相手の反応に応じて技を変える―フルコンタクト合気道覇天会が「流転」を重視した組手強化練習を実施、25年以上にわたり組手を実践してきた藤崎天敬師範が直接指導
国際合気道連合 フルコンタクト合気道 覇天会(宗家・筆頭師範:藤崎天敬師範)は、10月の第30回フルコンタクト合気道選手権大会に向けて2026年9月19日、横浜関内教室、20日渋谷教室、横浜綱島教室において、選手を対象とした「組手強化練習」の第二回を実施しました。伝統的な合気道当身を編纂した「伝統当身七本の型」と、現代的な打撃に対応する「捌きの型」を連動。入り身・転換・回転など合気道の体捌きを実践し、相手の反応に応じて技を変化させる「流転」の初歩も稽古。

本強化練習で小手返しをかける藤崎師範
今回の練習では、伝統的な合気道に見られる当身を覇天会が研究・整理し、七本の型として編纂した「伝統当身七本の型」と、突きや蹴りなど現代的な打撃への対応を目的とする「捌きの型」を稽古しました。
「捌きの型」は「伝統当身七本の型」の応用体系ではなく、現代的な打撃に対応するための稽古体系です。一方で、攻撃線を外す体捌きや入り身・転換・回転など、合気道の身体操作や伝統的な技術要素を多く含んでいます。今回は両者を連動させ、当身や身体操作の関連を意識しながら実践しました。
さらに、相手の掴み手、逃れる動き、防御反応などを判断し、その変化に応じて技を変化させる「流転」の初歩を実施。最後には乱取りを行いました。
合気道覇天会 伝統当身七本の型
練習前半では、「伝統当身七本の型」のうち第一本から第三本までを実施しました。
第一本では入り身から顔面への逆突き、第二本では入り身から縦拳の一本拳による下突き、第三本では入り身から首筋またはコメカミへの手刀打ちを稽古。当身とともに、攻撃線を外して適切な位置へ入る「入り身」などの身体操作を確認しました。
現代的な打撃に対応する「捌きの型」
続いて「捌きの型」を実施し、現代的な突きや蹴りに対して、入り身・転換・回転など合気道の体捌きを用い、当身や投げ技へ展開する練習を行いました。
第一本との連動では、相手の順突きから正面打ちへの連攻を捌き、入り身から逆突きを返す応用を実施しました。また、試合への応用として、逆突きを右正面打ちに置き換えて実践しました。
第二本との連動では、前蹴りを捌いて入り身から下突きへ。第三本との連動では、中段回し蹴りを捌き、下段回し蹴り、膝蹴り、コメカミへの手刀打ちへと連携し、さらに転換・回転動作から絡み回転投げへとつなげました。
また、中段回し蹴りを体捌きによって捌き、「入り身突き」へつなぐ練習も実施しました。ここでいう入り身突きは打撃ではなく、入り身によって相手を崩して投げる合気道の投げ技です。
合気道当身をミットで実践
当身の練習では、正面打ち、横面打ち、下突き、鉤突きなどをミットに対して実施しました。
覇天会では、当身を単独の打撃技術としてだけではなく、体捌きと組み合わせ、投げ技や立ち関節技などへ展開する技術としても研究・実践しています。

