東京工芸大学、『ナチュラルユーザーインターフェースに関する調査』を発表

東京工芸大学は、2012年2月15日〜2月22日の8日間、全国の15歳から49歳の男女を対象に、「ナチュラルユーザーインターフェースに関する調査」をモバイルリサーチで実施、1,000名(男女各500名、10代・20代・30代・40代各250名)の有効サンプルを集計しました。

ユーザーインターフェースの研究を行う東京工芸大学では、昨今普及が進む“タッチパネル”や“ジェスチャー認識”、“音声対話システム”といった、人間の五感や人間が自然に行う動作によって機械を操作する方法(=ナチュラルユーザーインターフェース)が、複雑化するIT機器を誰でも簡単に利用できるものに変えることが出来るのか、その可能性を探りました。


◆ タッチパネル化で「操作方法で困ることが減った」35.5%、ITリテラシーの低い層でも32.2%

ATMやカラオケのリモコン、自動販売機など様々な端末にタッチパネルの採用が進んでいますが、“使い勝手”は従来のボタンで操作する端末に比べて向上したのでしょうか。全回答者(1,000名)に対し、タッチパネルの使い勝手が従来のボタン操作と比較して良くなったかを、以下の項目毎にどの程度あてはまるか質問しました。

[項目1] 操作方法で困ることが減った
[項目2] 誤操作・誤入力(意図したとおりに動かないこと)が減った
[項目3] すぐに操作に慣れた
[項目4] 操作が楽しくなった
[項目5] 操作のストレスが軽減された

操作方法で困ることが減ったかどうかの評価を尋ねた[項目1]では、『あてはまる』(「非常にあてはまる」+「ややあてはまる」)が35.5%、『あてはまらない』(「全くあてはまらない」+「あまりあてはまらない」)が15.4%となりました。ボタン操作よりもタッチパネルの方が操作方法で困ることが減った、と感じている方が多くなりましたが、両者の間に大きな差は感じないとする選択肢の「どちらともいえない(ボタン操作と同程度)」が43.0%で最多回答となりました。
また、IT機器の習熟度別(どの程度IT機器が使いこせているかに対する回答別)に比較すると、習熟度が高い層では『あてはまる』が41.2%、低い層では『あてはまる』が32.2%となりました。IT機器の習熟度が高い層ほど操作方法で困ることが減った、との評価が高くなりましたが、習熟度の低い層でも3割強は困ることが減ったと感じているようです。

誤操作の頻度が減ったかどうかの評価を尋ねた[項目2]では、『あてはまる』が24.2%であるのに対し、『あてはまらない』35.8%、「どちらともいえない(ボタン操作と同程度)」34.0%となりました。触感による操作のフィードバックに乏しいタッチパネルは、誤操作の観点からすると、ボタン操作よりも劣っていると評価されているようです。

習熟の早さと操作すること自体の楽しさについて尋ねた[項目3]と[項目4]では、タッチパネルの方が優れているとの評価になり、[項目3]【すぐに操作に慣れた】で『あてはまる』が57.8%、[項目4]【操作が楽しくなった】で『あてはまる』が44.8%となりました。

タッチパネル化によって操作ストレスが軽減したかどうかについて尋ねた[項目5]では評価が分かれ、『あてはまる』が26.3%、『あてはまらない』が25.4%とほぼ同率になりました。
IT機器の習熟度別に比較すると、習熟度の高い層では『あてはまる』34.4%、『あてはまらない』28.6%となり、操作ストレスが軽減されたとの回答が多数派となりました。対して、習熟度の低い層では『あてはまる』17.1%、『あてはまらない』28.9%と、操作ストレスは軽減されないとの回答が多数派になりました。タッチパネル操作はIT機器の習熟度が低い層にとって、操作ストレスの軽減に繋がらないことが多いようです。


◆ NUI普及で「IT機器の操作が簡単になる」7割、「IT機器の活用用途が広まる」8割弱
◆ 「NUI採用のパソコンを使いたい」5割、40代で5割半

タッチパネルやジェスチャー認識、音声対話システムなどの、人間の五感や人間が自然に行う動作による操作方法(=ナチュラルユーザーインターフェース)は、多機能化・高度化が進む家電製品や情報端末を “誰でも簡単に取り扱える”ものにするために役立つのでしょうか。

全回答者(1,000名)に対し、ナチュラルユーザーインターフェース(以下、NUI)についての説明を行ったうえで、NUIを利用した製品が世の中に広まると、世の中や回答者自身に変化があると思うかを以下の項目毎に質問しました。

