標本に“触る”博物館　Think Squareを運営するThink Squares Project、ちそう株式会社として法人化

近年、研究人材の研究環境は、約7割のポストドクターが継続、大学などの研究機関に所属したのは約２割（※１）と研究を継続的に続ける環境を構築できる研究者は少なく、研究に適した環境を構築することが難しい状況が続いています。それに加え、引用される論文のシェア（※２）や科学論文の本数に基づく指標（※３）などにより、日本の科学力低下が指摘されています。

 

これに対し、さまざまな組織、科学者が研究環境の改善に取り組んでいますが、改善に向かうには、多くの時間を要することが予想されます。これは、一時的な資金投入ではなく、科学者への安定的に、継続した資金、研究環境の提供が必要になることも一因です。そこで、まず、社会が科学に触れ、その面白さを感じることで、社会全体で科学を支援し、研究環境の基盤を作ることを目指し、標本に触る、知的好奇心を満たす博物館「Think Square」の企画、実施すべく、当プロジェクトを立ち上げました。

 

「Think Square」は空き店舗や空きスペース、公共スペースを活用して、可動可能な状態でテーマに合わせて標本を展示し、その展示標本のほとんどに、直接触れて体感してもらうことを特徴に運営しています。7月に吉祥寺で行ったテストマーケティング時の来館者の反応から、普段触れることがない標本に触れ、科学者と同じ目線で見て、考えることで、来館者の反応から直接触れるという手法で、関心を高められる可能性があることが分かってきました。

 

そこで、「Think Square」で収益を上げ、そこから継続的に研究資金の支援を行うべく、Think  Squares Projectを事業化、運営する事業会社としてちそう株式会社を11月1日に設立しました。事業は、広告収入をビジネスモデルとし、Think Squareを一つのメディアととらえ、展示台や展示パネルという広告枠への協賛を募集。そこから、収益を上げることで、その収益から継続的に研究資金の支援をできる体制を整えていきます。

 

今後も、ちそう株式会社は、「Think Square」をはじめとして、科学の支援に寄与する事業に取り組んでいきます。

 

※１　文部科学省「ポストドクター等の雇用・進路に関する調査 2015年度実績 速報版」http://www.nistep.go.jp/archives/33979

※２　科学技術・学術政策研究所「科学技術指標2017」http://www.nistep.go.jp/archives/33898

※３　Natureasia.com「Nature Index 2017 Japan」 http://www.natureasia.com/ja-jp/info/press-releases/detail/8622　

 

＜Think Squares Projectについて＞

Think Squares Projectは、基礎研究者の研究継続を支援することを目的に、知的好奇心を満たす博物館“Think Square”を展開することで科学に触れる場、体感できる場を提供し、社会に科学を支援する雰囲気を醸成することに取り組んでいます。実際に標本に触れ、自由な角度で標本を観察し、思考してもらうことで知的好奇心を満たしてもらうことを考えています。（https://www.think-squares.com/）

 

＜吉祥寺テストオープンについて＞

https://www.think-squares.com/theme-0

 

＜設立会社概要＞

商　号：ちそう株式会社

代表者：代表取締役　山本　智

所在地：東京都北区赤羽１丁目５９番８号

設立：２０１７年１１月１日

主な事業内容：

・博物館の企画・運営（Think Squares Project）、

・事業活動で得られた知見を活かした広報・PR支援事業（広報・PR支援プロジェクト）

URL：www.chisoh.co.jp