2016年「トリリオンIoT(IoTセンサ)」に関する潜在需要調査(グローバル調査)・検証

株式会社ESP総研(東京都港区、代表取締役:村岡 正悦)は、市場調査レポート“2016年「トリリオンIoT(IoTセンサ)」に関する潜在需要調査(グローバル調査)・検証”を発刊しました。

■はじめに

 

調査の目的・当該レポート企画の背景 *新世代M2Mコンソーシアム 木下理事へのヒアリング結果から抜粋(以下)

 

1)今まで、センサの数は人の10倍で500億個あるいは700億個と言ってきた。それを2016年になってから1兆個に変えた。700億個と1兆個との違いであるが、一人10個ではなく、一人150個としたからである。一人10個ならばそれぐらいまで行くのかなとは思うが、一人150個と言われると、そんな世界が来るのかなといったイメージを誰もが持っている。そこで、実際にちゃんと数(可能性:潜在需要規模)を積み上げて行き、1兆個(トリリオン)に行く場合には行くよというのをちゃんと調査・検証したいというのが今回の調査目的である。

2)人の150倍ということは、今、ヒト一人が持っているデバイスも含めて150個あるという意味を指すが、その部屋に二人いた場合には300個と計算できる。近い将来においては、そこら中に有り余るぐらいのIoTデバイス・M2Mデバイスがあるよというのがトリリオンの世界である。

3)まず、そこに向けて、色々な団体や色々な研究会が動いている。一番トリリオン(1兆個レベルの潜在需要規模があること)を期待しているのは、MEMSデバイスのプレイヤーであろう。MEMSというのは小さい。消費電力も低い。何の為に活動しているのかというと、1個1個は今よりも小さくなってしまうことから、1個に拘っているとお金を稼げなくなってしまうからである。ということは数を売るしかない。数を売る市場はどこにあるかであるが、もはやコンシューマではなく、IoTやM2Mでしかない。

4)しかも100億個を売ったとしても、半導体屋はペイしない。やはり1兆個のオーダーが売れなければ、MEMSプレイヤーは儲からない。従って、MEMSの人達が儲かるために、1兆個を売らなければならないといった発想から来ている。ただ、あまり非現実的なことを言っても仕方が無いため、本当にそういった規模の市場があるのかを調査・研究しましょうと提案したい。

5)半導体のプレイヤーから見れば、それはシステム屋が考えることであって、我々は良いデバイスを作るだけだと言っているが、それではいけないと皆思い始めてきている。デバイス屋も一生懸命調査しているし、システム屋と一緒になりながら調査や普及活動を行っている。IoTはありとあらゆる業種に関係してくるため、インターネットと同じように、全業種が関係するということは、それだけ数が増える可能性はある。

6)過去、色々な学術論文や会社が、ビジョンを言っている。色々な各社が言っているビジョンを何となく総花的に線を引っ張った人がいる。2016年の人口は、50億から70億ぐらいのところにはいっている。そこでは、一人1つマシンデバイスを持っている。例えば、スマートデバイスまでを考えれば2~3個持っていることから、十分そこには至っている。

7)今後も伸びるはずだと予測している人がいるが、それは人間周りではないところまでを埋め込めるから伸びるのだと解釈している。次のターゲットは人口の10倍というものがあり、そして最後に人口の150倍というものがある。そこの人口の150倍、トリリオンと書いてあるラインが1兆個となる。さらにそれをずっと伸ばせば、人口の1,500倍あるいは人口の15,000倍といった世界になる。そうなると、人の周りというよりは、殆どが原野だったり森林だったりする。例えば1m四方に1個埋め込まれているだけで、何十兆といった世界になってしまうが、そういったことが本当に来るのか。

8)トリリオンセンサーズビジョンといった言い方をしているが、アバンダンスといった言葉がある。無駄、冗長といった意味である。つまり、有り余るほどあるというのが、アバンダンスの世界である。使っていようが使ってまいが、そこら辺にセンサが入っているよというのが、アバンダンスとなる。具体的には、ボッシュ、ヒューレット・パッカード、インテルなど色々なプレイヤーがトリリオン数字が来るよということを言っている。