入り身突きをかける藤崎師範(投げ技)
相手の反応を判断する―「流転」の初歩
今回の強化練習では、藤崎天敬師範が「流転」と「掌握」について説明したうえで、「流転」を身につけるための初歩的な練習を行いました。
入り身突き(投げ技)を仕掛けた際に相手から腕を掴まれる練習では、左右どちらの手で掴まれたかを判断し、その違いに応じて二教または三教へ変化しました。
さらに、抑え技(固め技)の流転として、小手返しの固め技から相手が回転して逃れようとする動きに応じて一教へ変化。また、小手返しの固め技から当身を行い、相手が防御した反応を利用して三教へ変化する練習も実施しました。
本来の「流転」は、決められた連続技を行うものではありません。相手の動きや反応、間合い、位置関係などの変化に応じ、一つの技に固執せず、その局面に適した技へ変化・連続させていく技術的な考え方です。
今回はその初歩として相手の反応を一定のパターンに限定し、「変化を認識する」「判断する」「技を変える」という過程を段階的に練習しました。最終的にはパターンから離れ、より自由な状況で技を変化させることを目指します。
その過程の1つとして今回は「流転」を学ぶため、あえて速度を抑えた乱取りを実施しました。動きが止まって固まったり、力んで一つの技を無理に完成させたり、速さに頼って技を成立させたりするのではなく、相手の動きや反応、間合い、位置関係を捉えながら、一つの技に固執せず変化していくことを重視しました。
速度を抑えることで、「流転」の基本となる、相手の変化を認識し、その場で判断して適した技へ移行する過程を丁寧に確認しました。
参加者の感想
今回の練習に参加した選手からは、まだ習得している技の数は多くないものの、組手が単調にならないよう技を変化させていくうえで、「流転」の考え方が役立つと感じたとの感想がありました。
「流転」と「掌握」
覇天会では、流転において立ち関節技を主要な技術としていますが、それだけに限定するものではありません。当身との連携、投げ技、抑え技なども含め、状況に応じて変化させます。護身術では、安全な距離を確保して離脱することも選択肢となります。
そのうえで、単に相手を倒すことだけを目的とせず、相手を思いやり、必要以上に傷つけることなく制御する技術として「掌握」を重視しています。

藤崎天敬師範コメント
藤崎天敬師範は、今回の練習について次のようにコメントしています。
「覇天会の『流転』では、合気道の主要な技術である立ち関節技が中心的な役割を担います。ただし、メインとなる技術が立ち関節技であることと、流転が必ず立ち関節技でなければならないということは違います。
実際の攻防では状況は常に変化します。立ち関節技だけに固執せず、当身との連携や投げ技、抑え技への変化も含め、その状況に適した技術を選択することが大切です。
また、護身術では、相手を制することや技を決めることだけが目的ではありません。危険を避けること、安全な距離を確保すること、必要に応じて技術を用いること、その場から離脱すること、周囲の人に助けを求めることなど、さまざまな選択肢があります。一つの方法だけに視野を狭めず、その場の状況に応じて、自分自身の安全を確保するために何をすべきかを幅広く考えてほしいと思います。
覇天会が目指しているのは、ただ強ければよいという合気道ではありません。実際の攻防に対応できる力を身につけるとともに、相手を思いやることも大切にしています。
一つの技にこだわらず、状況に応じて変化できる「流転」を身につけながら、必要以上に相手を傷つけることなく制御すること(掌握)も身につけてほしいと思います。」
伝統当身、現代的な捌き、流転、そして乱取りへ
今回の練習では、「伝統当身七本の型」と現代的な打撃への「捌きの型」を連動させ、合気道当身のミット打ち、打撃の捌きから投げ技への展開、相手の反応を判断する返し技、抑え技における「流転」の初歩へと段階的に進み、最後に乱取りを実施しました。
フルコンタクト合気道覇天会では、今後も伝統的な合気道の技術を研究するとともに、現代的な打撃への対応、対人稽古、乱取り、組手、試合を通じて技術を実践・検証していきます。
藤崎天敬師範 プロフィール
藤崎天敬(ふじさき・てんけい) 合気道家。国際合気道連合 フルコンタクト合気道 覇天会 宗家・筆頭師範。
小学2年より合気道を始め、伝統合気道から組手・試合を含む実戦合気道まで幅広く研鑽。覇天会創設以前には、当身を含む実戦形式で行われる合気道の選手権大会に選手として出場し、本戦トーナメント優勝3回、準優勝1回などの競技実績を持つ。
2002年に横浜で合気道藤崎道場を設立し、2006年に合気道覇天会を創設。同年より「フルコンタクト合気道選手権大会」を主催し、これまでに29回開催。2026年10月に第30回大会を開催予定。立ち関節技、打撃の捌き、投げ技・抑え技などを組手・試合を通じて研究・実践し、フルコンタクト合気道の指導・普及に取り組んでいる。
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企業情報
| 企業名 | フルコンタクト合気道 覇天会 |
|---|---|
| 代表者名 | 藤崎天敬 |
| 業種 | その他サービス |
コラム
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