東日本大震災 復興のカギは「芸術・文化」―「GBFund」　第12回助成活動を決定―

伝統工芸の復活・産業化や、被災地とアーティストの新たな関わり方が始まっています

津波による工房流失で危ぶまれた柳生和紙の技術継承と伝統の復活、強度のある新素材開発に取り組んできた「潮紙和紙工房」が、いよいよ新たなデザインによる商品販売を目指します。また、被災者の思いを汲み取るアーティストの活動、「ヒューマンセレブレーション　三陸国際芸術祭2015」や「小森はるか＋瀬尾夏美巡回展『波のした、土のうえ』」などが、震災復興における芸術・文化の新しい方向性を示します。

公益社団法人企業メセナ協議会（理事長：尾﨑元規 [花王株式会社 顧問]、東京都港区芝 5-3-2）は、このたび 「東日本大震災 芸術・文化による復興支援ファンド：GBFund」の第 12回助成選考委員会を行い、新たに 15 件を 採択しました（一覧は次頁に掲載）。このうち、祭りや郷土芸能を支援する「百祭復興プロジェクト」では 5 件を採択。今回の助成総額495 万円。これまでの寄付総額累計は1億4,546万4,736円。

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■インタビュー「文化は日常、文化は栄養素」―ジャズピアニスト・小曽根真氏が語る

東北の方たちにとって、気持ち的に忘れられてしまうのが一番不安だと思います。「忘れないで支援を続けようとしている人間もいるから、それを信じて安心してください。」というメッセージを、寄付することで少しでもお伝えしたかったのです。そしてGBFundによってみなさんが元気になる、楽しくなるようなことが何か実現できることを願っています。

文化は日常に近いところにあって人間の心を豊かにするもの。娯楽や消費とは違います。生きることにおいて、文化はとても大切な栄養素。常に補充されていて、どこにでもあるものとして、手に届く範囲にあってほしい。生きているもの同士がエネルギーをみんなでシェアすること、これが文化です。人間の生きる五感をすべて使ってやりとりすることが、生きるうえで欠かせないことです。

※友人のミュージシャンたちと共同で作った東日本大震災の被災地を支援する「Live & Let Live」プロジェクトにより制作されたチャリティCDの売り上げを2011年よりGBFundに継続して寄付している。

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東日本大震災　芸術・文化による復興支援ファンド「GBFund」　活動状況

[2015年7月6日現在] 寄付総額1億4,546万4,736円、助成総額1億4,095万9,923円、助成活動件数239件

■GBFund（東日本大震災 芸術・文化による復興支援ファンド）

GBFund（ジービーファンド、G:芸術、B:文化、F:復興/ファンド）は、 2011年3月23日に企業メセナ協議会が立ち上げた芸術・文化による復興支援ファンド。趣旨に賛同くださった寄付者とともに、設立より5年間、被災者・被災地を応援する目的で行われる芸術・文化活動や、被災地の有形無形の文化資源を再生する活動を支援する。次回選考（第13回）は2015年10月を予定。

■百祭復興プロジェクト

GBFundの中で、郷土芸能や祭りを重点支援する目的で2012年3月に設置された助成枠。

■公益社団法人企業メセナ協議会

芸術・文化振興による社会創造を目的として、企業をはじめ文化に関わる団体が参加、協働する民間の公益法人。創造的で活力にあふれた社会、多様性を尊重する豊かな社会の実現に寄与すべく、企業メセナの推進を中心に、文化振興に関する調査・研究、認定・顕彰、交流、発信等の事業を行う。会長：髙嶋達佳（[株]電通会長）、理事長：尾﨑元規（花王[株]顧問）。

会員171社・団体／20名（2015年7月7日現在）。