AUTOSAR仕様準拠スケーラブルリアルタイムOS「eMCOS AUTOSAR」を開発

イーソルはAUTOSAR仕様準拠「eMCOS AUTOSAR」を開発しました。限られた資源で厳しい性能が求められる車載制御ECU向けにハードリアルタイム性と省メモリを実現しています。eMCOSのスケーラビリティにより、ECUからADASや自動運転までをカバーする統合的な車載ソフト基盤を提供します。

2016年9月26日

報道関係者各位

イーソル株式会社

 

AUTOSAR仕様準拠スケーラブルリアルタイムOS「eMCOS AUTOSAR」を開発

~車載制御ECUからADAS、自動運転システムまでをサポートするスケーラブルな車載ソフト基盤を提供~

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川 勝敏、以下イーソル)は、シングルコアプロセッサからマルチ・メニーコアプロセッサまでをスケーラブルにサポートする世界初の商用リアルタイムOS「eMCOS」のAUTOSAR仕様準拠プロファイル「eMCOS AUTOSAR」を開発したことを発表します。限られた資源で厳しい性能が求められる車載制御ECU向けに、すぐれたハードリアルタイム性と省メモリを実現しています。コア数の違いに加え、オンチップフラッシュマイコンやGPU、FPGAなどアーキテクチャが異なるヘテロジニアスなハードウェア構成をサポートするeMCOSのスケーラビリティにより、パワートレイン、ボディ、セーフティなどの制御ECUから先進運転支援システム(ADAS)や自動運転システムまでをカバーする統合的な車載ソフトウェア基盤を提供します。

 

イーソルが開催する「eSOL Technology Forum2016『IoT時代のソフトウェアプラットフォーム』」(開催日:2016年9月27日、会場:東京コンファレンスセンター・品川)にて、eMCOS AUTOSARの解説とデモを行います。

 

eMCOS AUTOSARはAUTOSAR Release 4.2.1に準拠し、基本機能を定義するSC(Scalability Class)1およびメモリ保護に関する拡張を規定するSC3に適合しています。eMCOS本体は、一つのカーネルで複数のコアを扱う従来のリアルタイムOSと異なり、すべての各コアにマイクロカーネルを配置する分散マイクロカーネルアーキテクチャを採用しています。これにより、ECUで使われるオンチップフラッシュマイコンから高性能なメニーコアプロセッサまでをサポートするスケーラビリティを実現しています。eMCOS AUTOSARは、AUTOSAR APIをマイクロカーネルの拡張モジュールとして実装することで、既存のAUTOSAR OSの同等以上の性能とメモリサイズをシングルコア環境でも実現しています。さらにeMCOSは、AUTOSARに加え、POSIXなどの標準APIをサポートしているため、別のプロセッサで動作するAUTOSARアプリケーションとPOSIXアプリケーションを分散システムとして構築することが容易です。マイクロカーネル間の通信に分散コンピューティングに最適なメッセージパッシング方式を採用しているため、実行されているコアやプロセッサが異なっても、アプリケーション間での高速通信が可能です。

 

eMCOS AUTOSARに加え、半導体ベンダから提供されるEclipseベースの統合開発環境にプラグインして利用するイーソルの「eMCOS IDE Plug-in」を用意しています。eMCOS IDE Plug-inには、eMCOSに特化した各種システム解析ツールやユーティリティが含まれています。今後、イーソル製リアルタイムOSベースシステム開発スイート「eBinder」に統合される予定です。さらに、モデルベース並列化ツール「eSOL MBP」や豊富な車載システム開発経験から得た技術や知見をバックにするコンサルティングサービスを組み合わせて、マルチ・メニーコア環境の車載ソフトウェアの設計・開発を強力に支援します。

 

イーソルは、2016年4月にAUTOSARのプレミアムメンバーとしての承認を受け、次世代のAUTOSAR仕様「Adaptive Platform」を含むAUTOSAR仕様策定に参加しています。また、米国Multicore AssociationではSoftware-Hardware Interface for Multi-many-core(SHIM)ワーキンググループのチェア、日本でマルチ・メニーコア技術の標準化を進める組込みマルチコアコンソーシアムでは副会長兼理事を務めています。さらに、国内外の主要メーカ、スタートアップ企業、名古屋大学や立命館大学等との共同研究を通じて、自動運転システムの性能要求を満たすRTOSの技術開発にも積極的に取り組んでいます。「あいち ITSワールド 2015/第19回名古屋モーターショー」(2015年11月)では、オープンソースの自動運転システム用ソフトウェア「Autoware」の実行環境としてeMCOSが実装された自動運転車のデモ走行が行われました。

 

イーソル株式会社 ソフトウェア技術統括責任者 兼 技術本部長 権藤 正樹 のコメント

 

「IoT時代の車載システムは、車内・車外のシステムとつながり、自システムの安全性やセキュリティを確保しながら、自律・分散・協調した動作が求められます。連携するさまざまなシステムには、要求される性能や機能に合わせて、省資源のオンチップフラッシュマイコンから高性能なマルチ・メニーコアまで、幅広いハードウェア技術が使われます。今回発表したeMCOS AUTOSARは、いわゆる『AUTOSAR Classic Platform』のサポートとなります。eMCOSのスケーラビリティを生かして、イーソルが仕様策定に参画しているAUTOSAR Adaptive Platformのサポートを視野に入れています。今後も、最新の世界標準AUTOSARのイーソルRTOS製品への反映を継続し、開発・設計ツールを組み合わせた次世代の車載ソフト開発支援をさらに強化してまいります。」

 

<補足資料>

▽ イーソル ホームページ:http://www.esol.co.jp/

 

*記載された社名、団体名および製品名は商標または登録商標です。

 

【本件に関するお問い合わせ先】

イーソル株式会社 マーケティング部

Tel : 03-5302-1360 / Fax : 03-5302-1361

e-mail : media@esol.co.jp URL : http://www.esol.co.jp/



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企業情報

企業名 イーソル株式会社
代表者名 長谷川 勝敏
業種 コンピュータ・通信機器

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