9)色々な現場があって、色々な分野があるが、色々なものが埋め込まれる可能性がある。日立製作所では想定セグメントを12のビジネスにしたが、例えば日立製作所では最近水を追加して、12個のBUにした。ただ、色々な周辺技術が高まってこなければ、1兆個の世界は実現できない。まず、センサの技術は絶対必要である。超小型のMEMS、超低消費電力、かつ超低価格のデバイスができれば、1兆個に行く可能性はある。キーワードはMEMSとプリンティッドエレクトロニクス、要するに印刷して回路を作ってしまう。そうすると印刷だから安い。例えばバンドエイドみたいなところに回路を印刷する、紙に回路を印刷することができれば良い。2つ目に、ネットワークにはお金が掛かっている。ただ、スマホほどではない(月額スマホは5,000円払う)。500円以下ではあるが、それでもタダではない。最近タダの長距離無線が非常に流行っている。低消費且つ長距離のワイヤレスはLPWAというが、Low Power Wide Areaの技術が必須となる。3つ目にエナジーハーベストで、電池というのは必ず入ったら小さくならないし高くなるし、寿命も悪くなるし、色々な意味で環境発電が必要となる。

10)但しちゃんとセンサノードが動く電力が供給できて、且つ小型で低価格のものが出てこなければいけないよねということで、この3つの技術がトリリオンを実現する為に重要な技術と見ている。

11)ではどういった分野が期待できるか。例えば、社会インフラ/環境/防災/農業モニタリング分野で1兆個以上のニーズがあるよというのは粗々で調査してみた。その結果、社会インフラ/環境/防災/農業モニタリング分野では1.3兆個だった。ただ、まだスマートヘルスケア/ウェアラブルシステムやコネクティッドカー/UAV&ロボット、産業/製造業/エネルギーシステム分野においてはまだ調査をしていないことから、今回調査・検証を実施したいと考えている。

12)センサの技術が要るが、色々なセンサがある。例えば、位置や歪み、ねじれ、振動などのセンサがあるものの、今は高かったり大きかったりするため、もっともっと改善が必要である。

13)インスパイヤとセンサをかけてセンスパイヤといった言葉があるが、これは次世代センサ協議会が言っている。センサは、センシングしてデータをただ送るだけでは面白くないため、センサノードを賢くして、ちょっとした処理ができるようにしておく。処理を行うとデータ量も下げられるし、それから答えにより近づくため、トラフィックも増大しないし、非常にエッジで、処理する方が色々な意味で賢い。要するにエッジコンピューティングのことなのであるが、エッジコンピューティングを言い換えてセンスパイヤといった言い方をしている。そういったような技術も最近出てきている。

14)これは日立製作所の例ではあるが、2.5mm角で色々なものに使える汎用の歪みセンサを(MEMSで)開発した。これは今までの1,000倍ぐらいの感度となっている。例えば1km先に何かゲージみたいなものを突き出しておいて、板を1km先まで伸ばしておき、その板が1mm揺れたらこちらで感じることができるような、それぐらいの感度で物凄く感度が良い。

15)センサモジュールであるが、小さなモジュールで安くできる。センサは色々な人が研究している。次世代センサ協議会、トリリオンセンササミットなどである。後者では、色々なトリリオンの世界を研究しているというのが一般的な動向である。

16)次に無線が重要と言える。飛ぶ距離で無線を分類したものがあるが、10m、20mぐらいのRFIDみたいなものもあれば、携帯電話みたいにグローバルに飛んでいくような電波もある。LPWAは、10km飛ぶ一方で、Wi-FiやBluetoothよりはビットレートが低い(伝送速度は)。例えばセンサネット・M2Mであれば、温度を出したり湿度を出したりするだけであるため、そんなにビットレートは要らない。従って伝送速度は低いものの、むしろタダで長距離を飛ぶような無線が必要で、そういった意味のLPWAは今凄く流行っている。

17)それで今怒涛のごとく多く出てきたLPWAのベンチャー比較をしている。5km、ものによっては10km飛んだりする。これは全てタダ(無料)であるため、一回装置を買ってしまえば、月額費用は要らない。また、LTEやナローバンドLTEなどもある。

18)次にエナジーハーベストも技術として要る。1mmワットぐらいの電力が必要である。今可能性があるのは太陽光発電と振動発電と排気口の熱発電で、この辺で1mmワットぐらいは取れる。これはM2Mに使える。低周波にしたり広帯域にしたりするなど、色々と技術的な研究が行われている。こうしたセンサと無料の無線と、エナジーハーベストなど、トリリオンの為に必要な技術を簡単に紹介した。

