星野リゾートと北海道大学大学院環境科学院の産学連携活動の持続可能な観光創造の可能性が評価

 「星野リゾート トマム」などを運営する星野リゾート(所在地:長野県北佐久郡軽井沢町、代表:星野佳路)と北海道大学大学院環境科学院との長期的な産学連携活動に関する研究論文が、観光の学術誌「Journal of Sustainable Tourism」に3月23日、掲載されました。同誌が注目するのは、社会・経済的な利益をもたらしながら環境資源や地域の文化遺産を尊重するという、持続可能な観光です。今回掲載された論文は、産学の大規模な連携における珍しい成功例であるとともに、持続可能な観光の大きな可能性を示すものとして評価されました。

7年目の産学連携活動、環境と観光の両立する地域づくりを目指す

 星野リゾートが経営するトマムと北海道大学大学院環境科学院は2011年4月13日に産学連携・協力に関する基本合意書を締結し、環境と観光の両立する地域づくりを目指しています。トマムは、「雲海テラス」やスキー場、アイスビレッジやエリア内自然環境を研究の場として提供してきました。

 北海道大学大学院環境科学院では、2010年からトマム山頂付近で雲海に関する気象データや撮影などを開始し、2012年には、トマム山観測所を設置しました。それによって得られた雲海発生のメカニズムを「雲の学校」や「雲海ガイドツアー」といった、「知って」「触れる」体験型の観光プログラムとして、トマムと共同で開発しました。また、地元小学生を対象とした講座「川の学校」「雪の学校」の開講や、アイスビレッジにおける「氷のラボ:雪の結晶レプリカづくり」など、観光資源としての価値向上と環境教育の普及につなげました。

 トマムと北海道大学によるワークショップの定例開催や、同大学院生による「雲海の科学的な情報が観光客の行動に与える影響」の研究対象となるなど、学生の育成にも貢献しています。2012年からは、教育分野での連携を望む占冠村も交えた産学官の三者連携に発展しました。

 

持続可能な観光国際年に向け、トマム以外でも活動

 星野リゾートでは、ありのままの自然を受け入れ、楽しみ、その存在の豊かさを体感することを目的としたプログラムを開催しており、その活動を観光客のみならず、地元占冠村の小中学生にも伝えていきたいという思いがありました。それに対して、観光を環境教育の普及の場と見る北海道大学大学院環境科学院が積極的に関与し、産学連携活動の実施に至りました。

 国連は2017年を「持続可能な観光の国際年」と制定しています。星野リゾートは北海道大学と今後も連携を深め、活動フィールドをトマム以外にも広げることを視野に入れています。今後も、北海道、日本各地における環境保全、観光の振興、環境教育の普及、これからの社会を担う学生たちの人材育成など、社会に貢献する活動を進めていきます。

 

【ご参考】

・掲載論文の内容

 「Knowledge sharing between academic researchers and tourism practitioners: a Japanese study of practical value of embeddedness, trust and co-creation:(学術研究者と観光プラクティショナー間の知識共有:エンベデッドネス、信頼、共創の実際価値に関する日本の研究事例)」

 

著者:樋口ゆかり(北海道大学大学院環境科学院)と山中康裕(同大学院地球環境科学研究院)

掲載雑誌:Journal of Sustainable Tourism

公表日:英国時間 2017年3月23日(木) (オンライン公開)

http://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/09669582.2017.1288733

 

 自然環境をアトラクションとする観光は、過去20年間で最も急成長している観光セクターであり、すべての国際旅行の約10〜20%が自然体験に関連しています。この急速な成長を効果的に運営していくためには、科学的知識が不可欠です。本論文では、研究者と観光事業者が、形式知(明文化が可能な知識)だけでなく、個人や組織の内部に蓄積されていた経験・価値観・専門的推論といった暗黙知を共有し、いかにして観光体験に新しい価値を共同創出したかを明らかにしています。

 

・学術誌「Journal of Sustainable Tourism」について

 観光に関する学術誌のトップ3の一つと言われる。1992年開催の地球サミットで「持続可能性」が国際社会に広く認識されたのをきっかけに、1993年持続可能な観光普及のため英国で創刊された。持続可能性に注目して観光に大きな変革を呼び起こそうとしており、観光による経済振興に重きを置いた他の学術誌とは一線を画している。同誌が特に重視するのが(1)観光を社会科学と自然科学の両視点から研究すること、(2)経済、社会、文化、政治、組織、環境といった複数の側面から捉え観光実務と結びつけた学際的かつ包括的な研究をすること、である。

 

▼Journal of Sustainable Tourism 公式サイト

http://www.tandfonline.com/toc/rsus20/current

 

星野リゾート

代表:星野佳路

所在地:長野県北佐久郡軽井沢町星野

設立:1915年

事業内容:ラグジュアリーブランド「星のや」。温泉旅館ブランド「界」、リゾートホテル「リゾナーレ」の3つのブランドを中心に、国内外で37施設を運営する。

資本金:1,000万円

従業員数:2,069名(2015年11月現在)

URL:http://www.hoshinoresort.com/

 

北海道大学

総長:名和豊春

所在地:北海道札幌市北区北8条西5丁目

設立:1876 年

大学紹介:「フロンティア精神」「国際性の涵養」「全人教育」「実学の重視」という基本理念を掲げ、世界的水準の教育研究活動を行う基幹総合大学。

URL:http://www.hokudai.ac.jp/



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企業情報

企業名 星野リゾート
代表者名 星野佳路
業種 旅行・観光・地域情報

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