「アラサー」X「アラフォー」の意識調査 そのイメージと実態 ----- 現実との違いをクールに見つめるアラサー世代、価値観を保持して優雅な生活を望むアラフォー世代。両世代ともにキーワードは「自分らしさ」。

株式会社I&S BBDO(本社:東京都中央区、代表取締役社長:野副正行) プランニンググループR&D は、 消費行動の指標としていまや定着しつつある「アラサー」「アラフォー」について調査を実施いたしました。

多様化の時代と言われて久しい現在、ネットやメディア技術の向上・普及により、消費者の選択肢もますます細分化され、ニーズを満たすには従来のセグメントマーケティングでは捉えきれないことが増え、今企業はアプローチ手法を模索しています。そのような中、2006年にアパレル業界が定義した「アラサー」。30歳前後の女性を意味し、ルーズソックス、プリクラ、茶髪の流行を生んだ、いわゆる “コギャル”世代は、元気で発想力が豊かで消費サイクルの早さからも注目されてきました。
その派生語として2007年には40歳前後の女性を「アラフォー」と呼ぶ造語が生まれます。この世代は男女雇用機会均等法施行の下で、キャリアを積んできた女性たち。仕事と結婚の選択余地が拡がり、バブルを経験し、キャリアを活かして起業するなど経済的余裕があるといわれながら、結婚、出産、仕事の将来を見据えて、ひとつの岐路にある微妙な年齢の彼女たちは、本年春のTBS系列の金曜ドラマでも描かれ、2008年流行語大賞の年間大賞に選ばれるなど話題を呼びました。

株式会社I&S BBDO(本社:東京都中央区、代表取締役社長:野副正行) プランニンググループ R&Dは、 消費行動の指標としていまや定着しつつある「アラサー」「アラフォー」について調査を実施いたしました。当のアラサー世代、アラフォー世代の女性たちは、各々どのようにイメージし、そしてどのように自分と重ね合わせているのか、いないのか。また、各世代の未婚者と既婚者(子供なし)が、結婚・出産、仕事、生活、生き方などからイメージする「アラサー」「アラフォー」像と自身の現在、そして各人の「幸せ」のイメージなどを調査し、その結果をまとめました。


【調査概要】
・調査対象: 首都圏在住のアラサー世代(28〜32 歳女性)とアラフォー世代(35〜44 歳女性)
(未婚/既婚(子供なし))
・回収有効サンプル: 318 サンプル
・調査実施期間: 2008 年11 月6 日(木)〜10 日(月)
・調査手法: インターネット調査(WEB 上でのアンケート回答)
・調査機関: 株式会社メディアネット
・調査内容:
 ■「アラサー」「アラフォー」のワード認知
 ■「アラサー」のイメージ
   (結婚・出産・職業・年収・住まい・仕事・生き方・現状・生活・タレント・雑誌・ブランド)
 ■「アラフォー」のイメージ
   (結婚・出産・職業・年収・住まい・仕事・生き方・現状・生活・タレント・雑誌・ブランド)
 ■現在の自分(結婚・出産・職業・年収・住まい・仕事・生き方・現状・生 活・評価)
 ■あなたの「幸せ」イメージ

【まとめ】
「アラサー」「アラフォー」の言葉にイメージされる姿はマスコミによって定義されたものが踏襲されながらも、そもそも年代で一くくりにされることへの抵抗感や、個々の実情や個性・考え方によって異なるという意識があり、憧れや親近感を持ちつつも、一概に等身大として認識されてはない。共感できるところ、自分とは異なるところを客観的に判断している。特に生き方やポジティブ思考など、心理的なところでの共感は強く、物理的・経済的な側面ではその違いを冷静に切り分けているように見える。このため、各年代とも自分の世代のことである自覚はあり、イメージに対する評価は概ね肯定的である。

現状との比較では、生活レベルはやはりイメージの方がより理想的に描かれている結果が出た。アラサー世代では未婚者は今の自分にとても近いものとして捉えているのに比べ、既婚者は結婚前の自分(過去の自分)になぞらえているようだ。アラフォー世代ではそのイメージのあり方には共鳴し、理想としつつも、未既婚とも現在の自分とは異なっていると感じている人が多い。
それでも「アラサー」「アラフォー」ともに、それぞれの「自分らしさ」は見失わず、自由にポジティブに生きている、という「スタンス」については、まさに“自分たちのこと“と捉えており、現状とのギャップや不満はあまり持っていない。