19)4つから5つのセグメント候補の中から、社会インフラといったセグメントを挙げた際、本当にニーズはあるのか、需要はあるのか、を粗粗で調べた。果たして、スマートヘルスケア/ウェアラブルシステムやコネクティッドカー/UAV&ロボット、産業/製造業/エネルギーシステム分野でトリリオンになるのか、しっかりと調査・検証して欲しい。

20)社会インフラ分野でどんな調査を実施したのかというと、まずは社会インフラの事例、IoTが使われる事例を抽出して、何個センサを使うのか、何個センサが売れるポテンシャルを持っているのかを調査した。

21)例えば、道路は世界で30メガキロメートル、1m当たり3個付けたとしたら、90ミリオン個必要などである。また、橋梁は世界で70万キロの柱がある(距離にして)。色々な構造物があることから、1m当たり平均5個ぐらい付けたとしたら、3.5ビリオン個ぐらい売れるはずだと試算した。高速道路は2.1ビリオン個ぐらい売れるはずだと試算した。3つ足しただけでも100ビリオン個、つまり1,000億個ぐらいとなった。1兆個というのは1,000億のセグメントが10個なければならない。

22)トンネルは意外と無い。トンネルだから1m当たりに1個付けたとしても、1.2ビリオンで、10億個くらいにしかならない。次に鉄道の電線は13ミリオン、1.2ビリオン個くらいとなった。山手線や京浜東北線など、とりあえずJR東日本の電線に全部日立製作所のセンサが付いていく(100mに1個、10mに1個といった)前提で試算した。また、免震ビルディングに付けて240ビリオン個、1,000億個(世界中)。火力発電は24ビリオン個。クレーンのような機械にも付けて、24ビリオン個。環境モニタリングで世の中の環境に付ける。実はこれが一番多い。1.5億平方kmの森林があるが、20mに1個、20m四方にセンサを1個もし置いたとしても、750ビリオン個必要となる(世界中で)。従って7,500億個くらい世界で必要となる。農場の場合は125ビリオン個。今言ったようなものを全部足し算すと、社会インフラ分野で1,300ビリオン個=1.3トリリオンとなる。社会インフラのセグメントで、粗々で計算したら一応1兆個は超えましたというのが論文の答えである。

23)ただ、車はよく考えなければならない。本当にIoTでネットワーキングするセンサデバイスは実は何個ぐらいか。リスクもあるし、ブレーキに直接関わるようなECUはあまりデータを引っこ抜かない方が良い。コネクティッドカーはいったいセンサが何個ぐらいあるのか。今あるセンサの数をインクルードで良い。今こんなセンサがあって、ネットワーキングされていないものの、ネットワーキングされたら1個とカウントすれば良い。それ以外にどういったセンサがあるのか。車だけではなく、UAV:アンマンドアウェアヴィクルで要するに人が乗っていない、ロボットにもあるだろうし、ドローンみたいなものもある。そこにAGVも入ってくる。要するにビークル物で、モバイルやビークル物はいったい何個ぐらいあるのか。また、BtoBで産業、オフィス、製造業、エネルギーなどといったところのセグメントでもIoTは何個ぐらいセンサが要るのか。そうやってセグメントに分け、社会インフラで1.3兆個あるよと言ったと同じようなサーベイ調査・検証ができないか、と考えている。

24)今後の課題は大したことを言っていないが、標準化をちゃんと見ていかなければならない。また、センサや無線のチップの低価格化が必要だということが言える。まだまだ技術課題が山積している。寿命の問題、エッジコンピューティングの問題など色々あるが、トリリオンIoTを実現するために必要な実装と技術、必要な研究技術、この2つは纏めている。分野が今4分野と見ているが、他にもオフィス機器などにはあまり注目していない。オフィス機器は、割と意外と数がある。オフィスの中でIT物、ITではない物があるが、そういったものを全部足すとどうなるのか。

 

今回、当レポートを発行するにあたり、企画立案者として、新世代M2Mコンソーシアム 木下 泰三 理事 ならびに新世代M2Mコンソーシアム トリリオンタスクフォースメンバの西野良祐氏には、ご多忙にも関わらず多大なるお力添えを頂いた。当レポートの企画立案時から共同で作業を進めてきたが、おかげさまで内容の更なる充実を図ることができた。レポート作成のためにご尽力頂いた木下理事ならびに西野良祐氏にはこの場を借りて心から深く感謝申し上げると共に、この調査報告書が「トリリオンIoT(IoTセンサ)」関連ビジネスに着眼する全ての皆様のマーケティング活動に貢献できることを心から切に望むものである。

