落書き問題を追及する書籍「街に描く−落書きを消して合法的なアートをつくろう−」を出版

近年大きな社会問題となっている「落書き」について、違法性からみたその問題(街をいかに壊していくか)と、アートの側面からみた価値について、豊富な事例を軸に分析する書籍を出版しました。 「街に描く −落書きを消して合法的なアートをつくろう−」 小林茂雄/東京都市大学小林研究室 編著  理工図書

近年大きな社会問題となっている「落書き」について、違法性からみたその問題(街をいかに壊していくか)と、アートの側面からみた価値について、豊富な事例を軸に分析する書籍を出版しました。落書き問題を扱った初の書籍です。
大学生が落書きとストリートアートに関する様々な現場を取材し、足で集めた資料が基になっています。落書きを完全に否定するのではなく、そこにある面白さを活かした街づくりはできないかということを提案しているところに本書の特徴があります。

タイトル: 街に描く −落書きを消して合法的なアートをつくろう−
著者名:  小林茂雄/東京都市大学小林研究室 編著
出版社:  理工図書
定価:   2625円(本体2500円)
判型:   A5判 224頁 全頁カラー
発行日:  2009年4月13日

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【本件に関するお問い合わせ】
 ■東京都市大学 小林研究室
 ■担当者 小林茂雄(こばやししげお)
 ■TEL/FAX   03-5707-2189
 ■URL   http://kobayashilab.net/
 ■Email kobayashi_shigeo@hotmail.com
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まえがきより

街に対する落書きは、現在大きな社会問題となっている。1990年代に入って建物の壁やシャッターに、高架下の大きな壁面に、スプレー塗料を用いた様々な描写が増殖するようになった。許可を得ずに描かれるため、もちろん犯罪である。それらは単に所有者に迷惑をかけたり景観を汚したりするという問題があるだけでなく、他の落書きを呼び、徐々に治安を悪化させ、街がすさんでいくきっかけを与える。落書きを見逃すことは、人々の街に対する無関心さを助長することにもなるのだ。
しかし一方で、グラフィティなどの落書きの中にはアートとしての側面があるのも事実である。描写力の高い絵を見ると、感心したり興味を覚えたりすることがある。また、街を歩いているときに何気ない落書きに出会うと、クスッとしたり、ほっとしたり、肩の力が抜けたりすることがある。息の詰まるような閉塞的な社会の中で、ちょっとしたイタズラ書きや子供の落書きは、その少しばかり挑戦的な行動と伴って、ほほえましく感じさせる力を持っている。
街の中には様々な絵が描かれている。質が高いものもあれば低いものも、面白いものもそうでないものもある。合法なものも違法なものもある。違法な落書きは街から即座に排除していかなければならないが、単純にそうしようとしただけでは、落書きやグラフィティの中にある、代え難い魅力まで失われてしまうことになるだろう。
本書は、街に描かれる絵について、合法なのも違法なのもひっくるめて、街に対する価値を改めて検討しようとしている。街に対して描かれる絵は、ギャラリーなど閉鎖された場所に展示される絵とは異なり、公共的な意味合いを持っているものだ。いくら個人的な動機によってなされるものであっても、最終的には、その街で住む人々や訪れる人にとって価値があるものでなければならない。そういう視点で、もう一度街の絵を見直してみようとした。絵の力で、街をもっと面白く、魅力的なものにする方法はないだろうか。

目次
Chapter1 街の絵にはなにがあるか……… 6
街の絵の種類と分類………………………………… 8
  合法な絵………………………………………… 10
  違法な絵………………………………………… 14
街に描かれる絵の歴史 発祥・分岐・展開… ………… 20
街の絵の歴史図……………………………………… 24
街の絵に関する用語………………………………… 32
インタビュー 能勢理子…………………………… 46
インタビュー Shiro… ……………………………… 58

Chapter2 街を壊す落書き…………………… 74
落書きの種類………………………………………… 76
表現型 タグ………………………………………… 78
    ステッカー………………………………… 80
    ステンシル………………………………… 81
    スローアップ……………………………… 82
    ピース……………………………………… 84
    電車の落書き……………………………… 86
記念型 訪れた記念………………………………… 88
    カップルの愛情表現……………………… 89
    場所へのメッセージ……………………… 90
イタズラ型 トイレ………………………………… 91
縄張り型 暴走族 ヤンキー 犯罪集団………… 92
なぜ落書きをそのままにしてはいけないのか? 94
落書き消去の方法…………………………………… 96
インタビュー 山口拓……………………………… 104
インタビュー 吉田圀吉…………………………… 110

Chapter3 街をつくるアート… …………… 120
合法的に絵を描く活動……………………………… 122
合法的なグラフィティ……………………………… 124
  渋谷……………………………………………… 126
  桜木町…………………………………………… 128
  X-COLOR / グラフィティin JAPAN 水戸… …… 130
  海外のリーガルウォール……………………… 132
パブリックアートとしての壁画…………………… 134
  ストリートペインティング事業 東京都…… 136
  多摩川アートラインプロジェクト…………… 138
落書き防止対策としての壁画……………………… 140
  トンネルの壁画………………………………… 142
  シャッターアート……………………………… 144
ライブペイント……………………………………… 146
  B-BOY PARK……………………………………… 148
  ギャラリーやクラブでのイベント…………… 149
NPO 法人KOMPOSITION……………………………… 150
インタビュー LOOTone… ………………………… 152

Chapter4 落書きからアートへ… ………… 162
街に描かれる絵の問題と魅力……………………… 164
街を進化させるためのヒント……………………… 170
  本物のグラフィティを見せる………………… 172
  光で描く………………………………………… 174
  参加型のシャッターアート…………………… 176
  剥がせる絵……………………………………… 178
  グラフィティの聖地をつくる………………… 180
  環境を最大限に利用する……………………… 182
  街のキュレーター……………………………… 186
  ルールをつくる………………………………… 188
インタビュー 淺井裕介…………………………… 190
インタビュー TOCHKA……………………………… 198
おわりに……………………………………………… 210

企業情報

企業名 東京都市大学小林研究室
代表者名 小林茂雄
業種 教育

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