アラサー世代から見た「アラフォー」イメージは、基本的にはTVドラマに描かれていた姿のように、大人でかっこよく、憧れる気持ちと併せて、仕事ばかりで結婚して(できて)いなかったり、出産をあきらめたりと、きつく(怖く)て孤独な感じといった、ある意味同情と批判を持って眺めており、これから自分たちが迎える年代の一部お手本として、一部反面教師として冷静に見ているようだ。

アラフォー世代から見た「アラサー」イメージは、まず元気なアクティブさとその自由な生き方に集約される。あまり批判的な目はなく、また同時にすでに過ぎてしまった世代のため憧れもないが、自分たちの頃(バブル期)ほど華やかでもゴージャスでもないけれど、自らのその頃の自由さや活動的だった時代を懐かしく投影しながら、今現在にたくさんの可能性が開かれているその若さを多少うらやましく見ている姿が浮かぶ。ただし、自分を否定している感はなく、ある種「人生の先輩」としての「余裕」のようなものが感じられる。

これからこの各世代がどこへ向かうのか、「幸せのイメージ」の自由回答からも見られたように、消費サイクルの早いトレンドリーダーとして注目されているアラサー世代は今後、より堅実なライフスタイルに変化していく可能性がある。「自分らしさ」の定義を軽やかに変えていける柔軟性、これがアラサー世代をあらわすキーポイントといえよう。
一方、アラフォー世代については、人生の岐路といわれる年齢ながら、コアにあるのはあくまでも「自分」、「自分らしさ」であり、その価値観はアラサー世代のそれと異なり、あまり変わることなく、バブル期の「ゴージャス」や「優雅」なあり方を指向したままに消費社会の一端を担っていくのかもしれない。

今回の調査は「アラサー」「アラフォー」をテーマに行ったが、この年代層の多くの女性たちが自らのこととして、あるいは10年後、10年前の自分との対比で見たときに、調査結果のような内容を少なからず周りの人々と話題にしたであろうことが、そのワードの認知率の高さからも想像できる。

本調査では対象としなかったが、現在「アラサー」「アラフォー」に続き、「アラフィー」(50歳前後の女性たち)の定義も生まれつつあり、結婚(あるいは離婚)、出産、育児、仕事にひと段落を迎え、“第2の青春”や“自分時間”を満喫する50歳を迎える女性たちの新たなライフスタイルも注目されている。「eclat」や「HERS」「クロワッサンPremium」といった「アラフィー」をターゲットにした雑誌の相次ぐ創刊にも見られるように、人生のターニングポイントを迎え、その知識と経験から「素の自分」を見つけて、飾らない美しさと余裕を持って、自らのニーズを満たしていく彼女たちは、単なる消費の担い手としての“団塊の世代”では形容しきれないしなやかさとたくましさを共存させて、新たな女性市場を築きつつある。彼女たちの掲げるキーワードは「年齢じゃなくって気持ち」。
過ごしてきた年代に経験と知識を重ね、そこから発する“気持ち”・・・。こうした先輩たちの姿が、「アラサー」「アラフォー」の世代に対してどのような影響を持つのか、ここにもまたこれからの「アラサー」「アラフォー」の進化の要素が潜んでいるだろう。

また、消費行動の指標から生まれた「アラサー」「アラフォー」(そして「アラフィー」)というワードでの括りとして、女性のライフスタイルとそのイメージ・共感度がクローズアップされているが、同年代の男性たちはどうなのか。
結婚、出産・育児など、その容姿・体力の衰えに対する恐れや悲しみと共にいわゆる“適齢期(リミット感)”が大きな岐路となりがちな女性の人生に比べ、就職の後は、転職や独立の機会を除けば人生の転機やリミット感が少ないといえる彼らは、今の女性たちの “元気”をどう見ているのか、また自分自身の生き方や夢、現在のあり方をどのように捉え、描き、過ごしているのか、男性版「アラサー」「アラフォー」ではないが、この年代の男性像を考え、定義できるきっかけとなるようなTV番組や雑誌の特集、そして提唱が揚がることを楽しみにしたい。

【本件問い合わせ先】
株式会社I&S BBDO 広報グループ 宮下
Tel: 03-6221-8523 Fax: 03-6221-8641
E-mail: aya.miyashita@isbbdo.co.jp

企業情報

企業名 株式会社I&S BBDO
代表者名 野副正行
業種 未選択

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