お産は明るく楽しくがモットー【書籍発売『赤ちゃんもママもうれしい 幸せな出産』】

◆お産＝痛いの誤解

出産というと痛みを伴うものといった固定観念があるでしょう。さらに近年ではリスクを避けるため帝王切開による出産も増えているそうです。こうして見るとお産は痛くて怖いものといったイメージが沸き起こってきますね。

しかし、著者が提唱する出産は、怖くない、痛くない、笑顔の「つぐお式」出産です。この呼称は著者の名前を取り入れ「生を紹（つ）ぐ」の意味を持ちます。精神の安定と調和を取り入れた「ソフロロジー式出産」をベースとして「胎内記憶」「コーチング」「禅」の要素が組み合わされています。つまり、お腹の中の赤ちゃんにも意識や感覚があるので、よく話しかけたり、ママの出産の概念をパラダイムシフトしてみたり、物事をシンプルに捉えたりすることで、幸せな出産に導くというものです。この方法はいわゆる麻酔をかける無痛分娩とも違います。そのため、赤ちゃんが自分の体を通って生まれ出る瞬間をしっかりと体験できるそうです。何より特殊なトレーニングや勉強も不要で誰にでもできるのが最大の魅力です。

◆出産にまつわる俗説を否定

本書では出産に関するさまざまなイメージの捉え方の変化を促します。「出産の痛みはママの心が9割」であり、自然に笑えるようになればお産はラクになると著者は述べます。そうすれば、出産したママも「終わった」という感想ではなく、「産んだ」という実感を持てるようになります。さらに本書では産婦人科医を務める著者の立場から「妊婦中の食事は二人分は本当？」「転んだら流産は本当？」といった俗説も否定されています。出産だけでなく、その前の妊娠中にまつわるトピックも網羅されています。妊娠中の夫との関係などについても記されていますので、当事者の妊婦の女性ばかりではなく、男性が読んでも役立つ本です。

◆いいお産をするには？

本書では多くの話題が取り上げられていますが、良い出産のための「3つ」のアドバイスも提唱されています。

・自分自身に向かって「お産を楽しんでいいんだよ」という「許可」を出す

・自分の進みたい方向に「意識」のベクトルを向ける

・綺麗な「言葉」を使う（言葉には魂が宿っている）

やはり「産む」お母さんの側の意識や捉え方で出産のあり方は大きく変わると言えるでしょう。

◆出産をポジティブに捉える

著者の藤原紹生（ふじはらつぐお）さんはフジハラレディースクリニック院長を務め、これまでに5000人以上の赤ちゃんを取り上げて来ました。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、母体保護法指定医、日本ソフロロジー法研究会認定指導医、医学博士の資格も持ちます。著者は「いいお産を日本中に広め、日本を幸せに元気にする!」目標を掲げている通り、読むだけで明るい気持ちになれ、なおかつ実用的な知識も得られる1冊です。

【書籍情報】　　

『赤ちゃんもママもうれしい 幸せな出産』

(2021年10月21日発売）

¥1540(税込)

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