「子どもたちみんなが学びやすいドリル」をめざしたら、こうなった! 『[力をひきだす、学びかたドリル]❹ 「書く」からはじめる とけい・かたち』発行

特定非営利活動法人「Education in Ourselves 教育を軸に子どもの成長を考えるフォーラム」(https://www.education-in-ourselves.org)は、「書く」大切さを意識しながら学び方の基礎から丁寧に教える学習ドリル4巻シリーズを発行中。2月15日、最終巻となる第4巻「とけい・かたち」を発売します。特徴は、基礎をしっかり覚え、その上に“子ども自身の学ぶ力”を積み上げられる効果的な手順。監修者の河野俊一氏(エルベテーク代表)にドリルの特徴と活用ポイントをききます。

「基本」をしっかり覚えた子どもは、それを活用し、自分の力で伸びていく

 

Q 時計や形の学習をスムーズに進めるには?

A 最初、子どもたちは「5、10、15、20……」と数えながら分を読み始めますが、「8」を見て「40ぷん」などと5とびの数で答えられるようになると、「13ぷん」「27ふん」などの分の読みもスムーズになります。

つまり、数字を見て何分かをすぐに答えられるように教えるのが重要なポイントだと思います。それができれば、短い針が指す時間も「1と2の間は1時」というシンプルな教え方で身につけていくことができるのです。

 

Q では、形の学習のポイントは?

A 形の学習では、細かな違いに気がつき、それを言葉で説明できる力の獲得をめざしています。そのためには、正確な言葉を使うことが大切です。このドリルでは、「まる」「しかく」「さんかく」など、小学校1年生の1学期で使う言葉でなく、「えん」「せいほうけい」「ちょうほうけい」「にとうへんさんかくけい」「せいさんかくけい」を使っています。正確な言葉を身につけさせながら相手に伝える手段を導きます。

 

Q 表紙がユニークですね。「夜の12時」はほとんどの大人が知らないと思いますが……。

A これは実際に私たちの教室であった出来事です。教室では、3歳児、4歳児向けの最初の時計学習の際、模型を使いながら「長い針と短い針が12で重なると12時ですよ」と針をセットすることから教えています。

そして、幼児に「正午」を教えるための打ち合わせをした際、「子どもが『では、夜の12時はなんて言うんですか?』ときっと質問してくるはず」とスタッフみんなに伝え、準備していました。すると、授業でほんとうに一人の子どもが「じゃ、夜の12時はなんて言うの?」と訊いてきたんです。好奇心を言葉にして伝えてきたんですね。子どもの学習ではそんなところが面白い。教える側が子どもの行動を予想するのも面白い。

その後、その「正午」「正子」という言葉を使って子ども同士で遊んでいたほどです。子どもたちは新しい言葉や発見をとても喜びますから。

 

Q 子どもたちの生き生きした様子が目に浮かびますね。

A それぞれ家へ帰ってお父さんやお母さんへ「夜中の12時はなんて言うか、知ってる?」と質問していたそうです。ほとんどの親が知らないなか、お父さんが「正子って言うんだよ」と答えた家庭もあったようですよ。

このように子どもたちの興味や関心を引き出していく教育の面白さを表紙で紹介しました。子どもの自発的な学びの芽を育てる、それが学習では大切だと思っています。

 

Q さて、シリーズ全4巻がすべて刊行されたことになります。全体のコンセプトについて。

A きちんとした学び方をしてほしい、「丁寧に書き丁寧に仕上げていく、周りの大人や手本から学ぶことはどういうことなのか」を体験してほしい、それがこのシリーズの一番のコンセプトです。

第1巻でいえば、「線を書くことがほんとうの狙い」ではないということを強調したいですね。つい「できた」「できない」に目が奪われがちですが、しっかり学んだことを基礎や基準にして子ども自身が積み上げていくことをこのドリルでは重視します。

 

Q 最後に読者へのアドバイスはありますか?

A 私たちの教室ではドリルの余白にも練習させています。「簡単なので、子どもはうれしくてどんどん先へ進めました」と言う方もいますが、次から次に済ませていくドリルはたくさんあります。このドリルはそうではなく、「こんなふうに学ぶと1枚のドリルが大事に使えるんだよ」と子どもたちに教えながら1枚の紙をムダなく使わせていきます。ぜひ、家庭でもそのように試してみてはいかがでしょうか。

 

■■

 

『[力をひきだす、学びかたドリル]❹ 「書く」からはじめる とけい・かたち』の概要

 

■しっかり基礎を覚えさせることによって次の学習へ進みやすい、そんな「とけい・かたち」のドリルが登場しました。

■アナログ時計の学習を苦手とする子どもがつまずきやすい場所(文字盤の数字を見てすぐに「◯分」がわかる/言える力、など)を理解したうえで、楽に乗り越える手順を示します。

