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【茨城高専】専攻科1年の饗庭陽月さんが経済産業省・未踏事業でスーパークリエータ認定 ~2022年度の認定者25名のうち最年少での選出~

 茨城工業高等専門学校(茨城県ひたちなか市中根866、校長:鈴木 秋弘 以下「茨城高専」)専攻科1年電気電子工学コースの饗庭陽月さんが、2023年5月26日(金)、経済産業省が独立行政法人情報処理推進機構(IPA)を通じて実施している「未踏IT人材発掘・育成事業(以下「未踏事業」)」で、事業修了者のうち特に卓越した能力を持った者が認定されるスーパークリエータに選出されました。

ポイント

・2022年度の未踏事業で最年少スーパークリエータに選出!(茨城高専生では初の選出)

・プロジェクトの概要

・開発例

・今後の展望

 

2022年度の未踏事業で最年少スーパークリエータに選出!(茨城高専では初の認定)

 未踏事業は、突出したIT人材を発掘・育成する事業として2000年度から実施されており、これまでに延べ1,800名以上のクリエータを輩出。25歳未満を対象に公募され、産学界の第一線で活躍するプロジェクトマネージャ*1が可能性のある個人を発掘し、独創的な開発を通じて採択者の成長を支援することが特長です。

 2022年度の未踏事業では、124件の応募の中から21件のプロジェクトとそれに関係する37名のクリエータが採択。饗庭さんは、同年度の事業修了者のうち、特に卓越した能力を持った者が認定されるスーパークリエータ25名の中で最年少の選出となりました。当認定は、茨城高専として記念すべき初の快挙となりました。

 

プロジェクトの概要

 饗庭さんは、プロジェクトマネージャの首藤一幸氏(京都大学 学術情報メディアセンター 教授)の指導のもと、「ハードウェアを意識しない組み込み開発環境 mCn」プロジェクトに取り組みました。

一般的な開発フローとmCnを使った開発フローの比較

 同プロジェクトでは、これまで製品開発を行うために必要であった工程の多くをAPI化*2したことでアプリケーションの開発期間を大幅に短縮しました。また、センサー選定やハードウェアファーム開発*3、ケース(筐体)設計といったハードウェアの知識が必要とされる工程がAPI化されているので、ソフトウェアエンジニアがハードウェアを意識することなく開発できることが特長です。

 

 饗庭さんは、同プロジェクトのためにmCnベース*4(専用の基板)と、mCnモジュール*5(専用のIoTデバイス*6)を製作。ブロックを組み立てるようにモジュールをベースに取り付けることで、ハードウェアの知識がなくても簡単にアプリケーション開発の環境が整います。

一般的な開発フローとmCnを使った開発フローの比較
mCnデバイス※7をスマートフォンにセットするだけでアプリケーション開発環境が整う

開発例

● mCnデバイス×スマートフォンを使用した「定量的な料理アプリ」

● 使用ベース:Basic Base

● 使用モジュール:熱電対(温度センサー)モジュール、ジェスチャーモジュール

 

【アプリケーション概要】

「ふつふつとするまで」等、ユーザーの感覚に頼っていた曖昧な部分を熱電対(温度センサー)モジュールで定量化する料理アプリ。料理中に使用することを想定し、ジェスチャーモジュールと組み合わせることで濡れた手でも利用可能とした。

 

例)チョコレートを溶かすのに最適な50℃の温度をキープする

      ▲温度が低い場合(左) 「お湯追加」と表示される
      ▲温度が適正範囲の場合(中) 「いい感じ」と表示される
     ▲温度が高い場合(右)  「お湯を冷ます」と表示される

 他にも饗庭さんは、重さモジュールを使用して、薬の飲み忘れや飲み過ぎを警告する「薬の管理アプリ」や、これまで別作業で行っていた計測や記録を1台のスマートフォンで完結できる「イチゴの重さ計測・記録アプリ」等を開発した。

 

今後の展望

 饗庭さんは、『未踏事業を通じて、同年代クリエータと切磋琢磨したことはとても貴重な経験だった。この経験が大きな自信につながり、モノづくりに対する情熱を更に深めることができた』と語り、今後はスマートフォン同様、mCnモジュールをアップデートできるようにファームウェア*8の開発と、「もっと一体感のあるケース(筐体)が欲しい」、「もっと多くのモジュールを使いたい」等といったフィードバックに応えるため、mCnポートを搭載したオリジナルスマートフォン開発に着手している。

 

(用語説明)

※1…未踏事業におけるプロジェクトマネージャとは、クリエータを発掘し、1年弱の開発期間を通じてクリエータを指導する役職のこと。

 

※2…ソフトウェアにAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)という外部とやりとりする窓口を作り、外部アプリとのコミュニケーション・連携ができる状態にすること。

 

※3…ハードウェアの設計や開発を指す。電子回路の設計、部品の選定や組立て、プリント基板の設計等が含まれる。

 

※4…USB Type-Cポートに搭載する「Basic Base」と、激しい動きにも対応できるケース一体型の「Case Base」の全2種がある。

 

※5…目的・用途に合わせて使用する「CO2モジュール」、「ENV(環境センサー付き)モジュール」、「熱電対(温度センサー付き)モジュール」、「ジェスチャーモジュール」、「距離モジュール」、「重さモジュール」、「ジョイスティックモジュール」全7種がある。

 

※6…「Internet of Things」の略称。日本語では「モノのインターネット」と表現され、モノにセンサーなどを取り付けてインターネットへ接続すること。

 

※7…mCnベースとmCnモジュールの総称。同プロジェクトのために饗庭本人が製作したオリジナルプロダクト。

 

※8…ハードウェアを動かすためのソフトウェアのこと。ハードウェアのように物質的に存在しない無形のプログラム。

 

 

茨城工業高等専門学校について

茨城工業高等専門学校は、国境を意識させない21世紀型グローバルスタンダードの教育内容と教育環境を内外の若者に提供します。また学生の知的好奇心の段階的成長を手助けし、科学技術や工学における社会との関わりを教授して、起業家精神を身につけることにより両者を結び付け、社会の成り立ちを理解できる基盤を育成します。職業選択だけでなく人生設計と自立する技術者としてたくましく生きるための準備はグローバルキャリア教育として実施します。これらを従来の専門技術教育に加味して、次世代を担うたくましい技術者人材を育成します。

 

【学校概要】

学校名:独立行政法人国立高等専門学校機構 茨城工業高等専門学校

所在地:茨城県ひたちなか市中根866

校長名:鈴木 秋弘

設立:1964年

URL:https://www.ibaraki-ct.ac.jp/

事業内容:高等専門学校・高等教育機関

 

【本リリースに関する報道のお問い合わせ先】

茨城工業高等専門学校 広報室

TEL:029-271-2900 

e-mail:pr@ibaraki-ct.ac.jp

 

 

 



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企業情報

企業名 独立行政法人国立高等専門学校機構
代表者名 谷口 功
業種 教育

コラム

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