職場でのカミングアウト率、中小企業は大企業の3倍——中小企業診断士団体がTOKYO PRIDE来場者138人を調査
(一社)東京都中小企業診断士協会認定 ダイバーシティ研究会(代表幹事:松崎貴史)は、2026年6月6日、7日開催の「TOKYO PRIDE 2026」出展ブースにおいて、来場者138名を対象にLGBTQ+と職場に関するアンケート調査を実施しました。職場でカミングアウトしている当事者は中小企業(従業員300人以下)52.6%、大企業(301人以上)17.2%と3倍以上の開きがある一方、理解不足を理由に「実際に退職・転職した」当事者は21.0%、「真剣に検討した」当事者は17.7%(重複を除き35.5%)で、規模を問わず人材が失われている可能性が示唆されます。当研究会は中小企業診断士の団体として全国で初めてプライドイベントにブースを出展し(2024年、当会調べ)、本調査は3年連続、回答数は3年で約9倍に拡大しています。
調査のポイント
1. カミングアウト率は中小企業のほうが高い傾向——52.6% vs 17.2%
職場の誰かに性のあり方を開示している当事者は、中小企業(従業員300人以下)52.6%、大企業(301人以上)17.2%。一方、自社がLGBTQ+施策に「積極的に取り組んでいる」と回答した当事者は中小企業7.1%、大企業25.0%でした。制度への評価は大企業、カミングアウト率は中小企業で高いという対照的な結果となりました。
2. 一方で、理解不足による離職は規模を問わず——実際に離職21.0%、検討17.7%
職場のLGBTQ+理解不足を理由に離職を考えたことがあるかを尋ねたところ(当事者のうち本設問回答者62名)、「実際にそれが理由の一つとなり退職・転職した」13名(21.0%)、「真剣に検討したことがある」11名(17.7%)。重複2名を除くと22名(35.5%)、およそ3人に1人が該当します。企業規模別では中小企業39.4%・大企業28.6%、「実際に退職・転職した」割合は中小18.2%・大企業19.0%とほぼ同水準でした。開示しやすい環境でも、理解が追いつかなければ人材の流出につながりうることが示唆されます。
3. 当事者から見ると、施策は「届いていない」——実感している当事者は12.6%
自社がLGBTQ+施策に「積極的に取り組んでいる」と実感している当事者は12.6%、相談窓口を認識している当事者は10.0%。非当事者(アライ等)の35.7%とは約3倍の開きがあります(非当事者はアライ中心で偏りがあるため単純比較はできません)。制度を「作ったかどうか」と当事者に「届いているかどうか」は必ずしも一致しません。一方、就職・転職先選びでLGBTQ+への配慮を「必須条件」「強く影響する」とした当事者は47.7%、非当事者も42.9%。年収に差があっても「配慮がある企業を選ぶ」とした当事者は50.6%にのぼり、LGBTQ+施策は人材の獲得・定着にも関わる可能性が示唆されます。
「トップのメッセージや方針だけでなく、実効性のある対応をしてほしい。当事者抜きで決めずに、声を聞いてほしい」 ――当事者回答より抜粋
代表幹事コメント
「中小企業は、当事者にとって意外に風通しがよいのかもしれない——今回いちばん印象に残ったのはこの点です。ただし、開示できても理解が追いつかなければ人は職場を離れていきますし、施策も当事者には届いていません。これは人権の話であると同時に、人材の採用・定着という中小企業にとって切実な経営課題でもあります。」
(一社)東京都中小企業診断士協会認定 ダイバーシティ研究会 代表幹事 松崎貴史
今後の活動
2026年11月、江東区にてダイバーシティ研究会およびKoto Vision 2027ⓒの連携による中小企業向けアライ育成事業「Koto Ally Day 2026」を開催予定です(東京都中小企業診断士協会の社会貢献事業)。詳細分析は当研究会の公式noteにて順次公開します。
Koto Ally Day 2026 https://kotoallyday2026.peatix.com
note https://note.com/diversity_study
調査概要
| 実施主体:(一社)東京都中小企業診断士協会認定 ダイバーシティ研究会 |
| 実施場所・期間:TOKYO PRIDE 2026 出展ブース(2026年6月6日・7日)/ブース来場者へのアンケート(回答特典:オリジナルアロマスプレー) |
| 有効回答数:138名(うちLGBTQ+当事者90名・65.2%)/参考:2025年119件、2024年15件 |
| 留意事項:TOKYO PRIDE来場者による自己選択的サンプルで、統計的有意差検定は未実施。社会全体への一般化はできない参考値です。・企業規模は回答者が選択した従業員数のみに基づく区分(300人以下/301人以上)で、中小企業基本法の定義(業種別の従業員基準・資本金基準)とは完全には一致しません。各比率は設問ごとの回答者数が分母(離職に関する設問は回答者62名/中小33名・大企業21名、複数選択可)。・規模別はn数が小さく比率が変動しやすく、非当事者はアライ中心で偏りがあるため当事者との単純比較はできません。詳細な集計方法・設問文・集計表は取材に応じて提供します。 |
ダイバーシティ研究会について
2010年設立、2014年より(一社)東京都中小企業診断士協会の認定研究会。ダイバーシティ経営の調査研究・執筆・講演・経営相談を行っています。2024年、中小企業診断士団体として全国初の東京レインボープライドブース出展(当会調べ)。
公式サイト https://diversitystudy.tokyo
ログインするとメディアの方限定で公開されている
お問い合わせ先や情報がご覧いただけます
添付画像・資料
企業情報
| 企業名 | ダイバーシティ研究会 |
|---|---|
| 代表者名 | 松崎 貴史 |
| 業種 | その他サービス |