富士通セミコンダクターの新画像表示LSI「MB86R24」のソフトウェア開発キットにイーソルのリアルタイムOSと開発ツールが標準採用

イーソルのマルチコアプロセッサ対応リアルタイムOSと開発ツールが、富士通セミコンダクターが本日発表したデュアルコアARM Cortex-A9 MPCoreプロセッサ搭載の車載機器向け画像表示LSI「MB86R24」に対応し、MB86R24向けソフトウェア開発キットに標準採用されたことを発表します。

2013年5月16日
報道関係者各位

イーソル株式会社


富士通セミコンダクターの新画像表示LSI「MB86R24」のソフトウェア開発キットに、マルチコアプロセッサ対応リアルタイムOS「eT-Kernel Multi-Core Edition」と開発ツールが標準採用


イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川 勝敏、以下イーソル)は、イーソルが開発・販売を行うマルチコアプロセッサ対応リアルタイムOS「eT-Kernel Multi-Core Edition」と開発ツール「eBinder」が、富士通セミコンダクター株式会社が本日発表したデュアルコアARM(R) Cortex(TM)-A9 MPCore(TM)プロセッサ搭載の車載機器向け画像表示LSI「MB86R24」に対応し、同社が開発・提供するMB86R24向けソフトウェア開発キットに標準採用されたことを発表します。業界最高クラスのグラフィック性能を誇るMB86R24ベースのシステム開発に、車載分野での実績も多数持つeT-Kernel Multi-Core EditionとeBinderを利用することにより、高品位なグラフィックスを表示するクラスターメーターなどの車載表示システムや工業用機器に必要な、高いリアルタイム性と信頼性の確保と、効率的な開発を実現できます。

MB86R24は、デュアルコアARM Cortex-A9 MPCoreプロセッサと、独立した2Dおよび3Dそれぞれの専用グラフィックコントローラが組み合わされた、高性能なアプリケーションプロセッサです。3D用グラフィックコントローラとして採用された、イマジネーションテクノロジーズ社の実績豊富なPowerVR(TM)グラフィックスIPは、独自のタイル ベース遅延レンダリング(TBDR)のアーキテクチャにより、優れた性能と低消費電力を実現しています。さらに、6つのビデオ入力、最大3つのディスプレイ出力と高速2D/3D描画機能を持つほか、車載ネットワークであるCAN、USB、Ethernetなどの車載LSIで必要とされるさまざまな周辺インターフェースが1チップに集約されています。

近年の車載情報システムは、車両に取り付けた複数のカメラで撮影した映像をリアルタイムに合成処理して一つの画面に表示する全周囲立体モニタシステム(注1)の搭載や、メータークラスターディスプレイ、センターディスプレイ、ヘッドアップディスプレイなど、車内に搭載される車載ディスプレイシステムの増加、速度や燃料残量といった基本情報に加え、ナビゲーション情報や再生中のオーディオ情報、カメラ映像や各種運転支援情報など、同一ディスプレイで表示される情報量そのものの増加、といった傾向があります。他のシステムと連携しながら、複数の大容量グラフィックスデータの同時処理を行い、高品位の洗練された2Dおよび3Dのグラフィックス表示を行うには、高いリアルタイム性と信頼性が欠かせません。

μITRONの次世代OSであるT-Kernelの性能とアーキテクチャを引き継ぐeT-Kernel Multi-Core Editionは、優れたリアルタイム性と、車載機器をはじめとする様々な採用実績が実証する高い信頼性が特長です。また、イーソル独自の「ブレンドスケジューリング」技術により、MB86R24上で対称型マルチプロセッシング(SMP)と非対称型マルチプロセッシング(AMP)を混在した柔軟なシステム設計ができます。さらにeT-Kernel Multi-Core Editionと緊密に統合されたeBinderが提供する、マルチコア向けソフトウェア開発に有用な豊富なツール・機能を利用することで、高品質なMB86R24向けソフトウェアを効率的に開発できます。eT-Kernel Multi-Core Editionには、POSIX仕様準拠リアルタイムOSを含む、システム規模と用途にあわせた3つのプロファイルがあり、ソフトウェア資産の共通化により効率的な開発ができます。また、ARM Cortex-A9 MPCoreに搭載された、マルチメディア/信号処理アルゴリズムを高速化するARM NEON(TM)テクノロジー(注2)に対応しています。

eT-Kernel Multi-Core EditionとeBinderは、イーソルのソフトウェアプラットフォーム「eT-Kernel Platform」の主要な構成要素です。このほか、各種ミドルウェア、プロフェッショナルサービスが含まれます。富士通グループのFujitsu Semiconductor Embedded Solutions Austria製3D対応HMI開発ツール「CGI Studio」は、eT-Kernelプラットフォームで動作実績があります。今後、市場のニーズに応じ、MB86R24向けソフトウェア開発キットやCGI Studioと統合して動作する、各種ドライバを含むランタイム製品の開発を予定しています。


富士通セミコンダクター株式会社 アドバンストプロダクト事業本部 映像ソリューション事業部部長 脇本 康裕 様 のコメント
「イーソルのリアルタイムOSと開発環境は、MB86R24の前モデルであるMB86R11、MB86R12でも実績があり、安定した動作と優れたリアルタイム性に定評があります。さらに今回の、ARM Cortex-A9 MPCoreデュアルコアプロセッサを採用したMB86R24を利用するシステム開発向けには、イーソルが持つマルチコアシステム開発の先進的な技術とノウハウに非常に期待しています。MB86R24を利用する高品位なグラフィックス表示システムの品質の確保と開発の効率化を進めるために、今後もイーソルとのパートナーシップを継続していきます。」

イーソル株式会社 執行役員 エンベデッドプロダクツ事業部長 上倉 洋明 のコメント
「車載表示システムは、今後ますます進化が進み、複数のマルチメディアデータの同時処理や、他システムとの連携、高品位な3Dグラフィック表示など、CPUとリアルタイムOSを中心とするソフトウェアプラットフォームに高い性能と品質が求められると考えられます。eT-KernelとMB86R24の前モデルのMB86R1xは、国内外の全周囲立体モニタシステムで多数の採用実績があり、その性能と品質は実証されています。これらの経験と実績をベースに、リアルタイム性と信頼性を持つeT-Kernelに加え、マルチコアシステム開発の技術とノウハウを組み合わせ、富士通セミコンダクターとの連携のもと、MB86R24ベースのシステム開発者を包括的に支援します。」


注1) 全周囲立体モニタシステム:株式会社富士通研究所が開発した、運転手の視界補助向けに車両全周囲を任意の視点でリアルタイムに表示する映像処理技術。

注2) ARM NEON テクノロジー:ARM Cortex-Aシリーズのプロセッサに対応する128ビットSIMD(Single Instruction, Multiple Data)アーキテクチャ拡張機能。ビデオ・エンコード/デコード、2D/3Dグラフィックス、オーディオ/ボイス/スピーチ処理、画像処理などのマルチメディア/信号処理アルゴリズムを高速化する。


<補足資料>
▽ イーソル ホームページ:http://www.esol.co.jp/

*記載された社名、製品名及びロゴは各社の商標または登録商標です。

企業情報

企業名 イーソル株式会社
代表者名 長谷川 勝敏
業種 コンピュータ・通信機器

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