『DV・性暴力(性虐待)・人身売買被害者支援ホットライン』の実施結果を発表 〜総着信呼数は5,000件以上、深刻な問題が明確に〜

特定非営利活動法人 全国女性シェルターネットは、電話による相談窓口『DV・性暴力(性虐待)・人身売買被害者支援ホットライン』を2009年10月2日から2010年3月31日まで開設いたしました。総着信呼数は5,000件以上、相談案件数も400件以上と、ホットラインの必要性が改めて証明されました。

全国のDV(ドメスティックバイオレンス)被害者を支援する民間団体ネットワーク、特定非営利活動法人 全国女性シェルターネット(以下、全国女性シェルターネット)は、2009年度 厚生労働省社会福祉推進事業の補助を受け、電話による相談窓口『DV・性暴力(性虐待)・人身売買被害者支援ホットライン』を2009年10月2日から2010年3月31日まで開設いたしました。その結果、6ヶ月間の総着信呼数は5,000件以上、相談案件数も400件以上と、性暴力被害ホットラインの必要性が改めて証明されましたので、下記の通りご報告いたします。

■『DV・性暴力(性虐待)・人身売買被害者支援ホットライン』について
『DV・性暴力(性虐待)・人身売買被害者支援ホットライン』は、2009年10月2日から2010年3月31日、毎週月・金・日曜日、15時〜21時までの間、期間限定の電話相談窓口として開設されました。相談員は、DVシェルタースタッフ、性暴力被害者支援者、性虐待被害者サポーター、フェミニストカウンセラー、人身売買被害者支援、セクシュアル・マイノリティ当事者など、専門知識を持つスタッフにより構成されています。また、多様な相談ケースに対応すべく、第3、第4金曜日は英語とタイ語、第1、第2日曜日はタガログ語での対応ができる相談員が待機しました。

開設期間 :2009年10月2日(金)00時00分〜2010年3月31日(水)23時59分
相談時間 :月、金、日曜日の15:00〜21:00
※上記以外の日時は留守番電話設定とすることで、時間外の入電においても
相談内容が確認できる状態とし、その着信数も含めて集計を行った。
相談体制 :2回線(常時相談員2名、スーパーバイザー1名が待機)
事前の告知方法 :関係機関へのチラシ配布(10,000部)、関係機関Webサイトへの掲載、
プレスリリース、インターネットラジオ( http://radiopurple.org/ )など

■月別着信総件数

月 着信呼数
2009年10月 2,348件
2009年11月 292件
2009年12月 1,093件
2010年1月 397件
2010年2月 352件
2010年3月 596件

【6ヶ月間の実施期間に対応した相談は438件、総着信呼数は5,078件】
今回、ホットラインでは電話回線2本を用意し、週に3日、それぞれ6時間の相談受付を行ったが、期間中の総着信呼数は5,078件と、相談体制を大幅に上回る数の着信を受け、実際に対応することができた相談は、438件にとどまってしまった。しかしながら、この数字だけでもこれらの問題に対する社会的な必要性が改めて明確になり、より多くの回線とより多くの実施日、実施時間が必要であることが浮き彫りとなった。

■相談内容別件数

相談内容 %
DV 34%
性暴力 12%
児童性虐待 9%
セクシュアルハラスメント 6%
人身売買 2%
セクシュアルマイノリティ 20%
その他 18%

【相談内容で最も多かったのはDV に関する相談で34%】
相談内容で最も多かったのはDV に関する相談で34%。次いで、セクシュアル・マイノリティに関する相談20%、性暴力は12%。セクシュアルハラスメントは6%、人身売買は最も少なく2%であった。
期間中に寄せられた相談の中でも、性暴力に関する相談においては「これは性暴力ですか?」といった根本的な相談が多数あり、加害行為があってから本ホットラインに相談するまでに長時間を要している実情が浮かび上がった。また、「友人に相談した」というケースは多いものの、「専門的な機関や相談窓口に相談した」というケースはなく、性暴力被害当事者は長く被害の後遺症に苦しんでいることが明らかになった。

■ホットラインを知ったきっかけ

紹介経路 相談件数 割合
紹介を受けた 101件 23%
自分で見つけた 337件 77%

【第三者から紹介を受けたケースが23%、自分で情報を見つけたケースが77%】
ホットラインを知ったきっかけは、「第三者から紹介を受けた(友人:31%、民間機関:26%、役所や警察などその他:43%)」というケースよりも、「自分で情報を見つけた(インターネット:53%、新聞:19%、チラシ:10%、その他のツール:18%)」というケースが多いという結果であった。
特に、ホームページやブログなど、インターネット上で情報を得た、という意見が圧倒的に多く、従来のようにマスメディアや公共機関を通じての情報発信だけではなく、インターネットを活用した情報発信の重要性が明確となった。

■集計結果の詳細について
本集計結果の詳細につきましては、性暴力被害ホットライン・マニュアルとして製本しております。ご希望の方は文末の連絡先までお知らせください。

■今後の活動予定について
今回の事業は、曜日や時間を限定して実施されましたが、相談時間外の着信が数多くあったこと、また、携帯電話からの発信が45%と半数近くを占めていたことから、より幅広く相談に対応すべく「24時間対応ホットラインの常設」「1回線でも多い窓口の設置」が急務であることが明確となりました。
DV 相談、セクハラ相談、児童虐待対応に関する相談窓口は、全国に数多く設置されるようになってきましたが、セクシュアル・マイノリティ、人身売買、性暴力に特化した相談窓口は未だ少ない状況にあります。今回の事業結果をもとに、全国女性シェルターネットでは女性への暴力の根絶を目指した活動を継続してまいります。

■特定非営利活動法人 全国女性シェルターネット 概要
団体名称   :特定非営利活動法人 全国女性シェルターネット
主たる事務所 :(活動内容の都合上、所在地は非公表)
活動目的   :さまざまな形態の「女性に対する暴力」の被害女性と子どもを支援する、全国各地の
「駆け込みシェルター」相互の連携協力によって、「すべての女性に対する暴力」の
根絶をめざす活動に寄与することを目的とする。
URL      :http://nwsnet.or.jp/

≪参考≫ 性暴力とは
性暴力とは、「DV」「虐待」「セクハラ」「レイプ」「人身売買」など、性をターゲットにした暴力を指します。性暴力の実態調査の1つとして、2008年度に内閣府男女共同参画局が行った「「DV」に対しての調査報告によると、日本では3人に1人の女性がDVを経験し、10人に1人の女性が継続的なDVを経験しています。この調査は「DV」に特化したものですが、前述の通り、性暴力の種類は「虐待」「セクハラ」「レイプ」「人身売買」など多様であり、また、暴力が起きるのものカップル間だけではありません。家族や、同僚・友人、見知らぬ人によって起こされ、その被害者は、年齢、性別、国籍も一切限定されることはありません。


【本件に関するお問い合わせ先】
特定非営利活動法人 全国女性シェルターネット
担当:三浦 久美子
E-mail:ajwsnet98@yahoo.co.jp

企業情報

企業名 NPO法人全国女性シェルターネット
代表者名 近藤恵子
業種 その他サービス

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