■(本書より)「時刻を知るだけでなく、日常の生活の中に約束があることを知る、そしてその約束の時間を利用し、自分の行動をコントロールして生活を組み立てて いく……それが時計の学習の本当の目的です。」「円・三角形・正方形・長方形・台形など、さまざまな形を認識し、思い出しながら描く練習は、数字や文字の学習にも役立ちます。「まる」「さんかく」......ではなく、「円」「三角形」......という正しい名前も一緒に覚えていきましょう。」

■対象 : 子ども(幼児〜)、親、教育・保育・福祉・医療関係者など

■全4巻(第1巻「せん、かず・すうじ」は2021年12月発行、第2巻「10までのたしざん・ひきざん」は2022年12月発行、第3巻「くりさがり・くりあがり」は2023年12月発行)

 

【主な特徴】

◎数と文字盤の関係に慣れた時点で時刻を考える/読む構成 → 「5とびの数」を使って「1→5分」「6→30分」と即答できると、練習がスムーズになる

◎基本をしっかり覚えてから、形を考える構成 → 形の名前・定義をしっかり覚えるから子どもが理解しやすく、ステップ・アップが容易になる

◎「対面で学習する」アドバイスに従い、親・大人と子がともに教え学び合える

◎親・大人が学習の手本を示し、サポートしながら学習を導けるよう、大切なポイント・心構えを写真とイラストでアドバイス → 目的・目標をしっかり共有できる

◎指導実績に基づくノウハウ・工夫がいっぱい

 

【これまでこのシリーズを利用された方々の声】

(1)教師(特別支援学校)

「アドバイスとして本の中に、『正しい姿勢で取り組むこと』『正しい鉛筆の持ち方で勉強すること』の大切さが書かれてあり、『どういうふうに教えればいいか』という学習の進め方も書かれていてよかったです。また、筆順をしっかり守る、初めと終わりの挨拶をしっかりするなど、学習以外の基本的なことも大切にしていて、教える側にとって参考になりました」

(2)小2(特別支援学級)の保護者

「親はどこに気をつけて教えたらいいのか、そのポイントをわかりやすく写真などで説明してあるので、繰り返し取り組ませています」

(3)小4(特別支援学校)の保護者

「鉛筆の持ち方など、具体的に写真やポイントで示してあるので、あらためて気づかされ、教えるにはコツがあることがわかりました」

 

監修 : 河野俊一[エルベテーク代表/医療法人エルベ理事]

【プロフィール】1995年、民間の教育機関エルベテーク設立。発達の遅れと課題をもつ子どものためのコースも開設し、現在に至る(川口/大阪/アメリカ)。

著書に『発達障害の「教える難しさ」を乗り越える』『自閉症児の学ぶ力をひきだす』(いずれも日本評論社)、『誤解だらけの「発達障害」』『子どもの困った!行動がみるみる直るゴールデンルール』(いずれも新潮社)など。2017年11月〜2018年1月、『教育新聞』(教育新聞社)にコラム(10回)を連載。講演会、研修会での講師多数。

 

編集・制作 : 特定非営利活動法人 教育を軸に子どもの成長を考えるフォーラム[さいたま市の特定非営利活動法人(2017年設立)。「子どもの教育と医療」を主なテーマとして活動中]

 

【目次】

とけい……P.11  正時……P.14 時刻の説明……P.34 長い針の読み方/5分刻みの時刻……P.41 ◯時◯分……P.46

かたち……P.61  いろいろな形……P.62 形のちがい……P.74

【体裁】 A4判 カラー 96ページ 定価1,100円(本体価格1,000円+税10%)

【発行】 2月15日発行 全国の書店、オンライン書店で販売 

 

【全4巻のラインナップ】

第1巻「せん、かず・すうじ」(2021年12月発行)……鉛筆を正しく持って一本の線を書く練習から始めるドリル。数字の書き方を学び、数の概念の理解へとつなげる。

第2巻「10までのたしざん・ひきざん」(2022年12月発行)……数の大小を理解し、くりあがりのないたしざんなどを学ぶドリル。また「2つ合わせると10になる数」の組み合わせを、九九のようにおぼえることによって計算の基礎を形作る。

第3巻「くりさがり・くりあがり」((2023年12月発行)……「10になる数」を習った子どもには、たしざんを使って解くくりさがりから始めくりあがりへと進んだほうが無理なく力を伸ばせる事実に基づき、その効果的な学び方を示す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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企業名 特定非営利活動法人 Education in Ourselves 教育を軸に子どもの成長を考えるフォーラム
代表者名 知覧 俊郎
業種 教育

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