スマホで見る顕微鏡『mil-kin（見る菌）』が経済産業大臣賞を受賞

株式会社mil-kinの携帯型微生物観察器『mil-kin（見る菌）』開発が、「令和2年度産業標準化事業表彰」にて、「経済産業大臣賞」を受賞しました。

「産業標準化事業表彰」とは、国際標準化機構（ISO）や国際電気標準会議（IEC）における国際標準策定や、国内規格（JIS）策定といった、標準化活動に優れた功績を有する個人や組織を表彰するもので、mil-kinの受賞対象は以下の通りです。

【社会背景】

2020年1月に発生した新型コロナウイルスにより、世界の感染者数が5040万人、死亡者数が126万人(2020.11.10現在)を超え、新型コロナウイルスは「見えないもの」への脅威や恐怖、及び「健康」に対する新たな価値観を生み出すことになりました。

それにより、人々の「衛生管理」や「殺菌」といった意識が向上しており、実際に、マスク・消毒液・除菌シートといった衛生管理品の使用が、日常化しております。しかし、除菌や殺菌効果を簡単に確認する方法は、今までありませんでした。

当社が開発した、バクテリア・セルフチェッカー『mil-kin（見る菌）』 は、現場ですぐに菌の観察が可能 となることから、注目を集めています。

【受賞理由】

当社が開発したスマートフォンを利用し簡易に細菌類を観察できる光学機器「mil-kin（見る菌）」に関して、新市場創造型標準化制度を活用し、2019年 JIS B 7271（携帯形微生物観察器） として制定されました。

携帯性が良く、プレパラートを必要とせず、また、試料の調整や培養の必要がなく、試料を直接乗せて観察できるため、現場ですぐに観察が可能となることから、食品加工施設、歯科医院、保健所などで広く利用されています。

JIS制定に伴い高い信頼性を得られたことにより、同機器の販売網は世界20カ国以上に広がり、標準化により新市場を拡大した好例として、この度、「令和2年度産業標準化事業表彰」で「経済産業大臣賞」を受賞しました。

【受賞内容】

（1）歯科医院での実践例

現在、mil-kin C-Typeは歯科医院1000件以上に導入の実績があります。スマートフォンのカメラ機能で、チェアサイドにて患者様と一緒に細菌の動く様子をリアルタイムに観察でき、治療の重要性を直感的に理解してもらいやすくなります。

「菌が見える」という新しいコミュニケーション方法として、患者様のモチベーションを上げ、その後の治療や定期的なメンテナンス来院を円滑に行うことができます。

（2）食品加工施設での実践例

工場長や店長、品質管理担当者は、日々食品衛生などの情報が入ってくるので、自然と衛生管理に対して意識が高くなっています。しかし、現場や経営陣に対して衛生管理の重要性を的確に伝える手段がありませんでした。mil-kinは、＂菌＂や＂汚れ＂の「見える化」が現場でリアルタイムにできる事により、新しい衛生管理の方法を確立することができます。

【mi-kinが考える菌未来】

現在、世界中では、新型コロナウイルスによる「見えないもの」への脅威と恐怖にさらされています。mil-kinは微生物を観察する装置として開発され、ウイルスを見ることはできませんが、これまで以上に菌未来の創造と発展を目指し、日本だけでなく世界中から食中毒や感染症をなくすために、「ミクロの視点からマクロな社会課題に挑戦」 していきます。