 

■調査対象

・トリリオンIoT(IoTセンサ) 全般 *センサデバイス(コネクトデバイス) *今回の調査ではあらゆる種類の「センサ」をシーズ(調査対象)とした。

 

■サブタイトル

~ あらゆる種類の「センサ」を中心に、用途や適用分野(ヒト、モノ、エリア・場所別)を抽出(網羅的な調査を実施)、 大分類・中分類・小分類でセグメント分け。その後、用途や適用分野の基本統計を抽出&(エビデンスを)抜粋。用途や適用分野毎にあらゆる種類の「センサ」 潜在需要(数量ベース、金額ベース)を徹底して調査。その後、集計・グラフ化を行い調査報告書を作成。ワールドワイドで見て、1兆個(トリリオン)の潜在需要があるかどうかを調査・検証した~

 

■調査方法

・弊社専門調査員によるオープンデータの収集ならびに電話ヒアリング、クローズドデータの収集、プラス弊社内データベースの活用により調査・分析を行った。

 

1)センサ(センサ 全種類)の用途・適用分野×網羅的な調査:用途・適用分野の種類を従来の分け方に加え、ヒト・モノ・エリア&場所の3セグメントを追加

2)次に抽出するべき「セグメント(ヒト・モノ・エリア&場所)」キーワードを確定

3)掲げた用途・適用分野の基本統計データ(数量ベース)を抽出(日本国内、海外統計)

4)センサの実態調査 →センサ単価調査、どの分野が先に普及するのかなど網羅的にヒアリング

5)用途・分野毎に、普及予測テーブルAからDを決定

6)用途・適用分野ごとに、例えば 道路であれば10メートルにつきセンサ3個などの普及ロジックをヒアリング

7)用途・適用分野毎に今後5年間の普及予測を実施

8)用途・適用分野別に数量・金額を計算(今後5ヵ年での需要規模算出など)

9)グラフ化&調査の結論

 

【手順】

(1)セグメント分けについては、「センサ」の用途・適用分野の調査を実施した後、公開データをベースに抽出・分類。

(2)エビデンス(公開統計など)は公開情報を抽出する他、公的な各種団体が把握している公開統計値も活用。

(3)上記(1)(2)を基に、どの程度の間隔に1個センサデバイスが必要か、といったロジックを基に各分野別のセンサ・デバイスの潜在搭載(活用)数(センサの潜在需要規模:数量ベース中心)を試算。

(4)最終的には、センサ・デバイスの潜在搭載(活用)数 を合計し、セグメントごとにトリリオン(兆個)の検証調査を行った。

 

■調査&レポート期間

・2016年7月1日(調査開始)~2016年12月24日まで網羅的な調査を実施した。その後、レポーティング(コメント集計&分析)を実施し、2016年12月24日にコメント集計&分析ならびにグラフ化・コメント化が終了した。

 

【企画・調査・分析・レポーティング・監修・編集】

1)企画・監修・編集:ESP総研 村岡 正悦、新世代M2Mコンソーシアム 理事 木下泰三、新世代M2Mコンソーシアム トリリオンタスクフォースメンバの西野良祐

2)調査・分析・レポーティング:ESP総研 田嶋 樹里、清水 美月、新世代M2Mコンソーシアム トリリオンタスクフォースメンバなど

 

■トータル・ページ数(報告書)

・87ページ *別途、Ⅳ.公開統計抽出 編(適用分野、応用分野、用途(場所・エリア、対象分野など) )は456枚

 

■目次(詳細)・URLはこちら↓

https://www.espers.co.jp/?p=8724

 

■頒価

本体価格180,000円 + 税 *CD-R(PDF)タイプ(全てカラー)

 

【会社概要】

会社名   :株式会社 ESP総研  http://www.espers.co.jp

所在地   :東京都港区東新橋2-10-10 東新橋ビル2F

設立   :1999年8月19日

代表者   :代表取締役 村岡 正悦

事業内容 :「市場調査」事業、「未来予測」事業、「映像宣伝」事業

 

◆本件に関する報道関係からのお問い合わせ先◆

窓口:ESP総研 「トリリオンIoT(IoTセンサ)」調査部門

TEL : 03-5762-8136  FAX : 03-5762-8036

E-mail : info@espers.co.jp



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企業情報

企業名 株式会社 ESP総研
代表者名 村岡 正悦
業種 その他サービス

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