《世の中の変化について》
[項目1] 誰でも簡単にIT機器を利用できるようになる
[項目2] IT機器の用途が広まる
《あなた自身について》
[項目3] (キーボードやマウス操作ではなく)NUIが採用されたパソコンを使いたい
[項目4] 生活が豊かになる

NUIによってIT機器の操作が誰にとっても簡単になると思うかを尋ねた[項目1]では、『そう思う』(「非常にそう思う」+「まあそう思う」)が69.5%となりました。人間の五感を使った操作方法は複雑化するIT機器と利用者の間の垣根を取り去るのに役立つと考えられているようです。
また、既にタッチパネルやジェスチャー認識などの操作方法を体験したことのある方ほど『そう思う』とする割合が高くなり、スマートフォンを持っている方では『そう思う』75.5%、家庭用体感型ゲームのプレイ経験者では73.1%となりました。

NUIによってIT機器がより広い用途で活用されると思うかを尋ねた[項目2]では、『そう思う』が78.4%となりました。
また、体感型ゲームの経験者、特にコントローラーを持たなくても操作が可能なKinectのプレイ経験者では、『そう思う』が高く94.0%となりました。今年の2月にMicrosoft社からSDK(ソフトウェア開発キット、Kinect for Windows SDK)が公開され、様々な分野への応用が期待されているKinectですが、そのプレイ経験者は“NUIの普及によってIT機器がより広い用途で活用されるようになる”と予感しているようです。

NUIが搭載されたパソコンが登場した場合、利用したいと思うかを尋ねた[項目3]では『そう思う』が50.9%、『そう思わない』(「全くそう思わない」+「あまりそう思わない」)が41.3%となりました。
年代別にみると、高い年代ほど『そう思う』率が高くなり、30代で51.6%、40代で55.6%となりました。

NUIによって生活が豊かになるほどの変化があると思うかを尋ねた[項目4]では、『そう思う』が48.7%、『そう思わない』が41.1%となりました。5割弱の方はNUIが世の中に広まることで自身の生活が豊かになる、と感じているようです。
また、タッチパネルによって操作ストレスが軽減した方(263名)は『そう思う』率が高く68.8%となりました。

※リサーチ結果は、下記URLでも公開しております。
http://www.t-kougei.ac.jp/guide/release/


◆調査概要◆
◆調査タイトル :ナチュラルユーザーインターフェースに関する調査
◆調査対象 :ネットエイジアリサーチのモバイルモニター会員を母集団とする
15歳から49歳の男女
◆調査期間 :2012年2月15日〜2月22日
◆調査方法 :インターネット調査(モバイルリサーチ)
◆調査地域 :全国
◆有効回答数 :1,000サンプル(有効回答母数から1,000サンプルを抽出)
◆実施機関 :ネットエイジア株式会社

■■報道関係の皆様へ■■
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■■本調査に関するお問合せ窓口■■

東京工芸大学 学事部広報課
担当 : 田川、林
電話 : 046-242-9600/ FAX 046-242-9638  e-mail : university.pr@office.t-kougei.ac.jp

■■東京工芸大学 概要■■
東京工芸大学は、1923年(大正12年)、当時メディアの最先端であった我が国最初の写真の専門学校として設立されました。近年、工学部と芸術学部の2学部からなる特色ある4年制大学として、我が国初のアニメーション学科を創設し、更に2007年4月には東日本初となるマンガ学科を増設するなど、常にメディア芸術・コンテンツ芸術の発展に先導的役割を果たしてきました。
現在は、「工学×芸術=∞(無限の可能性)」という考え方のもとで工学部と芸術学部の様々な連携教育及び活動を進めており、創造性とオリジナリティーあふれる人材を育成しています。

理事長・学長
学校法人東京工芸大学 理事長 岩居文雄(いわい ふみお)
東京工芸大学 学長  若尾真一郎(わかお しんいちろう)
所在地
法 人 本 部 東京都中野区本町2-9-5
中野キャンパス 東京都中野区本町2-9-5
厚木キャンパス 神奈川県厚木市飯山1583
ホームページ
http://www.t-kougei.ac.jp/

設置学部・大学院等 (学生数4,688名:2011年5月1日現在)
【工学部】
メディア画像学科、生命環境化学科、建築学科、コンピュータ応用学科、電子機械学科
【芸術学部】
写真学科、映像学科、デザイン学科、インタラクティブメディア学科、アニメーション学科、
ゲーム学科、マンガ学科
【大学院】
工学研究科、芸術学研究科

企業情報

企業名 ネットエイジア株式会社
代表者名 三清慎一郎
業種 ネットサービス

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