コロナで困窮した家計を救うため、普通の主婦は風俗の門を叩いた
新型コロナによる困窮の拡大により、多くの主婦が風俗で働き始めました。躊躇いながらも働かざるを得なかった彼女たちですが、日払いで手にする現金に助けられているのも事実。家族のために風俗で働く女性たちの今を取材したレポートです。(文=埜辺水)
■多くの家庭を襲った「コロナ困窮」
経済にも大きな影響を及ぼした新型コロナウイルス感染症。政府の月例経済報告では「急速に悪化しており、極めて厳しい状況にある」としており、多くの企業が倒産や閉業などを免れない状況となっている。
そのため多くの世帯で収入が減少。会社員や自営業である夫の収入減だけでなく、家計を助けていた妻のパートも営業自粛により収入減どころか職を失ってしまった人も多く、雇用動向レポートによるとおよそ26万人の非正規従業員が失業したとされる。
さらに危機的な状況に追い込まれているのが母子家庭だ。パート先をクビになり、さらに休校で子供の面倒も見なければならない。普段から慎ましく暮らしていた彼女たちに、数ヶ月間食いつなぐだけの貯蓄があるはずもない。
また一人あたり10万円が支給される特別定額給付金も多くの自治体で給付がずれ込んでおり、まさに今日の食い扶持に困っている世帯にとっては待ったなしの状況といえるだろう。彼女たちはいますぐに現金が必要なのだ。それも贅沢をするためではなく、今日食べるものを手に入れるために。
■家族のために選んだ風俗という仕事
事務作業や飲食店などでの接客経験しかない主婦でも、一般的なパート以上に稼げる仕事が風俗である。躊躇いや葛藤はもちろんあっただろう。しかし家族のため、彼女たちが決断するのにそう時間はかからなかった。
全国に展開するデリバリーヘルスグループ「カサブランカ」に4月上旬、入店した30代のMさんはこう語る。「半年前まで私がこの業界に入るなんて思ってもいませんでした。ただほかに、選択肢が無かったんです」
あっという間に困窮した家庭には他の手立ても、またそれを探る時間すらも無かった。そしてそういった状況において短時間で高額の日銭を稼ぐことができる風俗という仕事は、彼女たちにとっての最適解だった。
カサブランカグループの代表をつとめる長谷川華さんが続ける。「4月16日、緊急事態宣言が全国に拡大された際、多くのエリアで性風俗店にも営業自粛要請が出されましたが、私たちカサブランカグループを含め多くのデリバリーヘルスは営業を自粛することはありませんでした。これは利用する男性にとっては娯楽である風俗も、働く女性にとっては生きていくために必要なライフラインそのものだったからです」
■対応が分かれたソープランドとデリバリーヘルス
しかし営業を続けるデリバリーヘルスとは異なり、ソープランドなど店舗型風俗店の多くは休業要請に従った。これは実際に施設を有している点や、ソープランド街にある特殊浴場組合の決定に従わざるを得ない事情によるものだろう。そのため今まではソープランドを利用していた男性・ソープランドで働いていた女性の多くが、デリバリーヘルスに流入することになる。
そして迎えた外出自粛が叫ばれる中でのゴールデンウイーク。前出のカサブランカグループ長谷川華代表によるとこの頃から客足が戻り始め、また面接を希望する未経験の女性からの問い合わせも輪をかけて増えてきたという。
ラジオ番組『岡村隆史のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で「コロナ後は美人風俗嬢が増える」とナイナイ岡村隆史さんが発言し炎上した。いくら深夜帯といえどもタレントがラジオで語るべき内容ではないのは確かだが、いち風俗ユーザーとしての彼の見立ては正しかったと言わざるを得まい。
■コロナ渦を経て強くなった女性たち
まだ終息には長い時間がかかると見られる新型コロナウイルス感染症。総括するには時期尚早だが、すでに多くの物事が変わりはじめている。その一つが風俗で働く女性の裾野の拡大だ。
パート先を解雇された主婦や、危機感を覚えWワークの一環として風俗の門を叩くOL。親の仕送りに頼れなくなった学生なども増えたという。
カサブランカグループの熟女店「五十路マダム」に5月上旬入店した50代のSさんは「こういった想定外の出来事が起きたとき、政府の対応は後手にしか回らないことを痛感しました。自分、そして家族の身は私が守らなくてはいけない。そのためにはお金を貯めておく必要がある」と語った。
彼女はまだ風俗に飛び込んで1ヶ月も経たない、業界で言うところのニューフェイスだ。必要に迫られ働き始めたという彼女だが、悲壮感は感じない。むしろ出勤するたびに今までのパートでは考えられないほどの現金を手にする彼女は、いきいきと輝いているように見えた。
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企業情報
企業名 | スワンキースワン株式会社 |
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代表者名 | 白鳥デジ子 |
業種 | 広告・デザイン |