌駕

胡氏はリンカーン米大統領の「人民の、人民による、人民のための政治」という名言を引用し、当時のアメリカは4000万人ほどの人口だったが、今の中国は14億人の人口を抱えている。しかし、中国は人民をもってそれを達成すると表明した。習国家主席の思想を党の規定に書き、発展理念を示したことは、直面しているすべての問題解決に繋がる。60年代に毛沢東が言っていたように物質は精神になり、精神は物質になる」と強調した。

また、習国家主席の「人民中心の思想」は、彼が作り出したものではなく、中国共産党内における歴史的伝承であるとし、「その初心は一切変わっていない。毛沢東、鄧小平、江沢民、胡錦涛というように歴史的に踏まえてきたものである。その継承には革新的なものが含まれており、習国家主席が人民を中心にするという発展思想を打ち出した背景には、中所得水準から高所得水準に向かい、さらにハイレベル所得水準に入るという段階を踏まえている」と述べた。

「このように発展のためにヒューマンリソースを高めていくことが重要であり、まさに人民の発展を中核に備えていくことを明確化している。マルクス、エンゲルスは『自由の発展の一つは夢』と言ったが、今日の中国はいままさにそれを実践しようとしている。発展の実質的な現代化は人民の現代化であり、物質的な現代化ではない。これが実現できれば、西側の現代化をはるかに超えるだろう」と強調した。

また、「発展の主体は人民であり、発展のエンジンは人民の積極性・創造性の向上である」とし、「すべての人民が革新的・創造的に新事業を展開することになる」と語った。

◆中国共産党は選挙中心ではなく「人民中心」

2017年の新規ビジネスは3400万件以上であり、それに携わる人民は9000万人を超えている」と強調。その創業人口は「近い将来、日本の総人口を超えるだろう。その意味で生産力を保護することが課題ではあるが、人民中心ということは、あくまでも中国共産党の根本姿勢である」とし、「中国共産党は選挙中心ではなく、人民中心である」と語った。

胡氏は、「そのことによって政権の連続性や正当性を維持しており、人民中心の発展のためには次のような政策を打ち出している」と説明を加えた。

まず、すべての人民が社会的発展を立脚点とし、方向性を示している。その一つが革新的グリーンをよりオープンにし、社会的再生産や和諧が持つ発展の評価課題については、人的発展のサイクル指標を導入し、評価分析を行うことにしているという。

その意味で「ゆりかごから墓場まで」を評価対象としており、健康・教育・文化指標に分けて分析をしているとし、それは第13次五ヵ年計画にも反映されており、すべての人口の教育水準アップを中心に、就業面においては毎年新しい場を作り出していく。さらに社会保険、医療保険、年金保険も全人口をカバーしていく方針。そのため人為的発展を促進し、社会の発展を促していくことになると語った。

また、創造的発展については、「起業家精神をはるかに超えるものであり、その中には科学者・技術者・人民・共産党の創造創新というあらゆるものを含んでおり、中国共産党における14億人民の革新・創造は、新時代における創造性あふれたものとなっている」と語った。

◆『十九大』では2035年、2050年を視野に

さらに中国にいける特許は、世界一の受理件数を誇っており、その数字はアメリカを超えて世界一になっている。さらに特許法については、アメリカは1790年に、日本は明治維新の時代に制定されているが、中国の特許法は1984年に制定されているとし、今後も「無から有、小から大へと、中国が世界を引っ張っていくことになるだろう」と推察した。

「過去5年、革新的思想・創造をもって国家の発展の推進を主張してきた。そしてそのため創造のエネルギーを提供してきた。すでに2050年までに創造的発展ビジョンを打ち出している。特に科学技術の強化、品質の強化、ネットによる強化を国家発展の戦略として掲げている」と語った。

最後に胡氏は、「創造は中国の発展の重要なキーワードになっており、2020年達成目標のうち特に科学技術は発展速度を速めて目標を達成している。『十九大』では2035年、2050年を見据えて発展ビジョンを打ち出している」と結んだ。



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